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『ハンチバック』感想&オマージュ作品

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市川沙央さんの『ハンチバック』に惹かれて書きました。
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市川沙央『ハンチバック』を読んで「中絶願望に救いを求める釈華の生き様をみつめて」…

 はじめに…寡黙そうな作者が秘めている内なる牙に慄かされた。しぶとくたくましい弱者の骨は…

宙の音
10か月前
21

「処女受胎~あれからの釈華~」『ハンチバック』二次小説<下>

 大学病院に着くとすぐ明日のための検査を受けた。内診もされたけれど、もう与羽の心拍やエコ…

宙の音
4か月前
3

「処女受胎~あれからの釈華~」『ハンチバック』二次小説<中>

 その夜、私はまたひとりで悶々と考えていた。健常者でも子宮をとってしまったら当然授かるこ…

宙の音
4か月前
2

「処女受胎~あれからの釈華~」『ハンチバック』二次小説<上>

※市川沙央さんの『ハンチバック』が大好きなので、その後の釈華や田中さんをイメージした物語…

宙の音
4か月前
5

「母性の怪物~田中沙羅(紗花)の半生~」『ハンチバック』オマージュ・スピンオフ小説…

※これは市川沙央さんの小説『ハンチバック』に登場した、風俗嬢・紗花の人生に焦点を当て、彼…

宙の音
10か月前
8

「母性の怪物~田中沙羅(紗花)の半生~」『ハンチバック』オマージュ・スピンオフ小説…

 私はその夜、少し前に行ったハプニングバーでの出来事を夢に見た。ハプバの常連というミキオ…

宙の音
10か月前
13

「母性の怪物~田中沙羅(紗花)の半生~」『ハンチバック』オマージュ・スピンオフ小説<下>

 妊娠すると性欲は減るという俗説を信じていたけれど、どうやらヒト絨毛性ゴナドトロピンのせいか、私の場合は妊娠中も性欲がなくならないどころか、中絶後もしばらく亢進していた。悲しくてつらくて泣いてばかりなのに、性欲だけはあるなんて…情けない気もした。けれど誰とでも性交したいとかそういう気分にはなれなかった。むしろもう見知らぬ客たちとヤルのはごめんだと思うようになった。ただ自分で性欲をなだめることができたらそれで良かった。私は大好きだったはずの順兄ちゃんやシュン、蓮の父親だったかも