宙の音

2022年2月10日前後の気持ちを忘れないために、いつかの2月10日に本を出版すること…

宙の音

2022年2月10日前後の気持ちを忘れないために、いつかの2月10日に本を出版することが目標。 音楽文を書くことが好きだったので、心に残る「音楽が聞こえる物語」を書籍化することも夢。

マガジン

  • 『ハンチバック』感想&オマージュ作品

    市川沙央さんの『ハンチバック』に惹かれて書きました。

  • 「YUKITO-死にたい俺と生きたい僕-」(漫画原作)

    週刊少年マガジン原作大賞に応募した漫画原作のまとめです。

  • 創作物語(オリジナル&オマージュ)エトセトラ

    童話、小説などオマージュ作品多めです。

  • 「生きるAIの子」+「マザー」 まとめ

    創作大賞2023に応募した作品「生きるAIの子」(漫画原作部門)と 「マザー」(恋愛小説部門)をまとめました。 「生きるAIの子」は5話で37500字、「マザー」は7話で108660字、 総計14万6千字程度の物語です。 【追記】 「マザー」8~10話は番外編のような話で、3話で計38500字です。 つまり「マザー」のみなら、14万7千字の物語です。 「生きるAIの子」+「マザー」で18万4500字の作品になりました。 それぞれ単独でも読めますが、二つの作品は一応連作にもなっています。 母性と性欲の狭間で揺らめく女性とAIの子の命を巡る切ないお話です。 ジャンルはSF恋愛ファンタジーかつ真面目に性を語るエロ系です。 特に「マザー」はrumania montevideo「Still for your love」が勝手にテーマ曲になりました。

  • 藤原基央(BUMP OF CHICKEN)

    バンプと藤くんに関する文章です。楽曲について、創作物語など含みます。

最近の記事

  • 固定された記事

「てのひらのこ-ゆきといのち-」(フォトポエム)

初めて あなたの命の鼓動を見た時 その尊さに感動を覚えた あなたの心拍はまるで 夜空で瞬く星のように  静かに 密やかに 確かな点滅を繰り返していた 「ここで生きているよ」と教えるみたいに 私の小さな胎内は 宇宙のように闇深く 無限に広がっているように思えた その暗がりの中で ぽつんとひとりきり あなたは懸命に 命を刻み続けていた ひとりぼっちの私の元へ ふいに来てくれた あなた あぁ私はひとりではなかったんだと思い知らされた いつの間にか ふたりで生きていたんだね…

    • 『セミロングホームルーム(二次小説)セミの正体「セミの名は…幸心」セミとユキトのブルース』

       ぼくはセミ。トリノくんって子に教室の窓から放り投げられてしまったセミ。今は鳥に追いかけられていて絶体絶命、大ピンチのセミ。どうにかして逃げ切らなきゃ。今、鳥に食べられて死ぬわけにはいかないんだ。あと数日に迫ったぼくの命日まで、何が何でも生き延びなきゃいけないから。そして絶対、お母さんに会いたい。  ぼくの命日ってどういう意味かっていうと、ぼくは一度死んだことがあるんだ。今セミの姿のぼくは元人間で、生まれる前にお母さんのおなかの中で死んじゃった存在。つまりセミになる前は人

      • 『ややこしいにもほどがある!~地獄のオガワから仏のオガワ、仏を経て、渚の息子の正人として生きる小川市郎のひとりごと~』不適切にもほどがある!二次小説(不都合にもほどがある!追記)

         こんばんは、地獄のオガワ改め、仏のオガワの小川市郎です(グループ魂の港カヲル風)。1995年、娘の純子と共に死んでしまったので、本当に一度は仏になった。地獄に落ちるかと思ってたけど、未来を知って改心した後、仏のオガワに生まれ変わったおかげか地獄は免れた。けれど天国へ行けたわけでもなく、神さまから生まれ変わりパスポートを渡され、2022年には新たな命と生を授けられた。  母親のおなかの中にいる時はまだ気づかなかったが、生まれて母親の正体を知って驚いたぜ。俺は孫にあたる犬島渚

        • 『不都合にもほどがある!(後編)未来の話ばかりしちゃダメですか?~ふぞろいな僕らの未来~』不適切にもほどがある!スピンオフ(二次小説)秋津睦実編

          ★前編の続き  「ここ、俺んち。ちょっと待ってろ。」 「ムッチ先輩の家ってだんご屋さんだったんですね。」 睦実はだんご屋からパックに詰めただんごを持ってきた。 「強、後ろに乗れよ。」 睦実は久しぶりにバイクを出すと強を乗せた。 「これからどこかへ連れて行ってくれるんですか?」 「まぁな。キョーコちゃんと行きたかったところへ連れてくよ。」 睦実は『渚のシンドバッド』、『勝手にシンドバッド』、『勝手にしやがれ』なんかを口ずさみながら、強を乗せたバイクを走らせた。

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        「てのひらのこ-ゆきといのち-」(フォトポエム)

        • 『セミロングホームルーム(二次小説)セミの正体「セミの名は…幸心」セミとユキトのブルース』

        • 『ややこしいにもほどがある!~地獄のオガワから仏のオガワ、仏を経て、渚の息子の正人として生きる小川市郎のひとりごと~』不適切にもほどがある!二次小説(不都合にもほどがある!追記)

        • 『不都合にもほどがある!(後編)未来の話ばかりしちゃダメですか?~ふぞろいな僕らの未来~』不適切にもほどがある!スピンオフ(二次小説)秋津睦実編

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        • 『ハンチバック』感想&オマージュ作品
          7本
        • 「YUKITO-死にたい俺と生きたい僕-」(漫画原作)
          5本
        • 創作物語(オリジナル&オマージュ)エトセトラ
          45本
        • 「生きるAIの子」+「マザー」 まとめ
          15本
        • 藤原基央(BUMP OF CHICKEN)
          48本
        • 『瞬く命たちへ』+『続く僕らの命』などマンガ原作向け
          18本

        記事

          『不都合にもほどがある!(前編)ひきこもっちゃダメですか?~ふぞろいな俺たちの出会い~』不適切にもほどがある!スピンオフ(二次小説)秋津睦実編

          ※これは宮藤官九郎さん脚本のドラマ『不適切にもほどがある!』ファンでふてほどロス真っ只中の人間が、ムッチ先輩×不登校の佐高強をメインに考えた物語です。前編、後編合わせて3万字程度です。前編は懐メロミュージカル調、後編は少しややこしいSFに突入し、最後はちょいエロ?ファンタジーに着地します。以下、本編が始まります。 《飲んで 飲んで 飲まれて 飲んで 飲んで 飲みつぶれて眠るまで 飲んで やがて男は 静かに眠るのでしょう》 河島英五 『酒と泪と男と女』  失恋のショックで飲

          『不都合にもほどがある!(前編)ひきこもっちゃダメですか?~ふぞろいな俺たちの出会い~』不適切にもほどがある!スピンオフ(二次小説)秋津睦実編

          『透明なゆりかご』を見て読んで、透明な命になった我が子・ゆきとを偲ぶ。

          できることなら我が子の亡骸を引き取りたかった。12週以降でないと引き取れないと知った。別料金が発生しても構わないから、引き取らせてもらえないか、病院に懇願した。けれど9週の胎児は病院側で引き受ける決まりがあるらしく、我が子だというのに、一度も見ることも触れることもできなかった。それが今でも心残りで仕方ない。百歩譲って、中絶は仕方のない選択だったと後悔を抑えることはできる。けれど我が子を直に見られなかったこと、自分の手で供養できなかったことだけは未だに後悔してしまう。12週以降

          『透明なゆりかご』を見て読んで、透明な命になった我が子・ゆきとを偲ぶ。

          「処女受胎~あれからの釈華~」『ハンチバック』二次小説<下>

           大学病院に着くとすぐ明日のための検査を受けた。内診もされたけれど、もう与羽の心拍やエコー写真は見せてもらえなかった。何も言われないものだから、私は思わず、「赤ちゃんは生きていますか?元気ですか?」と尋ねてしまった。明日には始末する命だというのに。医師は「赤ちゃんは大丈夫ですよ」とひと言つぶやいた。別れ難くならないために、あえて何も見せてはくれなかったんだろうけど、少し寂しくなった。そしていつもの広い個室に私は移された。  「釈華ちゃん、ほんとにひとりで大丈夫?今夜だけは

          「処女受胎~あれからの釈華~」『ハンチバック』二次小説<下>

          「処女受胎~あれからの釈華~」『ハンチバック』二次小説<中>

           その夜、私はまたひとりで悶々と考えていた。健常者でも子宮をとってしまったら当然授かることはできないんだ…。本当は、医学的に可能なら、今胎児として成長しつつある命の塊を私の胎内から茉莉亜さんのような健常者の子宮に移して、代わりに元気な赤ちゃんを産んでほしいなんて夢みたいなことも考えていた。けれど、子宮を摘出して赤ちゃんを胎内で育てられない健常な女性も世の中にはいるんだということを改めて知らされた。  それから流産のこと…。私が出産を望んで、このまま子宮内でこの子を育て続けた

          「処女受胎~あれからの釈華~」『ハンチバック』二次小説<中>

          「処女受胎~あれからの釈華~」『ハンチバック』二次小説<上>

          ※市川沙央さんの『ハンチバック』が大好きなので、その後の釈華や田中さんをイメージした物語を書きました。56000字近いため、記事を三つに分けました。好きな音楽もたくさん散りばめました。以下、本文が始まります。  短調のピアノの調べが聴こえてきた。その曲はクラシック好きな母の影響で覚えたバッハのインベンション13番イ短調だった。不穏な音色が響く暗がりの中、一筋の光が射し、得体の知れない不気味な扉が開くと、そこには母が佇んでいた。 「釈華ちゃん…大丈夫?ちゃんと〇〇するのよ。

          「処女受胎~あれからの釈華~」『ハンチバック』二次小説<上>

          とかげのゆきと、ゆきとかげ。

          ゆきとはたましいだけだから、いつでもどこへでも 連れて行けると思って、一緒にイルミネーションを見たね。 生きている1歳児なら、寒空の下、90分間も連れ回せないもの。 たましいだけだから、ずっと一緒にいられるんだって気づいたよ。 でも…時の止まったエコー写真のゆきとしかいないから、 時々たまらなく悲しくなって泣いてしまう。 そんな時、ゆきとは「ここにいるよ」って教えるみたいに とかげになって姿を見せてくれるね。 イルミネーションを見た後、閉店間際のお店に寄って、 すみ

          とかげのゆきと、ゆきとかげ。

          会えなかった大好きなあなたへ

          一生で一番愛する人には二度と会えないどころか、一度も会えなかった。だから悲しい。 好きという気持ちを封印したいくらい、つらい。 芽生えてしまった母性はいつまで経っても消えてはくれない。 一度でいいから、会いたかった。見たかった。触れたかった。 まだ触れることさえできない、か弱い存在…。 儚いのに揺るぎない、小さいのにとても大きな存在だった。 馬鹿な私はあなたと一緒に今を生きている想像をしてしまう。 色づいた葉っぱがたくさん落ちている小道を手をつないで一緒に歩く。

          会えなかった大好きなあなたへ

          ラベンダー色の風にさらされた私の本性

          スーパーで見かけた彼女との出会いは一週間前…。 目を奪われるようなやさしいラベンダー色のスカートをまとっていたその人は、よく見るとおなかがふっくらしていた。妊婦さんだった。 大きくなりつつあるおなかを抱えて、ひとりで買い物かと思いきや、母親らしき人と一緒だった。そもそもひとりではなかった。おなかの子も含めたら、常にふたり。 おばあちゃんも合わせて、三人で幸せそうにのんびり買い物していた。 限られた予算で必死に計算しながら、慌ただしくひとりきりで安物をカゴに入れまくっていた私と

          ラベンダー色の風にさらされた私の本性

          戸森しるこさんの童話『ぼくの、ミギ』を読んで

          くつ下を買う時は、なるべく同じものをたくさん買うといいと聞いて以来、私は一度に同じ色かつ同じ柄のくつ下を複数購入するようになった。完全に同じくつ下なら、片方に穴が開いても、もう片方が無事であれば、他のどのくつ下ともペアで履けるからだ。経済的で効率が良いと思って、同じくつ下を履き続けていたけれど、この本を読んだら、他のものとはペアを組めない一点もののくつ下に憧れるようになった。 戸森しるこさん作『ぼくの、ミギ』は、くつ下が主役の童話。童話だけど、完全な子ども向けというより、ヤ

          戸森しるこさんの童話『ぼくの、ミギ』を読んで

          夕日色に染まる銀木犀と秋の子ゆきと

          10月最終日午後4時過ぎのほんの5分程度。 月夜に見た銀木犀のある場所に行ったら、また駐車場にいるだけで、 ふわっと香ってきました。 銀木犀の隙間にちょうど見えた斜陽の光の神々しさ。 1、2分の間にどんどん太陽は沈み、銀木犀の色合いや写真の表情は変わりました。 11月に入り、拾った小さな秋の欠片たちと、ゆきと。秋の子、ゆきと。 #小さな秋 #秋 #銀木犀 #ドングリ #落ち葉 #木の実 #葉っぱ #エコー写真 #胎児 #夕日 #斜陽 #写真

          夕日色に染まる銀木犀と秋の子ゆきと

          「月と銀木犀とゆきと」

          駐車場を歩いていたら、ふわっと甘い香りが漂っていて、 なんだろうと辺りを見回してみたら、銀木犀の花が咲いていました。 金木犀の方がメジャーになりましたが、金木犀は銀木犀の変種とか。 個人的には金木犀より銀木犀の香りの方が好きかもしれないです。 金木犀はあっという間に花が枯れて色褪せてしまうけれど、 銀木犀の花は金木犀より丈夫で、長く枝に残っていることに気づきました。 今宵は月も綺麗でした。 金木犀の香りを再現した入浴剤やボディソープ、芳香剤などはよく見かけますが、銀木犀

          「月と銀木犀とゆきと」

          「怪我の功名-走行距離15万キロ15年ものの化石のような愛車の車検を巡って-」

          今思えば、8月下旬に神社にて急ブレーキを踏み、ブレーキに違和感を覚えたのは、アクシデントではなく、神社の神さまからのプレゼントだったかもしれない…。 その時の記事はこちら↓ 1ヶ月後に車検の満了を迎えようとしていた9月下旬、実家近くのいつものディーラーで車検の見積をしてもらった。すると2年前に替えたばかりの4万円もかかるリアアクスルハブ&ベアリング(左後ろ)がまた劣化しているから、車検受けるなら、交換の必要があると説明された。右後ろは今年4月に交換したばかりで、もしも言わ

          「怪我の功名-走行距離15万キロ15年ものの化石のような愛車の車検を巡って-」