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頭にきたら、時間を稼ぐ

今日のおすすめの一冊は、枡野俊明氏の『仕事がはかどる禅の習慣』(マガジンハウス)です。その中から「見返りを求めないということ」という題でブログを書きました。

本書の中に「頭にきたら、時間を稼ぐ」という心に響く文章がありました。

人の性格、気質はマチマチですから、人間関係のなかで摩擦や軋轢(あつれき)が起きることはあります。社内や社外の人の言葉が頭にくることもあるでしょう。しかし、そこでいい返したら、事態は悪化するばかりです。
 いわゆる「売り言葉に買い言葉」という状況となり、おたがいにあとには引けず、悪口雑言の応酬ということにもなりかねません。その結果、気まずさ、あと味の悪さだけが残ります。
 怒りのマネジメントはビジネスパーソンに必須の課題です。禅は怒りを頭に上げず、 腹におさめなさい、と教えます。喜怒哀楽の感情があるのが人間ですから、一瞬、カチンとくるのは仕方がないのです。そこで、 「こいつ、どんなつもりでこんなことをいいやがったのだ。俺をばかにしているのか。 そうだ、そうに違いない。ここはいい返さずにはおくものか!」
これが怒りを頭に上げるということです。 こうなると、怒りをマネージ(コントロ ール)するどころか、怒りに振りまわされることになります。 一方、腹におさめるとは、言葉にただちに反応しないことだといっていいでしょう。
そのためには呼吸です。深い「丹田呼吸」を数回繰り返してください。 怒りの感情の継続時間は意外に短いものです。呼吸をして、時間を稼いでいる間にどんどん静まっていきます。怒りが腹におさまるのです。
相手にいちばん堪えるのがこれ。そう、こちらが平常心を保ったままでいて、取り合わないことなのです。 相手は、拳を振り上げてはみたものの、下ろしどころがなくなって、面目を失う結果となります。もはや、勝負あり、です。相手が感じるのは“格”の違いでしょう。 「う~ん、相手が一枚も、二枚も、上だったか。まいった!」 
さらにマネジメント力”を高める方法があります。これは、曹洞宗大本山總持寺 の貫首をつとめておられた板橋興宗 禅師からの直伝。板橋禅師はわたしも多くの教えをいただいた方です。 呼吸を繰り返したあと、「ありがとさん、ありがとさん、ありがとさん」と3回心の なかで唱える、というのがそれです。かりに怒りの感情がまだくすぶっていたとしても、これですっかり腹におさまります。 
この時代は、人の心が渇いているともいわれます。それだけに腹が立つことが少なくないかもしれません。“怒りを腹におさめる” 習慣は、時代を軽やかに生きるおおいなる武器です。 《平常心是道(びょうじょうしんこれどう)/悟りは修行の先にあるのではない。 いつも穏やかな心でいることこそ悟りである。》

「アンガーマネジメント」という1970年代にアメリカで始まった心理トレーニングの方法があります。これは、怒らないことではなく「怒りをコントロールすること」であり、「怒りと上手につき合うこと」です。

それは、「衝動をコントロール」すること。衝動をコントロールするとは、「最初の6秒をやりすごす」ことです。よく、「腹が立ったら十、数えよ」などといわれますが、間を置け、ということなんです。

怒りを頭に上らせず、腹に収める修行をしたいと思います。

今日のブログはこちらから☞人の心に灯をともす


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