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2023年9月定例議会の一般質問の報告(その2)。「発達障害についての課題と求められる取組」について

 名取市議会議員のさいひろみです。

 2023年6月定例議会の一般質問の報告(その2)は、発達障害を取り上げました。
 福祉事業者から話題をいただき、付近の自治体を調べてみると、若干名取市が遅れ気味であること、過日の学校&児童センター訪問でも、課題があったことから質問しています。

◇ 質問と答弁(概要)

Q:第6期障害福祉計画・第2期障害児福祉計画における発達障害についての取組と課題は。

現在の計画(2024年3月末に改定予定)

A(市長):発達障害児や家族に対しての支援をしてきている。課題は、一人ひとりの状況に応じた支援を、いかにして提供していくか。

 本市の障害者計画においては、発達障害児者の支援の充実を進めている。
 また、第6期障害福祉計画・第2期障害児福祉計画では、発達障害児者に特化した支援にあたっての課題や目標の設定は行っていないが、直営の若竹園において、2021年度より「若竹園家族教室」を年4回開催し、発達障害児及びその家族を支援する取組を行っている。
 発達障害は、人によって障害の特徴が複数重なり合っていたり、年齢や環境によって症状に変化が見られたりするため、一人ひとりの状況に応じた支援をいかに提供していくかが、課題と捉えている。

市長答弁概要

Q:次期障害福祉計画・障害児福祉計画には、発達障害についても盛り込み、取組を加速すべき。

A(市長):目標値を定め、取組を実施する。

 次期障害福祉計画・障害児福祉計画では、発達障害児者及びその家族への支援体制の構築が図られるよう、国の指針に則り、目標値を定め、発達障害児者に対する支援の取組を実施していく。

市長答弁概要

Q:発達障がい児者の教育現場での現状と課題は。

A(教育長):現状として児童生徒は年々増えていること、課題としては、関係者の理解や対応について研修の必要性があること。

 2022年に行われた文部科学省の調査において「知的発達に遅れはないものの、学習または行動面で著しい困難」を示し、発達障害の可能性がある小・中学生は8.8%で、前回調査の6.5%より2.3ポイント増えたという結果が示された。
 本市でも、発達障害と捉えている児童生徒は年々増加しており、特別支援教育支援員を配置し、学習活動の支援を行っている。
 課題としては、状況によって十分な支援ができない場合があること、発達障害児者への理解や対応について、教員や支援員に対する研修を更に行う必要があることが挙げられる。

教育長答弁概要

Q:発達障がい児者のライフステージに合わせ、支援や情報共有ができるよう、保健、保育、教育、福祉、医療など多領域・多職種の連携体制を早急に構築すべきではないか。

A(市長):名取市障がい者等地域づくり協議会を通じて、充実を図る。

A(教育長):特別支援連携協議会でご意見をいただいている。課題は、年1回の開催であるが、課題の解決に取り組む。

(市長)発達障がい児者に限らず、障がい児者の支援及び関係機関の情報共有については、「名取市障がい者等地域づくり協議会」において、相談支援事業所、障害福祉サービス事業所、当事者・家族、保健・医療関係者、教育・雇用関係者等が情報共有を行う場を設け、多領域・多職種が連携した支援へ向けた取組を行っております。
 ライフステージに応じた支援に関しては、担当の相談支援專門員が一貫して関わることで、障がい児者の年代に応じた支援が提供されるものと捉えておりますが、その体制の整備については、協議会を通じて、より一層の充実が図られるよう努めてまいります。

市長答弁概要

(教育長)現在、教育委員会で実施している連携の取組として、特別支援連携協議会があります。この協議会には、市内の幼稚園・保育園・こども園関係者、市内小中義務教育学校教員、県立高校校長、特別支援学校教員、医療関係者、手をつなぐ育成会代表、保健センター等担当部局の職員に出席していただき、それぞれの專門的見地から、よりよい特別支援教育の在り方についてご意見をいただいております。
 連携構築の課題としては、特別支援連携協議会が年1回のみであることや、幼保小連携、中高連携、就学支援等の充実が挙げられます。今後、課題の解決に取り組んでまいります。

教育長答弁概要

Q:市で発達障害の検査や相談日を定期的に設定し、保護者に寄り添った取組をすべき。

A(市長):各種相談を受け付けており、医療機関への案内も行っている。

 未就学児については、保健センターにおいて幼児発達相談事業を行っている。予約は必要だが、週2回相談を受け付けをしており、相談の内容によっては、保護者の同意のもと発達検査を行っている。
 小学生以上に関しては、市で発達検査は行っていないが、基幹相談支援センターや社会福祉課窓口において、随時相談を受け付けしており、必要に応じて医療機関への案内を行っている。

市長答弁概要

◇ まとめ

 直近で、発達障害について、まとまった質問は初めてだったと思います。
 過去の議事録を見ても、予算決算での質疑はありましたが、質問では見当りませんでした。
 答弁にもありますが、発達障害と思われる児童生徒は増えていますが、行政の対応も追いついていないところがあると思います。
 来年3月に改定される障害福祉計画・障害児福祉計画の内容を確認して、再度、質問してみたいところです。

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