見出し画像

【書評?】かがみの孤城

こんにちは、廣瀬です。

今日は辻村深月著 かがみの孤城(ポプラ社)の書評?をしていきたいと思います。実はこの作品、購入したのは一年程前でして、一度読むのを挫折しています。ものすごくタイトルに惹かれて買ったものの、どうにもこうにも読めなかったんですよね。

でも、今回文庫化を機にまたかがみの孤城が盛り上がっているという状況を見て、再度読んでみようと思い立った結果、寝る間を惜しんで読むくらいにハマりました。それでは書評?していきましょう。

あらすじ

学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた――なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
(ポプラ社公式サイトより)

感想

さて、冒頭でも書いたように、私はこの本を読むのを一度挫折しています。読めない時期に読み始めてしまったことが一番の原因だと思いますが、仕事で心身共に疲れ切っていた私にとって、主人公こころの境遇は読んでいて辛いものがあったのです。

主人公のこころは所謂不登校の女の子です。不登校になった原因はクラスメイトの女の子からのいじめともいえる攻撃でした。しかし作中ではこころはいじめでもケンカでもない何かと表現しています。私には十分いじめに見えましたが、そのいじめでもケンカでもない何かのせいでこころは学校に行けなくなってしまいます。

私は自分の中学生の頃のことを思い出しました。私は不登校ではなく、保健室登校を中学三年生の頃約一年間しました。なんとか学校には通っていたものの、学校に通うことは私にとっても苦痛で、その頃の自分とこころが重なりました。

ある日、こころの部屋の鏡が突然輝きだし、こころが鏡に手を触れるとこころは鏡の中の世界に入ってしまいます。そこに居たのは狼のお面を被った少女とお城のような不思議な建物。そして、こころと同じように集められたこころと似た境遇の6人の中学生。

城が開城するのは3月30日まで、期限内に鍵を見つければ願いを一つだけ叶えてくれる。狼面の少女はそう言い、7人の中学生たちは鍵を探したりしながら交流を持って行きます。

最初はぎこちなかった関係も、次第に友達と呼べるくらいの関係になっていく7人。その過程はとても息苦しくて、切なくて、青春特有の甘酸っぱさがあって読んでいて自分もあの頃にかえっていくようでした。

あまり書くとネタバレになりますが、色々なところに伏線が張り巡らされていて、最後にはそれがカチッとはまります。

最初は痛々しかった7人の境遇も、物語が進むにつれて少しずつ光が見え始める。最後は感動のフィナーレでした。

終わりに

今回は辻村深月著 かがみの孤城(ポプラ社)を書評?してみました。文庫化を機に再チャレンジしてみて良かったと思っています。小学生~中学生の頃の私がこの本にもし出逢えていたら私の人生は少し変わっていたかもしれません。それくらいこの本は私にとって影響を与えてくれる一冊でした。まだ読んでいないという方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。月並みな感想を最後に述べるならものすごく面白いです。

それでは今回はこれにて終了です。いつもより長くなってしまいましたが、最後まで読んでくださってありがとうございました。


この記事が参加している募集

読書感想文

よろしければサポートお願いします。頂いたサポートは治療費や創作活動に使用させていただきます。