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【書評?】あなたは、誰かの大切な人

こんにちは、廣瀬です。

1冊読み終えられたら、読書欲がむくむくと湧いてきて、あっという間にもう1冊読み終えることが出来ましたので、記録のために書評?noteを更新したいと思います。

今回は原田マハ著 あなたは、誰かの大切な人(講談社文庫)を書評?していきたいと思います。原田マハさんの作品は2作目です。初めて原田マハさんに触れた作品、ギフトも書評?noteを書いていますので、良ければ読んでみてください。

それではあらすじから紹介していきましょう。

あらすじ

勤務先の美術館に宅配便が届く。差出人はひと月前、孤独の内に他界した父。つまらない人間と妻には疎まれても、娘の進路を密かに理解していた父の最後のメッセージとは……(「無用の人」)。歳を重ねて寂しさと不安を感じる独身女性が、かけがえのない人の存在に気が付いた時の温かい気持ちを描く珠玉の6編。
(裏表紙より)

感想

ああ、人は誰かと繋がって生きている。そう感じさせられた1冊。たとえ孤独がそこに横たわっているように見えても、【誰か】とは必ず繋がっているんだよと、背中を押してくれるような作品だった。

私が特に印象に残ったのは、「波打ち際のふたり」という1編。娘と母で居られる時間って実はそんなに多くないということを身に染みて感じさせられた。

私の母は東京に住んでいて、私は九州の片田舎に住んでいる。昨今の情勢もあり、母と会えない日々はまだまだ続きそうだ。そんな私にとってこの1編は心に刺さったし、私も母と娘で居られる時間を大切にしたいな、と思わされた。

この作品で描かれる女性は、私よりも年上の独身女性たちばかりだ。結婚を選ばなかった者も居れば、一度は結婚したものの離婚した者も居る。共通するのは現状では独身ということだ。

独身でいる。という選択をすることが、昔よりもハードルが低くなった現代でも、どこか世間では結婚というゴールのようなスタートを切ることが、人生の一大イベントとして捉えられ、独身という選択をするということはマイノリティという風潮があるように私は感じる。

私は既婚者ではあるけれども、今の主人に出会わなければ結婚を選ばなかった可能性は大いにあるし、それも人生だと思う。独身という選択肢はどこか孤独に見える部分はあるかもしれないけれど、それでも誰かとはきっと繋がっている。

誰かは誰でもいい。異性である必要性もない。繋がりは性別の垣根を超えて生まれるものだと思う。

この作品を通じて、私だって誰かと繋がって生きているということを気付かされた。家族、友人その他いろいろな人と繋がって生きている。深い繋がりはごく少数だけれど、そのごく少数の繋がりがあるということが、とても幸福なのだと気付けた。

著者の柔らかくそして色彩のある文体は、繋がりをより際立たせているように感じた。

終わりに

今回は原田マハ著 あなたは、誰かの大切な人(講談社文庫)を書評?していきました。

とても勇気づけられて、自分に気づきを与えてくれた1冊になりました。原田マハさんの作品に触れるのは2作目でしたが、自分の肌に合った作家さんだなと感じ、これからまた色々な作品を読んでいきたいな。と思わせられました。

それでは最後まで読んでいただきありがとうございました。また次回の更新でお会いしましょう。


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