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【書評?】鍵のない夢を見る

こんにちは、廣瀬です。

今日は久々に、書評?記事を投稿したいと思います。今回、紹介するのは
辻村深月著 鍵のない夜を見る(文春文庫)です。それでは早速、あらすじから紹介していきましょう。

あらすじ

どうして私にはこんな男しか寄ってこないのだろう? 放火現場で再会したのは合コンで知り合った冴えない男。彼は私と再会するために火を?(「石蕗南地区の放火」)夢ばかり追う恋人に心をすり減らす女性教師を待つ破滅(「芹葉大学の夢と殺人」)他、地方の町でささやかな夢を見る女たちの暗転を描き絶賛を浴びた直木賞受賞作。
(裏表紙より)

感想

前回の書評?が『かがみの孤城』だったので、連続して同じ作家さんの作品の書評?になります。私が初めて辻村深月さんの作品に触れたのは『ツナグ』だったと思います。初めて『ツナグ』を読んだとき、心が揺り動かされて号泣した記憶があります。

そんな著者の直木賞受賞作と知り、どんな作品なのだろうと期待して読んでいったところ、いい意味で裏切られた感があります。

辻村深月さんの作品はそんなにたくさん読んでいるわけではないのですが、読んだ作品がどれも感動して心を揺り動かされるような作品ばかりだったので、今回もそうなると思っていたのです。

けれど、今回はそうではなく、地方の町で生活を送る女性たちに焦点を当てた後味がイマイチ良くないような作品だったのです。私としては大好物なので、こんな作品も書かれていたのかと驚きました。

さすが直木賞受賞作。思いもよらない展開、何とも言えない読後感、確かな筆致。全てが、私を惹きつけました。

特に印象に残ったのは、「君本家の誘拐」です。自分が子どもを産む前に読んでいたら印象が違ったかもしれないなという意味で、ものすごく印象的でした。

大型ショッピングモールで、我が子を乗せたベビーカーを見失ってしまう良枝。可愛い我が子、だけれど可愛くても辛い乳児期。どれもが自分が通過してきた道で、懐かしくもあり、同情もし、けれど何処か違和感も感じる、そんな作品でした。

辻村深月さんの世界はなんと広くて深いのだろうかと思いました。巻末に掲載してある、林真理子さんとの対談もとても興味深く、面白かったです。

終わりに

今日は、辻村深月著 鍵のない夢を見る(文春文庫)を書評?してみました。辻村深月さんの著作を何作か積読しているので、他の作品も随時読んでいきたいなと思わされました。

短篇集でとても読みやすい作品ですので、読めない時期に入ったかも……という時にも読めるかもしれません。実際私は読めました。そういう意味でもおススメですね。

それではここまで読んでくださってありがとうございました。次回の更新でまたお会いしましょう。




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