見出し画像

スタディプラス創業時のはなし

子供の頃から夢は「経営者」

そもそも僕は、子供の頃から、将来は起業して経営者になりたい、と公言しているような子でした。
小学校1年生のときに、七夕の短冊に書く願い事にも「将来は経営者になりたい」と書いていました。中高時代はバスケ部に所属して部活漬けの毎日を送っていたのですが、その頃からビジネス書や経営者が書いた本を読むのが好きで、サイバーエージェントの藤田社長の『渋谷で働く社長の告白』(藤田 晋、幻冬舎 、2013年)とか、堀江貴文さんの本とかも読んでいて、やっぱり経営者ってかっこいいなぁと憧れていました。

創業のタイミングは2010年の5月ですが、その直前の2010年3月に、ネットプライスドットコム(現BEENOS)というIT企業がやっていた学生向けのビジネスコンテストに優勝したのがタイミング的なきっかけになります。
2010年5月当時、大学4年だった僕がそのビジネスコンテストに出したプランが、「勉強の記録をつけるソフトウェアを持った家庭教師会社」というプランでした。
家庭教師は通常、週に1回くらいしか来ないけど、家庭教師が来ない1週間のうちの残りの6日間でちゃんと勉強できるかどうかが大事だから、勉強記録をつけて先生がオンラインで励ましてくれる、手厚いサポートをする家庭教師会社をつくる、というプランでした。

僕は当時、絶対に大学在学中に起業しよう、と決めていたわけではなく、大学3年から4年にかけての時期だったので、普通に就活もしていました。
就活しながら、進路どうしようかなぁ、と思っているときに、就活生向けのメーリングリストに流れてきたのが、ネットプライスのビジネスコンテストで、最初は何か面白そうだから応募してみるか、くらいのノリでした。
コンテストの結果としては、「優秀賞」をいただくことができました。ちなみに後日聞いたところによると、僕が出たのが第5回目のコンテストだったのですが、第1回から第4回目まで優秀賞該当者なし、だったらしいです。そしてマザーズ上場企業のネットプライス佐藤輝英社長が褒めてくれたこと、優勝の副賞として、渋谷にあったネットプライスのインキュベーションオフィス(Netprice Spot Tokyo)を1年間無料で貸していただける、ということになり、「自分は結構イケてるのではないか!(という勘違い)」「これはチャンスなのでは!」と思い、勢いで起業してしまいました。

「Studyplus」開発のきっかけ

当時ビジネスコンテンストに出したプランが、そのまま今のStudyplusにつながっているのですが、そもそもなぜ、そんなプランを考えたのか。
僕の高校バスケ部時代の2年上の先輩で、東大に合格最高点で合格するという偉業を成し遂げた先輩がおり、僕の通っていた桐朋高校開校以来一の天才と言われていたのですが、その先輩にその秘訣を聞いたら、勉強記録ノートをつけるといいよ、と教えてもらい、どの教材を何時間、何ページやったのか記録をつけて、グラフ化するということをやっていました。
なので、勉強の記録をつけることの大事さ、その意外な高い効果を実感していた、ということがあります。

ただもちろん、他にも色んな理由があって、そういうプランに至った、というのがあるので、そのあたりも書きたいと思います。
僕が通っていた桐朋高校は進学校だったので、とりあえずみんな、受験勉強頑張るよね、というのがベースの雰囲気としてありました。
僕は東大志望だったのですが、同じく東大志望だった友達と、受験勉強で何が一番大事か、という話をよくしていたのですが、「やっぱモチベが鍵だよね」といつも話していました。
基本的には受験勉強なんて勉強時間に比例して偏差値があがるのだから、とにかくモチベーションを保って勉強時間を増やしていくしかないよね、というのは高校時代から思っていることでした。

また、現役時代は無謀にも東大しか受験せず、あえなく浪人になりまして、予備校に通うことになったのですが、通い始めてまずびっくりしたのは、「あぁ、これは学校なんだな」ということでした。

学校なんだな、というのは、授業はするけど、逆に授業以外には特に何もサポートしてくれるわけではないということでした。
成績を上げ、志望校に受からせるのが教育サービスの役割であるはずなのに、そのためにすごく重要なモチベーションを高めたり、勉強効率を上げるような授業以外のサポートをしてくれるわけではないんだな、というのが当時の違和感というか、不思議に感じていたことでした。

さらに、勉強記録データを集める、というのもコンテストの時から考えていたことでした。
当時、やっぱりベンチャーで起業するからには、ITを使ってなにかやろう、というのは決めていましたし、就活も基本的にはIT系で考えていました。
なので、大学3年の時は梅田望夫さんの『ウェブ進化論』(梅田望夫、筑摩書房 、2006年)など、IT分野に関する本を手当たり次第に読んだりしていました。
その中で、どの本で見つけたのか忘れましたが、ティム・オライリーの「Data is the next Intel Inside」(独自性のあるデータを集めることが次のインテルみたいにめちゃくちゃ儲かるビジネスにつながる)という言葉を見つけて、これだ!と思っていました。
教材はアナログからデジタルに徐々に移行する、その中でデジタル学習であれば学習記録データは自動的に取れるようになる。
この学習記録データを一番持っている会社が、将来教育分野で最大の会社になれるはずだ!と当時から思っていました。

そんなあたりが、2010年の創業時の頃に考えていたことでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?