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ありがとう

何気ないつもりでも、聞く人によっては不快であったり、或いはその逆で愉快であったり、そんな発言に左右されながら、僕は日々の大半を不安と徒労に苛まれている。
多くの人は
『そんなの気にし過ぎ!』
って一蹴するけど、それはその人だから出来ることであり、且つ僕は僕だから、それを『はい、そうですか』と簡単に聞き流す事は到底無理な話。
言葉はカタチを持たない武器で、ちょっとしたニュアンスで凶器にさえ変貌する。
ことに僕に向けられる言葉は、棘や皮肉など毒まで塗りたくられた、心無い言葉ばかり。ましてや、発言した相手はその言葉に責任を取らないものだから、その解毒剤なり、ワクチンなり、特効薬など存在しない。回復は『僕』という一生命の、あらゆる面に於ける『免疫力』に頼る他はない。
飛び交う言葉の羅列は単なる文字の配列だけど、まるで音楽のように、その組み合わせを少し変えただけで、その旋律は如何様にも変貌する。そして、その言葉の音色により空気は澱み、或いは精彩を放つ生気に満ち溢れるものにもなる。
だけど、僕の周りに流れる空気は前者であり、その雲は晴れそうにない。

そんな空気の中で、浅く浅く深呼吸を繰り返し、敢えて言おう。
『ありがとう』

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