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短編小説

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2024年3月の記事一覧

次の始まりを待つ #シロクマ文芸部

次の始まりを待つ #シロクマ文芸部

始まりはいつだったんだろう。
気がついたらここにいた。

優しい人が二人いて、いつも私に微笑んでくれた。
二人の笑顔が大好きだった。
二人の笑顔が見たい私は、嫌なことでも頑張った。頑張って大人になった。

大人になった私を「好きだ」と言ってくれる人が現れた。
全く信用できなかった。
結構いたから、そういう人。
でも、言葉だけでなく、ずっと思いを伝えてくれる人がひとりだけいた。その人を信じることにし

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朧月夜の告白 #シロクマ文芸部

朧月夜の告白 #シロクマ文芸部

朧月だったな、そう言えば。



まさみさんとはアルバイト先で出会った。

そこそこ人気のあるレストランで、まさみさんはウェイトレス、僕は皿洗いをしていた。

まさみさんは明るくて誰とでも屈託なく話すのでお客さんの受けも良く、人気があったのだが、人見知りで黙々と皿を洗う僕にも声をかけてくれた。それだけじゃない。いろいろと気にかけてくれて、何度も助けてくれた。

僕は不思議で仕方がなかった。だって

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母の卒業、私の卒業 #シロクマ文芸部

母の卒業、私の卒業 #シロクマ文芸部

卒業の気配は感じていた。
けれど、何もできなかった。

ウチはこの町でそこそこ人気のある食堂を営んでいる。まあまあ有名な中華料理店で十年働いた父が独立して始めたそうだ。

母は料理の勘みたいなものが優れていて、父の技を見よう見まねで盗んでしまったらしい。母曰く、「チャーハン以外はあの人より美味しく作れる」そうだ。

父は私が高校生の頃に他界してしまい、私は自然と店を手伝うようになった。母は人にモノ

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