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地球温暖化が進むことは資本主義の終焉を意味する。

大型台風19号が東日本を縦断した。自分が子供の頃、母の故郷の福岡に来て台風を経験したとき関西での台風とは全く違う印象だった。一言で台風の影響と言っても九州や沖縄、四国での台風は本格的で本州に到来した台風は勢力が比較的落ちてさほど重大な被害とはならない印象だった。しかし、ここ近年は違う。何十年に一度という気象庁の説明のフレーズがまたか!と思うほど気象の変化が大きく生活へ及ぼす影響が著しい。

今度の台風を受けて改めて感じたのだが気候変動のスピードは予想以上に大きい。もはや待ったなしである。台風は北半球の赤道近くで発生する。海上で生まれる。海面から出る水蒸気がエネルギー源となる。海面の海水温度が高くなれば台風も発生しやすくなり勢力も大きくなる。地球温暖化は大気温度だけではなく海水温度についても当てはまる。海水温度も地球規模で上昇している。その影響が今回の大型台風19号で如実に現れた。実際、赤道直下で発生直後の台風の目がはっきりしている映像を初めて見た。通常はある程度発達して北上してから台風の目が見えてくるものだが今回は明らかに違った。これからは台風の大型化、勢力巨大化が異常なことではなく普通のことになる可能性がある。

では、地球温暖化はどうやって防ぐのだろう。どうすれば防げるのだろうか。二酸化炭素を増やさなければ良いのか。それだけでは不十分だ。二酸化炭素を減らす様にするだけでもやはり不十分だ。人間が生活すること。経済活動すること。その上で発生する地球上の熱エネルギーを減らさねばならない。電力に代表されるエネルギーの発生を抑制しなければ海水温度も大気温度も下げることはおろか現状のレベルを保つことは出来ない。これは何を意味しているのか。結局一言で言えば経済発展すること自体が地球環境に悪影響を及ぼすということだ。人類史上イギリスの産業革命以降のここ150年から200年の間経済発展はイコール人間が使う熱エネルギーの増大を意味してきた。それは原子力発電を除けば太陽エネルギーをさまざまな形に変えて利用してきたことを意味する。化石燃料も過去の地球が受け取った太陽エネルギーである。太陽光発電はまさに現在進行形で受け取った太陽エネルギーそのものである。化石燃料を燃やして発電することは過去に受け取った太陽エネルギーを熱エネルギーに変換することを意味する。過去と現在に受け取った太陽エネルギーを使って熱エネルギーに変えるのだから地球温暖化が進む。早い話が、発電したり化石燃料を燃やして飛行機を飛ばしたり船を進めたり車で移動することは全て海水温度と大気温度を上げることに寄与している。それを抑制するには経済発展を止める他ない。それはつまり資本主義社会がもはや成り立たないことを意味する。国家間の利害関係や思想の違いではなく地球環境の変化が原因で資本主義社会が危うくなる。そういう時代がまさに現在やって来ている。

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