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抱きしめたい。 シザーハンズ今さら見ました

 今まで見てこなかった名画を見てみようという試みです。シザーハンズという存在は知っていましたが、今回満を持して見たので振り返ります。


その手は「障害」なのか「個性なのか」

 シザーハンズのテーマとしてまず一つは、ハサミで作られた手です。

人造人間である彼はハサミで手を作られました。そのため、剪定やトリミング・ヘアカットには重宝される手でした。

その一方で凶器と思われると厄介ですし、本人が使い方を謝れば人を傷つけてしまいます。

ハサミの手によって疑われることもあれば、好かれることもある。

 もっとも大切なのは、ハサミの手が好きなのか、彼自身が好きなのかということです。
化粧品販売員の女性やその娘のキムは後者に間違いありません。


エドワードの盲目的な純愛

 キムは初めてエドワード(シザーハンズ)を見た時に、不審者だと思って絶叫します。しかし、エドワードがキムのことを本当に愛していると知ると、その優しさを知ります。

 エドワードはキムへの強い気持ちゆえ
に、キムのためならと善悪の区別がつかなくなります。

 キムに触れようとすれば、ハサミで彼女を傷つけてしまう。それを知っていたエドワードはキムとの接触に躊躇します。

 しかし二人は抱き合いました。それも束の間で、エドワードは警察から逃げて山に帰ります。

 二人は最後は口づけをします。
本当に現代のおとぎ話でした。

ウィノナライダー演じるキム本当に美しかったです。ジョニーデップのチャーミングな演技も素晴らしかったです。

象徴的なラストシーン

 最後にジムが死んだあと、町からの住人たちにシザーハンズのスペアの手を見せ、死んだと錯覚させました。

 その手こそが、良くも悪くも全ての根源なのですから、エドワードの象徴でした。
町の人々からしたらエドワードはハサミの手を失ったらただの人なのです。

しかしキムはおばあちゃんになってもずっと覚えています。それだけ大切でした。

障害と個性という二面性に捕らわれるよりも、人間そのものとしての優しさを教えてくれた映画でした。


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