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#02 警察は正義の味方。私の味方。

早朝から報道陣に囲まれ、愛知県警からの直電。
もちろん、私はパニックになりました。

一方で、
(誤解はすぐに解けるだろう)
警察に疑われる心当たりが全くなかったこともあり、そんな楽観的な気持ちでした。

「警察は正義の味方。信じて、全てを話しに行こう」

しかし、現実はドラマのように単純ではありませんでした。
自分の身は自分で守らなければなりません。
その相手が、正義の味方だと思っていた警察であっても。

■登場人物
私:藤井浩人
Y刑事:愛知県警刑事、任意同行から私を担当。

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Y刑事からの電話の後、私の頭の中は真っ白になりました。
これが、愛知県警察から私への最初のアプローチでした。

副市長、秘書からの折り返しの電話は、未だかかってきません。
警察、しかも"愛知県警"からの電話に、当然、私は大きく動揺しました。
私は岐阜県民。
(岐阜県民がなぜ、愛知県警から電話を受けるのか...)

そして私は、愛知県警との繋がりは何も持っていませんでした。

しばし市長室で立ち尽くしましたが、
(考えても仕方がない。下手な策は講じず、美濃加茂市の市長として堂々と応じよう)
そう、決めました。

(私には疑われるような覚えは1つもない。それならば警察に協力して、早く市役所に戻ってくることが正しい選択に違いない)

私は、携帯電話の履歴の一番上にあるY刑事にかけなおしました。

私「話をするために、あなた方に従います。その代わり、必要な話が終わったら、少しでも早く市役所に帰ってくることを約束してください」
Y刑事「あー、わかりましたー。市長室まで、お迎えは必要ですか?」
私「必要ありません。自分で行きます」
Y刑事「そうですか。裏口に車をつけてあります。白のワゴン車です。そちらまできてください」
私(何だ、もう来ているのか)

電話を切り、
ネイマールの鮮やかなゴールシーンを横目に、私はひとつ深呼吸をしました。
テレビを切り、いつものカバンを片手に、市長室を出ました。
出るや否や、守衛さんの静止を振り切って市役所の入り口を突破してきた多くの報道陣がマイクやカメラを手に一斉に私に向かってきました。

カメラを振り切ることも考えましたが、
逃げるような態度を取る必要は無いと判断し、
報道陣の人たちに声をかけ、市役所のロビーでぶら下がりの会見を行いました。

私を取り囲んでいたのは、
今まで取材をしてくれた顔なじみの方はほとんどおらず、
名古屋市からの事件担当記者のようでした。

私「愛知県警から出てきて欲しいとの連絡があったので、行ってきます。聞かれたことには全てお答えし、すぐに市役所に帰ってこようと思います」

そんな話をしました。

記者からは特に質問は無かったので、質問等が無いことを確認し、その場を離れました。

質問が無いことを確認したにも関わらず、歩き出した私にカメラを向けたままカメラマンは立ち塞がったり、すれ違った後には慌ただしく後ろから付いてきました。

カメラを故意に私にぶつけてくる人も居て、私の怒っている表情や逃げているかのような姿を狙っていることが、ヒシヒシと伝わってきました。

市役所裏口には白の日産セレナが停まっていました。
セレナから出てきたスーツ姿の男性にドアを開けられ、後部座席に乗車すると、
即座に車は走り出しました。

私「どこまで行くんですか?」
Y刑事「とりあえず、名古屋の方まで行きますよ」
(あれ、そんなに遠いところまで・・・)

行き先さえも聞いていなかったことを後悔しました。
私は、あまりにも簡単に、
警察の言う通りの要請に応じてしまっていたのでした。

後から考えると、警察の要請は任意同行だったので、拒否することもできれば、弁護士などと相談してから応じることもできました。
警察から呼ばれたことのなかった私は、どこか焦ってしまいました。
そして、何より警察は正義の味方、自分の味方なのだと思い込んでいました。

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