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【映画感想文】そろそろ実写版『ゴールデンカムイ』の話をしようぜ


 こんばんは。中山翼飛です。

 映画『ゴールデンカムイ』の公開日から十日が経ちました。皆さんはもう観に行ったでしょうか?

 十日経てば観た方もそこそこいらっしゃると思うので、この記事では感想を垂れ流していきたいと思います。

 お金を払って観に行った者が天から与えられた役割は、感想を語ることですからね。

 まだ観ていない方は今すぐ観に行きましょう。絶対に損はしません。

 前半は映画で描かれた範囲の話、後半は原作最終回までの内容を含めた感想の話をしますので、映画勢及びアニメ勢の方はご注意ください。

 では、参ります。


映画の範囲での話


 いや、めっちゃ丁寧にやってくれました。やってほしい話を全部やってくれました。

 たぶんこの作品は続編ありきのものだと思うんですが、単体作品としても充分楽しめるものだったと思います。

 変に端折ることも改悪することも無く、改変するとしてもごく自然な感じになっていましたね。これが初めての金カムだという方にも優しい構成です。

 冒頭の主人公のアクションで観客を惹きつけ、ストーリーの方向性の決定からヒロインとの出会いまでテンポよく進む。

 それでも、主人公の戦う理由は伏せられたまま。

 舞台設定を活かして主人公とヒロインの交流を描き、中盤に入って敵ではないし憎めもしないお調子者キャラの登場、そして本当の刺客(スナイパーですが)による襲撃。

 その後は二つの陣営が主人公達と対立することが示唆される。

 息を吞むアクションの後にはコメディシーンがふんだんにあって、その中で主人公とヒロインが心を通わせていく。

 そして主人公はヒロインを危険から遠ざけるために単身彼女の元を離れ、結果として危機に陥ってしまう。

 ヒロインは中盤で出てきたお調子者と協力して主人公を救出し、主人公が存分に暴れまわるアクションシーンに突入。

 ひとまず逃げ切った主人公は戦う理由を明かし、ヒロインと共に戦う決意を新たにする。

 最後にはお調子者も二人に同行することになってエンドロール。

 雑に一般化してみればこんな感じでしょうか。

 この映画単体では成り立たないように見えて、実は起承転結がしっかりしてますね。

 とにかく、この映画の切り取り方だと白石の立ち回りがオイシすぎる。

 あいつ、実はそんなことないのに未知の強敵感を出してましたし、主人公と殴り合わずとも一杯食わせてましたし、そのまま一緒にギャグシーンもやっちゃうし、フェードアウトしたと思ったら主人公を救出してそのまま仲間入りするしで結構出ずっぱりでしたね。

 尾形や谷垣は一方的にボコられて終わりなのに、白石やっぱおかしいよお前。

 オイシイといえば主人公の杉元もそうですね。

 軍人やヒグマとのバトルでは観客ができないことをやってのける憧れ型の主人公なのに、アイヌの文化に触れるときは観客と同じ目線で話を進める共感型の主人公になる。

 遠いところにいる主人公を追いかけるのもいいですが、やっぱり身近で好きになれる主人公もいいですよね。

 いいとこ取りの杉元が話の中心にいてくれるおかげで話に緩急がつきますし、ずっと観ていられます。

 何より、キャストが良かった。

 上述の白石のオイシさは、矢本悠馬さんの好演があってこそでしょう。彼のおかげで、より一層白石由竹というキャラを好きになれました。

 ですが、やはり大切なのは主人公。

 正直、観る前はどうしても『キングダム』の信のイメージがあって山崎賢人さんが杉元になれるのか心配だったんですが、完全に杉元でした。

 コタンでカワウソの頭の丸ごと煮を食べようとするシーンと、鶴見に頬を文字通り串刺しにされても瞬きすらしないシーンが特に素晴らしかったです。

 鶴見や土方や二階堂兄弟や谷垣は、キービジュアルで抱いた期待にきちんと応えてくれて良かったです。玉木宏に垂れてくる脳汁を拭かせる映画は金カムしか無いと思います。

 眞栄田郷敦さん、尾形って感じがして非常に良かった(語彙力の敗北)。

 ただ、尾形にしては格闘戦ができすぎですね。欲を言うともうちょっと弱くてもいいんですが、アクションシーンが上手くて文句を言われるアクション俳優なんて酷なので、あれはあれで良かったですね。

 劇場を出るときに私の前を歩いていたご婦人二人組が「郷敦が全然出てこなかった」と残念がっていましたが、私も同感です。この映画だと、せっかく郷敦さんを使ってるのに尾形がただのモブすぎます。

 というか工藤阿須賀!!!お前想像以上に月島ぢゃねえか!!!!

 キャスト発表で月島役が工藤阿須賀さんだと知ったとき、「ああはいはい、実写化あるあるの『事務所とスポンサーとの兼ね合いで出なきゃいけないけど解釈不一致なイケメン俳優枠』ね」と思いました。

 あのときの自分をぶん殴ります。

 だって、工藤阿須賀さんって月島にしては鼻は高すぎるし顔は小さすぎるしタッパはありすぎるしイケメンすぎるぢゃないですか!

 それがいざ観てみると、立ってるだけで月島そのものなんですよ!

 セリフは少ないんですが、一挙手一投足から醸し出される雰囲気が完全に月島です。特に、土方勢力と第七師団が交戦したとの報を受けて騎馬で急ぐ鶴見中尉にビシッとした全力ダッシュでついていくシーンなんか、完全に月島です。

 いや、月島役なので当たり前なんですが。「俳優ってすげえな」と実感しました。

 瞬発力を鍛えるために使うような小さい期待値ハードルを用意してたら、軽々と棒高跳びされた気分です。

 ごめんよ工藤阿須賀、月島を実写で演じられるのはこの世にあんたしかいない。

 実写化といえば、最大の懸念点は何といってもヒグマとレタラでしょう。

 これも見事にクリアしていました。たぶんヒグマはアニメより良かったです。

 CGだとわかってはいるんですが、北海道の大自然の中だと迫力が違いました。

 そう、この『北海道の大自然』というのが凄かったです。大自然を描くなら、漫画やアニメと比べて実写の方が格段に説得力がありますね。

 杉元とアシリパの冒険は小樽近辺に収まりきるはずがないので、まだまだ北海道の大自然を実写で観たいです。

 ちょっとネタバレじみてきたので、ここからは原作を最終回まで読んだ方とネタバレ上等のタフな方に向けた感想に突入したいと思います。

 映画勢及びアニメ勢の方々、最後まで読んでくださりありがとうございました。また何かの作品を通じてお会いしましょう。


原作最終回までの内容を含む感想





 続くよね?

 続ける気満々だよね?

 これで終わったら逆に伝説だぞ?

 興行成績次第ではあるんですが、少なくとも第二弾は確実視して良いはずです。

 真偽不明ですが、「飛行船を使って撮影しているのを見た」という北海道民の方の目撃証言もあります。

 これがもし本当なら、既に第三弾まで撮影を終えている可能性だってありますよ!

 飛行船といえば旭川での白石奪還作戦で登場したものが思い浮かびますが、このエピソードは鯉登少尉の初登場回でもあります。

 今回の映画の最後の方にチラリと二瓶鉄造・辺見ちゃん・キロランケ・家永カノ・インカラマッが登場したんですが、今回のような丁寧さでいくと第二弾ではどれだけ進んでも競馬の話まででしょう。

 ということは、鯉登が登場するのは第三弾ということになります。

 楽しみすぎる。

 金カムの映画キャストは知名度よりも役にマッチしているかを優先しているように感じるんですが、やはり新規ファン獲得のための有名俳優は今後も起用されるでしょう。

 となると、やっぱり鯉登や宇佐美を誰が演じるのかも気になりますね。

 鯉登はソードアクションと猿叫ができなければいけませんし、宇佐美は殺人犯を追うためのオナニーに説得力をもたせなければいけません。

 宇佐美を演じる俳優さんのキャリアに傷がつかないか心配です。精子探偵までやるかはわかりませんが。

 あ、郷敦の出番が少なくて残念がっていたそこのレディ!第二弾も絶対観に行きましょう!

 第二弾は尾形vs谷垣とかいう金カム屈指のベストバウトがありますし、茨戸でのヤクザ抗争もありますから、尾形の活躍は第一弾よりも確実に増えますよ!

 まあ谷垣戦は勃起した谷垣のカッコよさに全てをもっていかれた挙句負けてしまいますが……。

 ああ、やっぱり郷敦ファンのレディに声をかけるべきでしたね。尾形が活躍するのは白石奪還作戦以降ですから。

 特に旭川から網走までの道のりでは尾形は紛うことなき有能味方キャラですので、ぜひその辺りも実写化してほしいです。

 偽アイヌコタンでの戦いとかめっちゃカッコよくなりそうですよね。近中遠をそれぞれ牛山・杉元・尾形で無双するあのバトルはスクリーン映えしそうです。

 そして郷敦ファンには、最終決戦で勇作殿の亡霊を前にして尾形と一緒に曇ってほしい。

 え、というか釧路のラッコ鍋、絶対カットするなよ?山崎賢人と矢本悠馬と眞栄田郷敦と大谷亮平と池内博之が密室で裸になって相撲を取るとか、これを逃したら今後二度と撮れないぞ?

 うわ、そんなこと言ってたら樺太先遣隊もめっちゃ楽しみになってきました。山崎賢人と大谷亮平と工藤阿須賀に誰が加わるんでしょうか。中川大志さんですかね。予想ではなく願望ですが。

 ちょっとあまりに完成度が高かったので、最終決戦まで一気に映画化してほしいという期待が膨らみますね。

 同じく山崎賢人さんが主演を務める『キングダム』は長すぎてたぶん馬陽の戦いで一区切りつけると思うんですが、金カムは区切れるところがありません。網走で終わるのもあんまりですし、本当に最後までやってほしいです。

 とにかく、続編を切望する我々に今できることはもう一度観に行くことだけです。そして続編を望む声を上げ続けることです。

 映画館の大スクリーンで支遁先生とヒグマのウプチャヌプコロが観れるように、みんなで頑張っていきましょう!

 最後まで読んでくださりありがとうございました。また何かの作品を通じてお会いしましょう。


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