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舟を編む 三浦しをん 「Hirotomusicと読書」第4回

「Hirotomusicと読書」第4回 舟を編む 三浦しをん

*一部ネタバレに該当するかもしれない部分があります。

今回、紹介する作品は、2012年の本屋大賞作品で、2013年に、松田龍平主演、宮崎あおいをヒロインに映画化され、2016年にはアニメ化、そして現在、NHKで池田エライザ主演でドラマ化されている、三浦しをんさんの「舟を編む」です。

あらすじは、玄武書房という出版社の辞書編集部で、定年を間近に迎え、自分の辞書作りの後継者を探していた荒木公平に名前通り、真面目で言葉に関して、並々ならぬセンスを持っていた馬締光也を辞書編集部に引き抜き、そこから辞書編集部の一大プロジェクトである、「大渡海」と名付けられた辞書の完成に向けて、企画の打ち切りなど様々な困難に見舞われながら、10年以上奔走する物語です。

この作品の主人公である馬締光也は本当に真面目で、辞書作り一筋で、融通が利かなくて、私自身、周りにいたら少し厄介だなと思ってしまうかもしれません。しかし、彼の周りの辞書編集部の人々は皆んな心根の良い人ばかりで、特に、同僚で先輩の西岡は少しチャラくて、馬締とは真反対の性格ですが、馬締の苦手な、大学教授への原稿執筆依頼を一手に引き受けたり、肩の力が入りすぎている馬締の肩の力をパッと抜いてあげたりと本当に後輩思いの人で、この2人の関係を見てると胸が熱くなります。

この作品の中にこんな言葉があります。

-「誠実なのね」と女に言われたら、たいがいの男は馬鹿にされているのではないかと勘ぐる。だがどうやら、女は本気で「誠実」を最上級の褒め言葉だと思っているらしく、しかもその「誠実」の内実が、「私に対して決して嘘をつかず、私にだけ優しくしてくれる」ことを指していたりする。- p97より 

この言葉は、西岡が、馬締が下宿先のタケおばあさんの孫で、板前の修行をしている美人の香具矢との恋愛を成就させたのを見て、思ったことです。

私はこの作品をどちらかと言えば西岡の視線で読みました。

私もどちらかと言えばノリが軽いと言われるし、真面目にならないといけない場面は苦手です。

しかし、この作品で、10年以上も一心不乱に毎日ずっと辞書について考え、全力で働く馬締の姿を見て、誠実であり続けることが人間にとって一番尊く、大事なことなんだろうなと思いました。

私は誠実と言える人間ではないかも知れませんが、音楽だけにはずっと誠実に生きてきたつもりです。(本当ですよ笑)

あとこの本を紹介する企画も今回で4回目を迎えました!笑

これからもこの企画を続け、そして、音楽にも誠実に向き合っていきたいと思います!

今回も最後まで読んでくださりありがとうございました!

最後まで読んでくださりありがとうございます。
実は僕はフリーでシンガーソングライターの活動もしておりまして、YouTubeに自作の曲を投稿しています。よかったら聴いてみてください!

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