リアル書店が減っている現実が、
書店好きのわたしにとっては、
なかなかさみしい。

大きな書店でなくてもいい。
新刊が遅くてもいい。
ただ、本との出会いを楽しみたい。
そんな場所が、増えたらいいな。

そういえば、近所のコンビニに、
本が少しだけ置いてある。
売れ筋の新刊文芸でもないし、
健康やハウツー本でもない。
たぶん、店員さんが好きな小説。

その本棚は、わたしと趣味が似ていて、
好きな本や知ってる本がいくつもあった。

まさか、コンビニで身近な本に出会えるとは
思ってもいなかったから、とてもうれしかった。

そっか。本との出会いって、
書店だけじゃないんだ。

書店の減少を止めることはできなくても、
本と出会う場所は、増やせるかもしれない。

一つの大きな書店を運営できなくても、
一つの大きな書店と同じ量の本たちを、
たくさんの場所で少しずつ
多くの人に届けることはできるのかも。

偶然立ち寄ったコンビニで、
いつもの美容室で、スーパーで、
学校で、友だちの家で、
公園で、お花見の屋台で。

あたり前に、ごくごく自然に、
誰もが気軽に本と出会える世界を
少しずつ、つくってみたいな。