【医師直伝】処方箋なし(受診・診察なし)で『病院の薬』が買える薬局?って本当?



ざっくり言うと


1.『病院の薬』も条件次第では『薬局で買える』かも。
  どんな薬が買えるのか?

2.『市販薬』の中にも『病院の薬』と効果が同等なものがある。



A医師「ねえB君、このまえちょっと小耳に挟んだんだけど、僕たちが患者さんに毎日出してる処方薬。実は薬局に行くだけで買えるかもしれない…?…って、そんな話聞いたことある?」

 

B医師「おいおい、冗談だろ。医師が出す処方薬は、薬局で売られてる市販薬と違って効果が強いんだ。医師の診察も処方箋もなしに買えちゃったら危ないだろ。そんなことあるわけがない。」

 

A「それがさ、そうでもないらしいんだよ。え〜…(スマホ出す)……厚労省も平成26年にこんな通達を出してる。」

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/yakkyoku.pdf

 

B「え〜、なになに?」

 

B「やむを得ず販売を行わざるを得ない場合においては……って言うことは?…やむを得なければ薬局で売っていいということか?」

 

A「もちろん、この文章の後には、『数量を限定する』とか、『薬剤師の対面販売が必須』とか、いろいろ条件が書いてあるけどね。」

 

B「いやいや、でもまさか、本当に薬局で売ってるわけではないんだろ?オレの周りでそんな薬局はないぜ。その『やむを得ず』というところの判断基準が厳しいとかで、実際には売られていないんじゃないの?」

 

A「それがね、もう普通に売ってる薬局が結構あるらしいんだよね。ほら、ここでニュースになってる。」

処方せんがなくても病院の薬が買える「薬局」が東京都・池袋にオープン(2016年11月マイナビニュース)
http://s.news.mynavi.jp/news/2016/11/30/180/

 

 

 

B「なになに!?『…同薬局では、医療用医薬品を処方せんなしで購入できる。経験豊富な薬剤師や看護師がカウンセリングしながら、約7,000種類の医療用医薬品を販売する』???」

 

A「そう。もう、最近はこういう薬局が出てきてるらしいんだよね。オレも知らなかったけど。実は近くの薬局でも、聞いてみたら売ってくれるのかも知れないよ。」

 

B「いや!これはアウトだろ。こんなことしていいワケがない!」

 

A「まあまあ、そう興奮せずに。病院の処方薬の全部がその対象というわけではないらしい。いつものここPMDA(医薬品医療機器総合機構)http://www.info.pmda.go.jp/psearch/html/menu_tenpu_base.html で検索してみると…例えばそうだね、痛み止めでよく使われる『ボルタレン』って入れてみよう。」

 

 

 

A「で、出てくるのがこんな画面。」

 

 

A「ほら、ここに『処方箋医薬品』『処方箋医薬品以外の医薬品』ってあるでしょ。後者の方なら、処方箋がなくても買える可能性があるってことだ。」

 

B「なるほど……。ボルタレンなら、座薬や飲み薬は『処方箋医薬品』だな。だから医師の処方箋が必要。その代わりボルタレンの湿布や塗り薬は『それ以外』だから、薬局で買えちゃうのか・・」

 

A「そうみたいだね。ここでいろいろ調べてみると、大体のところ、抗生物質・ステロイド・睡眠薬の飲み薬は『処方箋薬』だから処方箋が必ず必要だ。」

 

B「それは当然だ。この辺の薬は用法用量を間違えたら健康に大きく影響するからな。」

 

A「でも、僕らがいつも出してる風邪薬なんかは大体『それ以外』の方だよ。」

 

B「なになに?…カロナール(解熱鎮痛薬)も『それ以外』か…ムコダイン(去痰薬)も …アストミン(咳の薬)…アレグラ(アレルギー・鼻炎薬)…この辺全部、薬局で買えるじゃないか!」

 

A「そう。ステロイドの塗り薬も、湿布も漢方薬も大体薬局で買えちゃう。」

 

B「おいおい!こんなことが日本中に広がったら、大変なことになるぞ!」

 

A「え?なんで?」

 

B「え?…なんでっておまえ…」

 

A「いや、オレもこんな話、今まで知らなかったけどさ、でも同じようなことは患者さんに言ってたよ。風邪の薬なんかは、市販薬(一般用医薬品)でも十分に対応できることも多いからね。」

 

B「え!?…市販薬で?」

 

A「そう、例えばインフルエンザの解熱に、特に子供にはボルタレン・ロキソニンは使えないよね。」

 

B「そう。だからアセトアミノフェン(カロナールなど)だ。」

 

A「でもアセトアミノフェンは、市販薬でも売ってる。」

 

B「え!!そうなの?」

 

A「そうだよ。知らなかった?…ほらこれ(スマホで検索)。例えば、薬局で普通に買える『ノーシンAC』、薬効成分はアセトアミノフェンのみの単剤だ。」


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B「そうなんだ・・『ノーシンAC』ってアセトアミノフェンなんだ…。」

 

A「そう、子供用だと、『小児用バファリンCII』なんかはフルーツ味。『バファリンチュアブル』は水なしでも飲めるから飲みやすいね。どちらもアセトアミノフェン単剤だ。だからオレは患者さんに『万一解熱剤が足りなくなったら、わざわざ病院に来なくても薬局でこの薬を買って飲んでいいからね。』と言うことも多いよ。」


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B「し、しかし……」

 

A「ん?何が問題なんだい?」

 

B「法的には問題はないかもしれないけど、医師としてそれでいいのか…?」

 

A「もちろん全てのケースでそうするわけではないけどね。でもそういう選択肢を提示することもあっていいんじゃない?だって、君のクリニックにもデカデカと『患者さん第一』って書いてあるじゃない。お母さんが忙しくてなかなか時間内に受診できない子供だっている。解熱剤だけもらうためにまた病院に行ったら他の病気をもらうことだってあるかもしれない。市販薬の方が『患者さんの利益』になる、と思える時だってあるだろ?逆に、患者さんの利益になるかもしれないことを考慮しない、選択肢すら提示しない君のほうが不誠実なんじゃないの?」

 

B「う……」

 

A「結局さ、『患者さん第一』なんて言ってるけど、君は『患者は無知』だと思って下に見ているんだよ。信頼もしてないし、縦の関係からも脱していない。薬剤師さんのことも信頼してないんだろう?上から目線で、患者さんの生活背景・家族関係などに一つも配慮せず、『薬が欲しいならオレのところへ来い』と診察室でふんぞり返っているわけだ。」

 

B「むむう!…なにを、このやろう!おれだって患者さんのことを信頼してる!診察室でふんぞり返ってなんていない!患者さんのために毎日汗水たらして頑張っているんだ!」

 

A「そうかね〜。普段からPTAや地域活動に参加して患者さんとコミュニケーションとって信頼関係があるなら患者さんの自己判断を尊重できるケースだってあるはずだし、地元の薬剤師さんだって信頼出来るはずだ。それが地域医療ってもんじゃないかね〜。なんでもかんでも自分が決めなきゃって勝手に決め込んで、患者さんにとって利便性の高い市販薬のことも考慮すらしない、それで忙しい忙しいなんて言って言い訳してさらに地域にも出ていかない。おまえなんか全然地域のことわかってないし、そんな忙しさは医者としてインチ…」

 

B「うるさい、うるさい!…おまえにそんなこと言われる筋合いはない!…そんなことより!偉そうにオレに説教する前に、この前立て替えた飲み代、耳をそろえて返せ!」

 

A「なに?あれは学生時代の麻雀のツケでチャラにしたはずじゃないか!」

 

B「うるさい!そんな時効になった話で……」(以下、くだらないので割愛(^_^;))

 

 

 

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財政破綻・病院閉鎖・高齢化率日本一...様々な苦難に遭遇した夕張市民の軌跡の物語、夕張市立診療所の院長時代のエピソード、様々な奇跡的データ、などを一冊の本にしております。
日本の明るい未来を考える上で多くの皆さんに知っておいてほしいことを凝縮しておりますので、是非お読みいただけますと幸いです。



著者:森田洋之のプロフィール

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森田 洋之

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夕張に育ててもらった医師・医療経済ジャーナリスト。元夕張市立診療所院長として財政破綻・病院閉鎖の前後の夕張を研究。医局所属経験無し。医療は貧富の差なく誰にでも公平に提供されるべき「社会的共通資本」である!が信念なので基本的に情報は無償提供します。(サポートは大歓迎!^^)

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