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「今まさに畑で最高な状態の野菜をお客様に届けるために」 次の久松農園を共につくる販売戦略・営業担当を募集します

茨城県土浦市で農業を営んでいる久松と申します。年間100種類の野菜を育て、個人消費者や飲食店に直接販売しています。
1998年に脱サラし、この地で農業を始めてもうすぐ25年目を迎えます。ようやく、若い頃に思い描いていた自分の理想の農業に手が届くところまで来ました。

このたび、農園の次の形をつくるために、販売部門の責任者を募集することになりました。

久松農園はつくるところから売るところまでの全てをカバーしている農園です。様々な野菜をつくりこなす生産チームと連携を取りながら、それを誰にどのように喜んでもらうのかを考え、形にしていく仕事。畑で生きている野菜の美味しさ・美しさを外に伝える仕事。販売管理の実務にも全てタッチしてもらいます。多くの会社では分担している業務に広く触れることで、農園の価値を体現すること全般に関われる仕事です。

なぜ販売責任者を募集することになったのか。まずは、私が今何を考えているか、からご説明します。


自分が食べたいものをおすそ分け

私が農業に関心を持ったきっかけの一つが、『土を食らう日々: わが精進十二ヵ月』を読んだことです。作家・水上勉が、少年の頃に京都の禅寺で教えられた精進料理の心を、レシピと共に綴った名エッセイです。狭い畑をやりくりしながら季節に応じた美味い野菜を育て、客人をもてなす。そんな生き方に憧れて農の世界に飛び込みました。
言うは易し。四季の変化の中で、たくさんの種類の野菜を切らさずにつくり続けるというのは、「効率化」というビジネスのセオリーを無視したやり方であることを思い知った24年でした。
それでも、若い頃から一貫して、美味しく、美しく思う野菜は変わりません。寒さに当たって塩味(えんみ)を増した12月の小松菜、齧るとこめかみに刺激が立ち上る6月のセロリ。私には量販店の店頭に並ぶ野菜が美味しいとどうしても思えません。あくまでも自分が食べたいものを育て、それをお客さんにも食べてもらいたいという自分の軸は、今でもブレることはありません。
ロールモデルがほとんどない中で試行錯誤を続けた結果、「自分が食べたい野菜をおすそわけ」という農業がようやく形になってきました。それには、20代の自分が想定していたよりも遥かに大きい規模の経営が必要でした。

現在の久松農園の姿

現在の久松農園の栽培面積は6ha強。6-7名の人員で周年で露地野菜を有機栽培しています。収量を追うよりも、畑を休ませながらゆっくり回し、畑の生産力が年々高まっていくことを心がけています。
今の日本は、農業技術の発展によって野菜の旬がどんどん失われていっていますが、久松農園では、春は春らしくみずみずしい野菜を、冬は冬らしくがっちり締まった野菜を、のように、季節の縛りを感じられる野菜を選んで育てています。
ウチの農園は、農業を学びたい若者が集まった少数精鋭のチームです。これまでにもたくさんの者が独立していきました。成功する者、そうでない者は様々ですが、久松農園はどこよりも良き学びの場であることを強く意識しています。
現在は有機という手法を採用していますが、私たちはそこに固執せず、あらゆる手立てをシミュレーションして考えるカルチャーを持っています。引き出しの多さは、豊かな農業人になるための必要条件です。多品目の農業とは、優れた育成の場でもあるのです。
もちろん、やりがい搾取にならないよう、労働条件には気を配っています。個人事業率の高い農業は、働く人に過酷な環境を強いているケースも少なくありません。誰かの犠牲の下でつくられる野菜づくりが美しいとは、私には思えません。

農園の課題

久松農園はこれまで、有機農業という手法で野菜を育ててきました。化学農薬や化成肥料を使わないことで、適切な時期に、健康に育つ個体だけが生き残るようなものづくりを目指しています。24年のノウハウの蓄積と設備投資の結果、有機という縛りの中で一定の成果が得られるだけの技術を獲得したと自負しています。
一方で、有機縛りでは限界を感じている季節や品目もあります。全体として、無理のない栽培計画を立てていますが、どうしても想定を超える温度変化や降雨・乾燥、予期せぬヒューマンエラーなどが発生します。通常の農業の手法であれば簡単にリカバリーできることも、有機農業では使える「武器」が少ないせいで、致命傷になるケースがあります。
また、利用できる資材の制約のために、私たちが投資をしてきた設備や蓄積した技術が使えないケースがあります。もっと上手なものづくりができるのに、その制約のせいでみすみすレベルの低い栽培に甘んじるのは、顧客にも、働く人にも価値になっていないと感じることがあるのです。

ルールは何のためにあるのか

私がやりたい農業は、経済的にも環境の上でも持続可能な方法で、自分が心から美味しいと思えるものを育て、それを食べる人と分かち合う野菜づくりです。有機農業はそれを実現するための手立ての一つに過ぎません。国が決めたルールの範囲内で、使えるものを使ってビジネスがうまくいけばいいということでは断じてありません。
法の世界で、慣習法と言われる考え方があります。社会の構成員が自主的に守るルールのことです。その際大切になるのは、何のためにそのルールに縛られるのか、という精神です。
誰かが決めた「条文」に機械的に従ったり、その盲点を突いてうまいことやる、ことが美しいとは私は思いません。どうすれば理想の野菜づくりに近づけるのか、そこに本気で取り組む仲間をどう増やしていくのか、その意志を磨きあげていくことが何よりも大切なのです。

農園をさらなる高みに押し上げる

農業は一人でできるものではありません。タネ、肥料、機械、燃料、を提供してくれる人たち、できた野菜を運んでくれる人たち、食べてくれる人たちの仕事が成り立たなければ、野菜を育てることはできません。
持続可能な農業のために必要な地域の資源が利用されていない現状もあります。私も、地域の畜産堆肥や食品廃棄物を十分に活用できているとは言えません。とりわけ、下水汚泥という大量の有機資源がほぼ手付かずになっていることは、食料のために世界中から窒素やリンを持ち込んでいるこの国の大きな課題です。
私が一人で始めた小さな農業は、たくさんの人に支えられて、一つの軌道に乗りました。これまで好き勝手にやってきましたが、ようやく社会にとって価値のある農園に育ってきたと胸を張って言える様になりました。
私自身は2030年で今の仕事を退きます。
この農園が存続し、さらに価値のある事業に育っていくためには、新しい仲間が必要です。大きな経営ではありませんが、やる気に満ちた優秀なスタッフ、良質な顧客、さまざまなサポートをしてくれる外部のブレーンに恵まれた小さくて強い農園であることは間違いありません。
さらなる高みを目指すために力を貸してくれる仲間を募集しています。この農園の将来の方向性を私たちと一緒に考えましょう。

ドヤ顔でおすそ分け こんな仲間を求めています

ここで改めて、今回募集する販売責任者についてお話しします。
久松農園は、つくるところから売るところまで全ての工程に関わる農園です。栽培については、少数精鋭の生産チームが年間100種類の野菜をつくりこなしています。
私たちの販売コンセプトは「ドヤ顔でおすそわけ」。販売責任者は、生産チームと連携を取りながら、今まさに畑で最高な状態の野菜を、誰にどのように喜んでもらうのかを考え、形にしていくポジションです。畑で生きている野菜の美味しさ・美しさを外に伝える仕事。販売管理の実務にも全てタッチしてもらいます。多くの会社では分担している業務に広く触れることで、農園の価値を体現すること全般に関われる仕事です。理解を深めるために畑作業に入ってもらうことも自由です。加工品の企画もあります。
栽培の知識、農業の経験の有無、年齢性別は問いません。これから現場にどっぷり浸かって学んでいけばいいと思います。バンドを組む様な気持ちで、同じものが好きで、同じものが嫌いな仲間が得意分野を持ち寄って何かをつくっていく。そんな仕事のイメージです。
大きな戦略や企画については、私と外部のマーケティングのプロがしっかりサポートします。どこよりも美味しい野菜の価値を世に広めるミッションを存分に味わい、農園と共に成長していきましょう。

自立と自走

私が考える豊かな農業者のイメージが「自立と自走」です。
自立とは、文字通り自分の足で立っていることです。自立している者は、経済的にも精神的にも他に依らず、己の意志で行動しています。どんな時でも自分の良心と規範に従い、自分で自分を制御できる人が自立した人です。
自走とは、他に牽引されるのではなく、自ら動く力を持っていることです。走りやすい道筋を見出す人や、効率の良い走り方を考えるのが得意な器用な人はたくさんいます。しかし、人やチームが走り続けるためには、誰かに引っ張られるのではなく、自らの原動機関で走る人が不可欠です。どんなに優秀な人やチームも、自走できる人がいないと、何かで止まってしまうと再び走り始めることができません。
この農園は、自立と自走ができる社員を育む場でありたいと考えています。仕事は明るく楽しくするものです。一方で、姿勢がぬるい人は当農園には明確に向きません。

求める人物像

・美味しいものを食べるのが好き
・料理が好き 
・友人や家族に美味しいものを食べてもらうのが好き
・お節介が好き
・人を喜ばせるのが好き
・緻密に仕事を進めるのが好き
・新しい企画を考えるのが好き
・他人のやっていないことをやるのが好き
・情報発信が好き
・やり方の改善を考えるのが好き
・自律して仲間と働​くのが好き

興味を持ったあなた、お気軽にご連絡ください

まずは農園にお越し頂いて、一緒に仕事をしながら、いろいろな話ができればと思います。お気軽にご連絡ください!
ご興味のある方は、下記履歴書フォームに必要事項をご記入ください。
https://forms.gle/DgHYQxQFg6TkGWLLA



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