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悪い予感のカケラもないさ 〜 「スローバラード」 RCサクセション、感動バラードシリーズVol.5

あの日、あの時、あの場所で。

夢を持って、夢に憧れて、夢を叶えるその道のりはまだ遠く霧の中。

そんな、あの日、あの時

あの場所で、かつて体験した出来事。
それを綴った叙事詩がスローバラード。

忌野清志郎が結成した伝説のバンドRCサクセションは、元々フォーク路線でデビューしました。しかし当初は全く売れず、苦難の日々が続きます。

そこで、ギタリスト仲井戸麗市などのメンバーを追加して、フォーク路線から、アメリカ南部直結のロック路線に音楽性を変えていきます。

結果、「トランジスタラジオ」「雨上がりの夜空に」「君が僕を知ってる」など、後世に残るヒット曲を生み出していき、伝説のバンドへとのしあがって行くことになります。

この路線変更前夜。

おそらく先の希望もあまり見えていなかった時期。市営グランドの駐車場で、車の中で毛布にくるまって過ごした日があったんでしょう。周りは夜の闇の中。夜露が窓を濡らすほどの透きとおるような寒さ。空は澄みわたり、星も淡く小さくちらほら瞬いていて。

闇夜の中の星の微かな淡い瞬きは、先のことまで照らしてはくれない。けれど。あの子と一緒なら悪い予感のカケラも感じなかった。

ラジオから流れてきた、いつかのスタンダード曲。それらが、二人を包み夜はしっとりと更けていく。

あの日、あの時、あの場所で。

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