#旅する日本語 #万福 校門を出て、 駅までの道を泣きながら歩く。 そんな日が続き、やがて、 起き上がることのできない春の朝が来た。 ある時、夫が言ったのだ。 「引っ…
inorako
2019年9月29日 20:36
#旅する日本語 #万福 校門を出て、駅までの道を泣きながら歩く。そんな日が続き、やがて、起き上がることのできない春の朝が来た。ある時、夫が言ったのだ。「引っ越しする?」深く呼吸ができる場所がいいと、坂道と緑が多い、小高い丘の上のアパートに引っ越した。移動中、狭いレンタカーの車内で大学から社会人まで、海のないこの街で過ごした日々を反芻し、涙が溢れた。なんとなく、親を手酷く裏