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武内 伸雄 さんのツイートから派生して
様々に考えてみたので、紹介します。
武内さんが先日、以下のツイートをされたんです。

(ここから引用)

『サービス紹介の「漫画」ってありますよね。
漫画にするからそのサービスや
価値提供が分かりやすくなるアレです。

漫画にすると「分かりやすい」は
確かにその通り。
でも、サービス紹介の漫画で「面白い」って
思ったこと、ほぼ無くないですか?
「分かりやすい」は前提として
「面白い」に振ったサービス紹介漫画、
あまり見かけないですよねぇ。

分かりやすいけど面白くはない。
「コレ面白かったよ!」ってモノがあれば
ぜひ教えてください。

もし、ビジネスを紹介する漫画を
「面白くできるクリエイター」がいたら、
めちゃくちゃ価値があるんだろうなぁと
妄想するのです。
特にBtoBのビジネス紹介漫画なんて
様式が固定化されてますからね。

【BtoBのよくあるビジネス紹介漫画】

①顧客「困ったよ〜もうどしようもないよ〜」
困りごとの状況を悲壮感漂わせて表現
②事業者「そんなときは○○にお任せ!、
○○できます!」
突然やってくるお助けマン。どっから現れてん。
③顧客「でもウチは○○だし
○○なんでしょう?」自分たちの事業には
合わなそうな理由や不安の吐露
④事業者「いえいえ○○できますよ、
しかも○○も!」色々できることアピール。
なんならこの顧客と関係ない機能面もアピール
⑤顧客「なんて素晴らしいんだ! サービス導入!」
即断即決。即座に幸せな未来へ

まぁ、この構成がダメとは言わんです。
分かりやすいですからね。
でも、面白くはない。笑

サービス紹介なんだから「面白くある
必要はない」って思われるかもしれませんが、
面白いってことはそれだけ
人の行動を誘発するチカラを
持っているはずなんですよね。

しかも、その行動は適切な行動と
セットでなければ意味がないので
背後に「分かりやすい」も
セットでついているはず。

面白くしようと思ったら、
その事業者が提供するサービスへの深い洞察と、
それを面白く捉える解釈の切り口、
この二つは絶対に必要になるはず。
かなりの難度なはずですな。
でも両立できれば
相当スゴイことだと思うのです。

「面白さに特化した
サービス紹介漫画クリエイター」とか
世の中にいるのかなぁ🤔、
そこにチャレンジする変態が
少しぐらいいてもイイと思うのです。』

(引用終わり)

私はこのツイートを拝見し、
以前に私が 恩庄 香織 さんのオファーから
ツール紹介の小説(設定原案)を書いて
提供したことを思い出しました。
短編小説『ゆりいか池の精』という作品です。

その経験をリプにてお知らせしますと、
武内さんから以下のご返信をいただけた。

(ここから引用)

『いなおさん、このアプローチ面白いですね!

「小説」であるからには読み始めたら
もう読むことを前提に進めていきますし、
その中で想像の膨らみ方も
漫画や映像などの視覚情報とは
全く異質なモノになりそうです!

興味ない人に読ませる手段としては
うまくいかないかもしれませんが、
少しでも興味を持ってくれている相手なら
ちょっと面白い効果があるかもしれません。

例えば普段からメルマガを
よく発行されている方とコラボしたら
面白いかもしれませんね!』

(引用終わり)

突然の事例紹介、リプにもかかわらず、
紹介した作品をお読みいただき、
しかも小説と漫画の本質の比較から
『ご提案』までいただくことができて
嬉しかったです!

武内さん、ありがとうございました。

さて、ここからはこのやり取りを元に、
「サービス紹介」に関する
「漫画」「小説」を比較
してみます。

まず共通の前提として、何かを紹介する、
つまりは「広告」の意味合いが強いため、
紹介するサービスを「否定」することが
しにくいことが挙げられます。

「サービスの利点」を取捨選択、トリミング、
「これを使えばこんないいことがあります!」
読者にわかってもらうのが主目的になりがち。

…当然ながら
「ビフォー/アフター」になりがちですよね。

◆ビフォー:サービスを使っていない状態
(ダメダメ、悩み、苦しみ)
◎そのサービスに出会う、採用、使ってみる
◆アフター:サービスを使った状態
(モテモテ、解決、楽しみ)

これがパターン。様式美。
『ゆりいか池の精』も、基本、このパターンです。

ここで私は『孤独のグルメ』を思い浮かべました。
「原作漫画版」は実在の店がモデルなのですが、
匿名改変してあるため、主人公ゴローさんは
店に対して「是々非々」で向かいます。
時には店長と「対決」することもある…。

けっこう好き勝手に描かれている。
決して肯定一辺倒ではないんですよ。

これに対して「ドラマ版」では、
「実在の店をそのままロケに使う」ため、
基本、店を否定することはしません。
(店長に関節技をかけたこともありましたが)

つまりは、ビフォーアフターの構図、
様式美
、なのです。
ドラマ版には、原作版には無かった
「実在の店を紹介(広告)する」という要素が
含まれているから…。

よりわかりやすい例で言えば
「進〇ゼミ」の広告漫画。
皆様も、目にしたことがあるのでは?

さて、ここからは漫画と小説の比較です。

漫画は、取捨選択とトリミングと誇張の
表現技法でもあります。視覚情報。
内容をビビットに伝えやすい。

それに対して小説は文字情報。ゆえに、
読者は「読解」をしなければいけない。
ハードルが上がる…。

私は、そう思っていたのです。
ただ、武内さんのご指摘に、ハッとしました。

>想像の膨らみ方も
>漫画や映像などの視覚情報とは
>全く異質なモノになりそう

小説なら、漫画にはない
「想像の余地」を生み出せるのでは…?
漫画が取捨選択で「捨てた」部分も拾える…?


また、子どもと言っても千差万別。
漫画表現・視覚情報よりも
「小説表現・文字情報のほうが
馴染みやすい人」がいる
かもしれない。
それは大人においても。

つまり「絞り込み」もできる…?

そう考えるとターゲットを精査すれば
「紹介小説」の世界にもフロンティアが
広がっているのでは?と考えた次第です。
(もちろん、面白いものが書けるよう
精進しなければなりませんが…)

最後に、まとめます。

本記事では武内さんのツイート・ご返信から
「紹介漫画」「紹介小説」について
深掘り考察をしてみました。

以前に私が、会社(団体)ページで連載した
『ミシェルとランプ』という長編小説も
「ツールの紹介」目的からスタートしました。
「広告宣伝」要素と「話の面白さ」要素とを
両立させるため、苦心しました。

>面白いってことはそれだけ
>人の行動を誘発するチカラを
>持っているはず


私も、同感です。
このテーマ、また考えてみたい、と思います。

…読者の皆様は、どう思われましたか?

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