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「芒種」とは、二十四節季の一つ。
芒種の芒(のぎ)とは、稲などの先端部分。
つまり、種。
種まきの季節、田植えの季節です。

特に芒種の末頃は
「梅子黄」(うめのみ、きばむ)とも呼ばれ、
梅雨入りの季節でもあります。
人間にとっては鬱陶しい雨。しかし
自然にとっては恵みと育ちの雨、なのです。

ただ、この時期に旬を迎えるのは、
梅の実だけでは、ない。

ある果物の実が、食べ頃になるんですよね。
…さて、何でしょうか?というのが
本記事のテーマです。

ヒントはタイトルに。
桃・栗・柿より、実がなるまでが、長い。

…もし、これで一発で分かった方は、
相当なことわざ通、果物通ですね! 凄い!

では、順にヒントを挙げていきましょう。
分かった時点でピンポンを
押してください(ないって)。

◆別名「大薬王樹」

お茶や葉っぱは「生薬」として使われます。
葉っぱはお灸にも使われたりしますね。
ただし、あまりにも多く口径摂取しすぎると
青酸を発生することがあるらしいのでご注意を。
なお、種には天然の有害物質が含まれているため、
食べない方が無難だそうです
(農林水産省のサイトより)↓

◆木は「長寿杖」

その実がなる木はとても堅くて、
良い「杖」の材料になるそうです。
薬用にもなるという話にもあやかって、
この木でできた杖を「長寿杖」と呼ぶとか…。

◆寒さに弱い

中国南西部原産。寒さに弱い植物です。
産地は、長崎・千葉・香川・和歌山など、
温暖な地域が多い。
インドやハワイなどでも栽培されています。

…さあ、いかがでしょう?
ピンときましたか?

もう少し、ヒントを出していきましょうか。
わかった時点でピンポンを(だからないって)。

◆花言葉は「あなたに打ち明ける」

花はとても小さくて、
咲いているのに気付かないくらいです。
ひそやかな、秘密。
実の味と同じく「甘酸っぱい」雰囲気です。

◆実の形がある楽器に似ている

ササン朝ペルシア起源の弦楽器。
西欧に伝わったものはリュート。
東方に伝わったものはヴィーナとか
ピーパとか呼ばれる楽器になります。
ピインとはねて、パアンとかき鳴らすから。
奈良の正倉院などにも入っていますね。
「平家物語」を語る法師も持っていました。

◆実の色は黄色っぽいオレンジ

種が大きく、果肉は優しい甘さです。
マンゴーなどに似ているかも。
最近は種無しの品種も出ています。
リンゴやミカンに比べて酸味が少なく、
コンポートやゼリー、ジャムに加工して
食べても美味しいですね。

はい、ということで答えは、
『枇杷(ビワ)』でした!

楽器の琵琶(びわ)に形が似ていることから
この果物をビワと呼ぶようになったとか…。

え、果物と楽器、どっちが先?
そう思いがちなのですが、

この楽器が生まれた時、最初は
琵琶の胴の部分が木で作られるので
木へんをつけて「枇杷」と書いていたそうです。

その後、琴の一種だというので「琴」の字の
上の部分を揃え、楽器のことを
「琵琶」と書くようになったとのこと。

それで、果物のビワのほうは、
「楽器の琵琶に似ている果物」ということで
改めて「枇杷(ビワ)」と書かれていった…。

これが五~六世紀のことで、
枇杷の栽培が広まっていった頃ですね。

ということで、ビワの実自体はもちろん
昔からあったのですが、
楽器のほうが先に広まって「琵琶」、
果物の栽培が後から広まって「枇杷」と
表記されるようになった、そうです。

以上、今回は、枇杷(ビワ)のお話でした。

それにしても十三年以上…!
何とも長いものです。

人間の能力も、熟すには時間がかかる。
いい音を出し、かき鳴らすまでになるには、
長い年月が必要なのかもしれません。
種をまいてから実がなるまで、
一朝一夕、とはいかない
のです。

演歌歌手、天童よしみさんの曲の一つに、
『枇杷の実のなる頃』があります。
故人を偲ぶ歌です
(リンクを貼ります)↓

人間、生きているうちに
花を咲かせて実をつけて
大切な人と一緒に味わいたいもの…。

梅雨で何となくじめっとして
だるだるになる今こそ、逆にチャンスです。
恵みと育ちがある季節。
旬の美味しい枇杷でも食べながら、
何か学びを始めると良いのでは?


枇杷の実が店頭に並ぶ、梅雨の時期。
私は、よく、そう思うのです。

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