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「うちはイタチ」の名言で振り返るMAP(現代応用心理学)【Ep47】

こんにちは、ひとかどさんです。
前回のMAPのまとめ、いかがでしたでしょうか。

自分に気づき、自分を管理し、他人に気づき、社会に良い影響を与える。

そんなMAPを学んでいるのではないかと思わせるほど、
心理学者的な名言を残している「ある人物」がいます。
それが誰かというと…漫画『NARUTO』に登場する「うちはイタチ」です。

作中でも屈指の人気を誇る「うちはイタチ」
彼はどんな名言を残したのでしょうか?
そして、この記事では彼の名言を心理学的に分析してみます。


【①自分に気づく】ための名言

自分を知るということは
全てを成し、完璧になることではない
今やっと分かる
…それは、己に何ができ、何ができないかを知ること
己ができないことを許すことができるようになること
自分が何者か知りたければ、本当の自分を見つめ直し認めることだ

オレはそれに失敗した…
皆に嘘をつき、己自身にも嘘をついて、己をごまかしてきた
己自身を認めてやることが出来ない奴は失敗する
かつてのオレのようにな

巻ノ六十一 ナンバー582:何も無い

まずは、この名言から。自分を知るということについてです。

「自己分析」という言葉もありますが、
イタチ的に言えば、自分に何ができて何ができないかと知った上で、
自分にできないことを許すことこそが、「自分を知る」こと
だというのです。
かつて失敗したイタチだからこそ、この言葉に重みがあると思うのです。

そして彼は言います。
「己を許し、本当の自分を認める者。それこそが“本当の強者”だ」と。
人間性心理学的視点からの素晴らしい名言だと思います。

参考:信念開発のタイムライン

次はこちら。

どんな奴でも
最後になってみるまで自分がどんな人間かなんて分からないものだ
死に際になって自分が何者だったか気付かされる
死とはそういう事だと思わないか?

巻ノ五十四 ナンバー508:忍の死に様

深いですね〜。
これは、開発心理学的視点からのセリフですが、イタチの死生観がよく現れている名言だと思います。

参考:エリクソンの人間開発の8ステージ

【②自分を管理する】ための名言

尊敬している存在を真似るのはいい…
だが、その存在に己を同一化するな
お前が…その存在そのものになれる訳じゃない
その行為(真似事)は己が成長するための過程だ!
お前のように己を偽るための「衣」として使うな!
自分自身の値打ちを称賛に値するものに結び付け
自分の存在意義を見出そうとしてもそこには何もない

巻ノ六十一 ナンバー585:ボクがボクであるために

人の学びは、行動心理学的には
他人を観察し真似するところから始まります(観察的条件付け)。
ですが、それは自分を成長させるための手段にすぎず、
真似ることによって、自分がその存在になることを目的とするのは違う
というわけですね。

参考:条件付け(観察的条件付け)
参考:自己肯定感:自分を理解する
参考:学びのキャパ

【③他人に気づく】ための名言

人は誰もが己の知識や認識に頼り、縛られ、生きている
それを現実という名で呼んでな
しかし知識や認識とは曖昧なモノだ
その現実は幻かもしれない
人は皆、思い込みの中で生きている
そうは考えられないか?

巻ノ四十二 ナンバー385:万華鏡の秘密…!!

人は誰しも、自分の認知で世界を構築しているーそんな「認知心理学」の本質を見事に突いたのが、このセリフだと思います。
自分の知識や認識に頼って物事を見ているからこそ、人それぞれ色んな物事の捉え方や解釈があるーそんなことを改めて考えさせられる深い名言です。

参考:経験モデル:人の物事の捉え方や解釈の違いを説明する理論
参考:推論のはしご:人が推論を構築するステップを説明する理論
参考:非合理な信念

見た目や思い込みだけで…
人を判断しない方がいい

巻ノ二十五 ナンバー222:イタチの疑惑

こちらは、まさに「人をジャッジしない」というMAPのメッセージそのものです。

参考:人をジャッジする要因

【④社会に良い影響を与える人になる】ための名言

優秀ってのも考えものさ
力を持てば孤立もするし、傲慢にもなってくる
最初は望まれ、求められていたとしてもだ

巻ノ二十五 ナンバー221:遠すぎる兄

自己効力感は自分ならできるという感覚をもたらしますが、
過ぎた自己効力感は人を傲慢にさせ、
場合によっては孤立してしまう。
そんなことに気づかせてくれる名言です。

参考:自己効力感:自分ならできるという感覚

組織に執着し、一族に執着し、名に執着する…
そして未だ見ぬ…知らぬモノを恐れ憎しむ
愚かしき事!!

巻ノ二十五 ナンバー222:イタチの疑惑

社会的文化は奥が深く、容易に共有できないときもあります。
だからこそ、人は違うもの、知らないものを恐れてしまうのではないでしょうか。

参考:社会的文化のレベル
参考:関連性

本当の変化とは
規制や制約…予感や想像の枠に収まりきっていては出来ない

巻ノ二十五 ナンバー222:イタチの疑惑

社会に良い影響を与えようとする時、
まさにその通りだと思わせるセリフです。
社会心理学視点の少数派の影響にも通じるものがあるでしょう。

参考:少数派の影響

最後は、「アドラーの心理学」にも通じる、
うちはイタチが、主人公・ナルトにかけたこの名言で締めくくりましょう。

力をつけた今、他人の存在を忘れ驕り、”個”に執着すれば、
いずれ…マダラのようになっていくぞ

どんなに強くなろうと全てを一人で背負おうとするな…
そうすれば必ず失敗する
“火影になった者”が皆から認められるんじゃない
”皆から認められた者”が火影になる
んだ
仲間を忘れるな

巻ノ五十八 ナンバー552:火影の条件…!!

終わりに

行動心理学、開発心理学、認知心理学、人間性心理学、社会心理学…
様々な学派の思想を取り入れ、
鋭い角度から物事の本質を突く名言を残したイタチ
彼こそまさに、MAPの体現者にして、”現代応用心理学者”なのかもしれません。

出典:巻ノ四十二 ナンバー384扉絵より

【参考文献】
巻ノ二十五「兄と弟」
巻ノ四十二「万華鏡の秘密…!!」
巻ノ五十二「それぞれの第七班!!」
巻ノ五十八「ナルトvsイタチ!!」
巻ノ六十一「兄弟、共闘!!」

#NARUTO
#うちはイタチ
#心理学
#考察

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