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季節、時間帯、顧客の心を掴む戦略で成功する価格設定のしかた〜読書感想文「値付けの思考法」

こんにちは。マーケティングを勉強している中で、最近値付けの重要性をみにしみて感じているところです。そこで、たまたま見つけた「値づけの思考法」という本を読み、改めて価格の決め方について学びました。




値付けを思考するときに課題となるポイント

  1. 季節や時間帯、顧客によって価格を変えるとどうか?

  2. 利益を出すために、利幅を大きくとるか?

  3. 小さな利幅で売上増を狙うか?

  4. 売上と利益を増やすために、顧客の心理をどのように利用するか?

書籍で紹介されていた値付けの事例

なぜコンビニコーヒーは安いのか?

1回で2度儲かる= 単品としての利益+ついで買い(ケーキやプリン)
cf)スタバはサンドイッチなど一緒に買うもので儲けている

コーヒーの市場は成熟産業。サイドメニューの質や、サービスによって差別化を図るしかなくなった。
例: コメダの猛追

cost of thinkingの考え方

ユニクロや無印は、販売している価格帯を狭めることにより、考えるコストを少なくする。
→ワンプライス店では、まず販売価格を決める。その後原価を決めて、その範囲内で商品が作れるように、原材料の調達先や素材の加工方法を決める。

原価積み上げ方式

  • 原価逆決め方式(販売する値段を決めて、そこから逆算して原価を決める方法。)

  • PSM分析→値ごろ感のある価格を分析する方法

牛丼屋は単に安いだけか?

料理の提供時間に工夫している。ちなみに、マクドナルドは、注文から3分以内に提供。

行列があれば売上が落ちるのか?

行列はなければよいわけではない。行列をつくることで「どんなお店か?」気になる消費者の心理をくすぐる。長すぎてもだめで、大体1.5人くらい並んでいるのがちょうどよい。

captive pricing vs マイクロソフト商法

  •  Captive pricingとは、プリンターのように、本体はあまり高くないが、その後のサービス(インクなど)で利益率を高くする価格設定方法。

  • マイクロソフト商法とは、Microsoftに見られるように自社のOSを高価格帯に設定し、Excelなどのソフトをただ同然で付帯していく価格設定方法。

ポイント運営会社はどのように儲けている?

両替商のような役割。ポイントで払った分、加盟店は現金化している。ポイント会社は現金化させる際の手数料をとって利益を得ている。
加盟店は、ポイント運営会社と契約しポイントの顧客情報を得てマーケティング施策に生かしている。

スターフライヤーがなぜCS部門全国1位か

JALやANAと違い、ターゲットをビジネスパーソンに絞っているから。ANAやJALと値段は変わらず、高い品質を提供。
路線を限定し、機内の快適性に力をいれる(席の間隔が広いなど)


この本から分かること1:単に値引きをすれば売上が伸びるわけではない

マーケティングを学んでいる方にとっては耳にタコができる話でしょう。今の時代ではもう単に値引きをすれば売上が伸びるわけではありません。安さ合戦ではライバル企業といたちごっこになってしまい、赤字幅が増えてしまいます。

安い商品は安い価格で設定しつつも、別の場所で利益を得ることができるよう、企業は努力をしています。例えば、前の方に書いたコンビニコーヒーがなぜスターバックスよりもコーヒー価格を安くしているのか?の事例を見ると分かりやすいでしょう。コーヒーの原価が安いのはもちろん、コンビニではついで買いを促しているわけです。よく"アプリに登録&コーヒー+パンまたはおにぎりで20円引き"というキャンペーンを実施していませんか?

安いといえば(ほぼ)全品100円(税抜)の百円ショップ。彼らの値づけ方法は特殊で、まず販売価格=100円(税抜)から逆算して、原価を⚪︎円までに抑える…手法をとっています。

この本から分かること2:ターゲットを絞ってターゲット顧客の心をつかむ

ここ最近、ターゲット顧客を絞り込みターゲット顧客から売上を得る…という話をよく聞きます。ロイヤル顧客という言葉もその文脈でよく出てきます。

本の中で出てきた事例の中で、スターフライヤーの事例が上手だなと私は思いました。ANAやJALが有名な航空会社として挙げられますが、確かに幅広い世代に認知されていますし、マイレージプログラムによって顧客を離さないような施策も取られています。
スターフライヤーもマイレージプログラムが展開されていますが、ターゲットがビジネスマンであるため特典がビジネスマン向けです。例えばおもちゃの特典がありません。

さらにブランドイメージの説明ページでも、"働く人のための"スターフライヤーというキャッチコピーがありました。

万人受けするような施策が必ずしもマーケティングにおいて正しい(売上が上がる)とは限りません。なぜなら顧客はSNSの普及もあることで自分に合った商品やサービスを求めるようになってしまったからです。

先ほど例に出したロイヤル顧客の話も、この話につながってきます。自社の商品やサービスに愛着をわいてくれ、定期的にお金を投じてくれる顧客について考える必要が生まれてきたのです。この考え方から発展してブランド価値の話にもつながってきます。

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