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"LTV"の意味をきちんと理解する〜「LTVの罠」読書感想文(後編)

こんにちは。前回のnoteの後編です。昨今、経営陣(もしくは経営企画部門)やマーケティング部門で言われることが多い「LTV(ライフタイムバリュー)」という言葉。私はこの本を読んでLTVの意味を改めて考えることができました。このnoteでは、「LTVの罠」という本を読んでの私の考察を書いています。


LTVのそもそもの意味

LTV(ライフタイムバリュー)は、日本語訳をすると「生涯顧客価値」と訳されます。でも、生涯顧客価値ってパッと言われて意味を理解できる方は果たしてどれくらいいらっしゃるでしょうか。

では、質問を変えて。「LTVが成功していると思われる事例を挙げて」と聞かれるといかがでしょう。私がよくLTVの話に紐づけて聞かれるのは、サブスク等の会員プログラムでお客様はがっつり"囲い込んでいる"事例が思い浮かびます。

ここで注目していただきたいのが"顧客を囲い込む"という表現についてです。「LTVの罠」でも指摘されていますが、顧客の囲い込みってすごく企業視点であり全く消費者目線ではありません。人によっては、囲い込みって動物のような扱いを受けているように感じる方もいるでしょう。

このnoteではLTVは企業視点で語っていることを前提に話を進めていきます。

なぜLTVを企業が重視しているのか

企業がLTVを重視する理由としては、一昔前では通用していたテレビ等マスメディアにバーン!と広告を打てば商品やサービスが売れる時代ではなくなったからです。

私たちが商品やサービスを購入する際、テレビや新聞で知る場合もありますがWeb記事、SNSで仕入れる場合も大変多くなりました。

企業視点で言い換えると、消費者ごとにカスタマイズして商品やサービスをアピールして購入してもらわなければ、購入されないどころか知ってすらもらえなくなったのです。

ある商品を購入してもらうために、どのような消費者に買ってもらうかなるべく具体的に想像し(カスタマージャーニー)、最適な接点で広告を売ったり時には営業をかけて、購入してもらうよう働きかける努力が欠かせなくなったのです。

さらに、ビジネスを存続させるために購入し続ける顧客を増やしていかなければなりません。自社の商品やサービスを購入し続けてもらう努力も必要な時代になっています。

後者の方を"LTVの向上"と謳う経営方針だったりビジネスモデルがあるわけです。

その施策は本当にLTV向上の施策になっているか?

「LTVの罠」に例として挙げられていた、誤った思考回路はこちら。

"長く顧客に購入し続けてもらう(LTV向上)"→顧客へのサブスクが必要→会員プログラムを実施する

"長く顧客に購入し続けてもらう(LTV向上)"→顧客との継続的な接点を持ち続ける→自社のオウンドメディアを運用し続ける

"長く顧客に購入し続けてもらう(LTV向上)"→顧客との継続的な接点を持ち続ける→顧客ごとに届ける情報を細かく設定する

確かに世の中にはこのような施策を打ったことでPV数が増えて売上に繋がったり、会員数が増えて売上に繋がったという事例も多々あります。しかし、その成功事例をそのまま模倣をすることは、(資金の面からも時間の面からも)コストだけ大量にかかってしまい、売上に繋がらないという悪循環に陥り、かなり危険です。

そこで「LTVの罠」では「LTVのボトルネック」と称してそのボトルネックを解消することから始めましょうということを提唱されています。

まずは自社のボトルネックを明確にする

成功事例を模倣するだけなら、誰も苦労しません。自社の課題(ボトルネック)を特定をすることを先ず行いましょう。ボトルネックが分からないのであれば、現状どのような課題があるのか明確にしましょう。

私も仕事で必ずこれを行っています。一見めんどくさいように見えるのですが、課題を洗い出し優先順位をつけてから新たな施策を打ち出すと、またさらに次のアクションに繋げやすくなります。


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