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嫌いな人と無理に仲良くしてしまうのはなぜ?

脳科学も、自己啓発も、心療内科医も、「嫌いな人と無理に仲良くしなくていいです」と言います。


しかし、自己肯定感の低い人はなぜか、嫌いな人にも好かれようと思って無理に仲良くします。

その結果、自己嫌悪に陥り、さらに自己肯定感が下がります。


ところで、なぜ自己肯定感の低い人は嫌いな人と無理に仲良くしてしまうのでしょうか?


アダルトチルドレンという言葉を使ってカウンセリングをしている心理職の方々は「子どもの頃から毒親に好かれようとしてきたその態度が消えてないからだ」というような説明をしますが、果たして本当でしょうか?

本当に毒親が原因なのでしょうか?


私はちがうと思います。

嫌いな人と無理に仲良くしてしまうのは、嫌いな人に「理想的な自分」を見ているからです。


例えば、威圧的なものの言い方をして軍隊のように部下を動かす上司が嫌だという人のことを例にとってみましょう。


彼・彼女は、そんな上司が嫌いですがしかし、他方で、「私も竹を割ったような物の言い方をして人をすぱすぱと動かしたい。人に嫌われることを恐れることなく、目標を達成するために軍隊の優秀な曹長のような性格を持ちたい」と思っているのです。

自己肯定感が低い人は絶えず逡巡しています。AにするかBにするか、ずっと迷っています。

つまり、軍隊式の上司とは正反対の性格です。

わたしたちは他者のふるまいを見て自分にないものを補完しようとします。

自己肯定感が低い人はたえず、自己肯定感が高そうな人(物事をすぱすぱと割り切っている人・・・)を見て、自己像を補完しようとします。

欠損のある自分からはやく逃れたいからです。


ほら、おとなしい人がある日突如として、威圧的な人に豹変することがあるでしょう?

それは彼・彼女が気が狂ったからではなく、ずっと威圧的な人を見てあこがれることによって自己像の欠損を埋めていたからなのです。

ずっとあこがれていた人のふるまいと同じことができて、彼・彼女はうれしいのです。


ちなみに、おとなしめのひきこもりの人が、ある日暴れ出すのもおなじ理由によります。

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