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インド工科大学ボンベイ(IIT Bombay)は、2023年12月27日から29日にかけて、アジア最大の科学技術フェスティバル「Techfest 2023-2024」を開催。

Techfestは、魔法、科学、技術の相互作用を祝い、想像力の可能性を現実の世界に反映する場である。古代の神秘主義から最先端の革新に至るまで、このTechfestはテクノ神秘的な祭典の中で無限の創造性と創意工夫を探求している。

国際的なトレーナーが参加するイベントで、参加者は創造性を解き放ち、デザインの境界を再定義することが可能である。Techfest 2023-2024では、SOF-TECHFEST IIT BOMBAY -INNOVATION CHALLENGEが開催された。SOFとは、Science Olympiad Foundationの略で、教育と科学に特化した非営利団体である。SOFは、数学や科学などのオリンピックを開催したり、コンピューター、数学、英語教育の普及にも取り組んでいる。

SOFは、学術競争の普及と、学校の子供たちにおける競争精神の育成を支援しており、教育者、教頭、教師、学生、保護者などからなるコミュニティでもある。このチャレンジでは、参加者全員にSOFとTechfestから参加証が授与される。上位20名の学生には、2023年12月27日から29日に開催されるTechfestの決勝大会への参加が招待され、招待された学生には、大人1名を同伴することができ、旅行費と宿泊費がTechfestから支給される。この未来の科学技術の祭典において、28日、河野太郎デジタル大臣が講演をされた。

Xユーザーの河野太郎さん: 「IITBombayのTechFestで講演。 https://t.co/dKKUefH5if」 / X (twitter.com)

インド政府の「Digital India」の成果を称えると共に、IT人材の育成と日印人材交流の重要性を説明された。講演後、インド国立証券取引所の視察及び現地の日本企業との間でデジタル分野での意見交換。

近年、インドのIT化が猛スピードで進んでいる。Google、Microsoft、IBM、Adobe、この4つの企業はすべてCEOがインド人である。

さらに、AppleやIntelにも副社長など多数のインド人幹部がおり、今や“インドの強さ”はIT業界における世界的な共通認識になっている。

日本ではまだ「インドがIT先進国」という認識の人は少ないのではないだろうか。しかし実際のインド社会は、ものすごいスピード感でIT化・デジタル化が進んでいる。モバイルファーストが徹底しており、キャッシュレス決済も日本よりも普及しているほどである。

インドは日本が目指す国家レベルでのIT化・デジタル化の先を進んでいる。急激にIT先進国となった背景には、IIT Bombay Techfestのような未来を担う若者を支援する活動がSOFや大学の協力で開催されていることも関係しているはずである。

日本では民間組織や大学が率先して支援する活動がまだ殆どなく、国任せになっているようにも思える。河野太郎デジタル大臣もインドをある種のロールモデルと捉え、IIT Bombay Techfestへの参加やインドの視察を行なったのではないだろうか。

技術の日本という古いイメージを持つ日本人は一定数おり、高度経済成長やバブル期を体験した年代に多くいるだろう。それまで後進国と日本が考えていた諸外国に抜かれていき、日本は衰退の一途を辿ってきた。

この状況を打開すべく、デジタル庁の長たる河野太郎デジタル大臣が先頭に立って、様々な分野に自ら飛び込み、未来の日本を模索されているはずである。今回のインド訪問で得たことが日本の未来にどのように活かされるか楽しみである。

2023年の最後まで国益を考えた河野太郎デジタル大臣の活動が2024年に身を結ぶことを祈るばかりである。

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