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ファッションだけはどんな状況でも自分で選択できて、未来を変えるきっかけになる②

色々紆余曲折あった中学校ですが、無事に卒業しました。

運動はもうお腹いっぱい・・・と思っていたので、勉強を頑張ることにした私は、図書館に通いながら勉強を続けて、高校は地域の進学校に進みました。

その進学校は、当時は男女比7:3くらいでした。勉強はとても厳しくて、テストの平均点が30点くらい。学年トップクラスの賢い人が満点ばかりとってしまわないように工夫して?テストが作られているので、数学で7点をとってしまい「青点(赤点※平均点の半分 のさらに半分)だ〜!!」なんて慌てた記憶もあります。国語と英語は良くできていたので、文系でいっか、と文系クラスを選択。

高校には合唱部があり、入部しました。合唱を始めた最初の頃は全然声が出なくて、ずっとアルトだったのですが、発声練習を先輩と先生に習いながら、苦手な発音も練習したり、自分なりに工夫しながら毎日朝練をしていました。みんなで歌うのは楽しいし、自由に喋るよりもずっと気楽だったので、勉強はほどほどに休み時間は音楽室に行く。部活のためだけに学校に通う生活をしていました。

その合唱部では年に1回学園祭でミュージカルをしていました。ミュージカルで衣装の担当になり、試行錯誤しながら、初めて衣装を作りました。クローゼットで使えるものを失敬したり、生地屋や周辺のお店で材料を探して回ったり、ミシンなんてほとんど触ったことなかったけど、親のミシンと図書館の本を借りて見よう見まねで使ってみたり。家にあった古いカーテンをビリビリに引き裂いて作ったら、そこらじゅう糸くずだらけになり、使うはずのカーテンが・・・と親には呆れられたのですが、1から何かを作り出すのがとても楽しくて。

舞台に立って歌うなんて私にとってはとても勇気のいることだったけれど、仲間と一緒に作った衣装を着て舞台に立つと、どこからか力が湧いてきて、ちゃんと歌えるようになるのが不思議でした。衣装やヘアメイク、舞台装置まで自分たちで作り上げて、物語の世界を作り上げていく作業はとても充実していました。ファッションのおかげで、普段はシャイでパッとしなくてもその役になりきって演技ができる!

他にも合唱コンクールの全国大会や海外の合唱団との交流、レコーディングまで経験させてもらえて、すごい楽しい部活でした。友人にも恵まれ全てが良い出会いでした。この経験がなければ、衣装を作ったりファッションショーをやろうなどとは考えることがなかったと思います。衣装をきっかけに人と繋がっていく原体験でした。


割とのびのび過ごせて、自由な校風だったのですが、高校3年生のある時、女子生徒に対して「スカートの丈が短い!」「ジャージを下に履くのはやめよう」「制服はそもそも必要か?」などの議論が起きたことがありました。

私は、なぜだかその時無性に腹が立ったのです。なんで女だけ服装に関して色々言われるのだ、と。そんなに特別スカートを短くする人もいないし、毎日真面目に勉強している努力家な優等生ばかりで、日々の行いが悪いわけでもありません。むしろ男子より成績優秀な人が多かったような気がします。

そもそも、女子生徒たちの間でこんな会話もありました。「女だから進学しても仕事ないって言うしね」「男子は出世するんだけどね〜」「このまま勉強して、将来どうしたらいいんだろうね」「子供?仕事できなくなっちゃうしなぁ。」「恋愛も別にいいかなぁ」

男女同じように学校生活を送っていても、ジェンダーギャップに関する悩みは常に尽きないんだなぁ、といつも思っていました。

その女ばかり、何やかんやとやかく言われる状況にむしゃくしゃして、私はある時、制服の下に黒いタイツと緑と黒のシマシマのレッグウォーマーを履いて、スカートを長くして、父の古い派手なビビットカラーのニットを着て登校しました。「これで下着も見えないし、これは防寒してるんです。風邪ひいたら困るし。家にあったものです。」と言い張って。学校に入っても注意されても脱ぐ気はさらさらありませんでした。ちょっと格好としては変だけど。流行っているミニスカートの格好とも真逆をいっているけど。なんて面倒な学生なんだろう。

先生たち、どう突っ込んでいいか分からなかったのか、苦笑いしてスルーしてくれました。笑

ちなみにその世の中に対する言いようのない怒りを表現したコーディネートの日に、「それいいね」と面白がってくれたのが今の夫です。クラスにいたことはあったけど、それまで話したこともあまりなかった。まさか結婚することにはなるとは。
それまで、恋愛でも友人関係でも誰かと付き合うのには自分を曲げなければならないと思っていて、合わせすぎたり引かれたり。ちょうどいい付き合い方がよくわからなくて、しんどい思いやすれ違いもたくさんしてきました。自分のままでいて、素直な気持ちを表現したときに面白がったり受け入れてくれる人もいるんだな!ととても驚きました。

ファッションを自分で選択すると、自分の選択に応じて、自分の望む未来が引き寄せられるのかもしれないと思います。ファッションは誰かの未来を作り人と繋がるきっかけになるかもしれない。

高校生の時の2つの出来事でした。③に続きます。


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