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中学生の私へ。 〜過去を肯定できるその日まで〜

  中学生の私へ。

 これからあなたの中学時代の黒歴史を成仏する意味も込めてここに残そうと思うよ。

 中学生のあなたは顔にニキビができたことをきっかけに人と接することに苦手意識を持つ。人と会話をすると自分のそれがみられているような気がして目を合わせて会話ができなかったね。

 小学校の頃、仲の良かった友達とも疎遠となっていき、中学3年の夏休みは部活以外、外に出る機会はなかったよね。

 ゲームのやりすぎで視力が落ちてしまったあなたは、それがカッコ悪いことだと思い必死に勉強した。勉強のやりすぎで視力が下がったことにしよう、とアリバイ作りに必死だったよ。でも、そんな不純な気持ちで勉強しても成績は上がらなかったね。

 担任の先生にカメラを向けられたときに無意識の顔を背けたら、「自分のことかっこいいと思ってんじゃねーよ」と言われてひどく傷ついたよね。あの言葉は今でも根に持ってるから安心して。

 学年一の人気者を好きになったあなたは、根拠もなくその子が自分のことを気になっていると勘違いしていたね。その勘違いする癖は今でも変わらない。みんながいいと言ってるものはよく見えるもんね。

 実家が貧乏なことをよく知っていたあなたは、親に気を使って新しい部活着を買って欲しいとお願いできなかった。明らかにサイズが小さくなった部活着を我慢して着続けていたね。

 修学旅行のフォークダンスで密かに恋していたあの子が目前に迫ったところで曲は止まったね。あと一歩のところでダメになるのは今でも変わらないよ。

 中学3年間でたくさんの黒歴史を作ってきたね。たくさんありすぎて書ききれないからこの辺にしておくね。

 思い返すだけで恥ずかしい黒歴史。そんなあなたも社会人になりました。お金持ちではないけど、好きなものを食べて、実家に仕送りもして、新車も買えるくらいになりました。相変わらず人間関係不得意は続いているけど、その分たくさんの本を読んで知恵を手に入れました。

 うまくいったことよりも、ダメだったことが多かったけど、とりあえず生きて、必死に働いています。たくさんの黒歴史も振り返ったときに笑えればそれでいいと思うのです。

 たくさんの苦しいこと、悲しいこと、ときには死にたくなることもあるだろう。だけど10年後の私が「あんなこともあったな」とお気楽に振り返って、笑ってくれることを信じていこうと思う。

 

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