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ビジネスとアートの交差点|大きな決断

実は先日、私たち夫婦にとっては大きな大きな決断をした。
「仕事としてのクリエイター活動を一旦終了する」という決断。

私たち夫婦は、夫が写真家であり映像も撮るビデオグラファーとして、わたしがヘアメイク・美容家として、2人体制で撮影をメインとした表現活動を生業としている。もちろん他に誰かがいるわけではないので、お仕事を頂くところから、企画、構成、ブランディング、撮影、ヘアメイク、セッション、編集、納品まで全部自分たちでやらせて頂いている。

そんなお仕事を約3年させていただきながら最近気づいた、いや、きっと最初から気づいていたのかもしれない、「自分たちの世界観を極めきれていない」ということに。ビジネスとして表現活動をするのと、アート活動として表現活動をするのは、全く違う。もちろん、理想はその両方の交わるポジションを取れればいいのだけれど。

私たちは、きっと相当不器用だ。クライアント様がいてくれるおかげで生きていけているからこそ、その人が望むものを1番に表現してあげたいという気持ちが裏目に出て、自分たちの感覚、表現したいことを押し殺してきてしまった。今までも、ビジネスという枠の中では、一生懸命自分たちの表現は極めてきたつもりではいた。しかし、今振り返ってみるとお客様にはもしかしたら1番求める状態で納品できていたのかもしれないけれど、「これが間違いなくドンピシャに自分たちの作品です!」と世界中に胸を張って言える作品が、正直ほぼないということに気づいた時は、自分たち自身に絶望した。

こんな状態でこの活動を生業としていくのは、お客様にも失礼だし、間違いなく自分自身にも失礼だ。なんならこの状態で撮影させていただいてる時点で、お客様にだけは100%満足して欲しいだなんて、理不尽にも程がある。

そんな気持ちをきっと長いこと抱えてきて、2022年年始にやっと決意するに至った。そして、ビジネスとしての表現活動をこの際一切辞め、まずは自分たちが本当はどうしたいのか、どんな表現をしたいのか、自分たちの世界観をまずは極めるために、アートとしての表現活動に、思い切り舵を切ろうと思う。

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つまりは、こういうこと。

有償での仕事としての表現活動は辞めるが、
本当に撮りたい、自分たちの世界観で表現したいというものであれば
お声がけいただければ厳選した上で、無償で受けていく。
今までよりも相当な条件を設けて撮らせて頂くことになります。

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ちなみに、きっとこの報告をしたときに聞こえてくるであろうリアルな声は、もう既に頭の中で我々の決断をチクチク刺してきてる気がしてならない。

「ビジネスとしてもやりながら、アートはアートで極めたらいいいいんじゃない?」
「ビジネスとして成り立たせるのが本当のプロの表現者。それに至らないならそもそもただの趣味」

あー、聞こえてしまう聞こえてしまう。そんなことを思ってるのは本当は自分なのかもしれないけれど。でもこれには、はっきり回答できる。

そもそも、先ほども述べたように、我々はそんなに表現に切り替えができるほど器用な人間じゃない。集中したい、させてくれという意味でも、一度極端になる必要があると断言できる。それに、確かにビジネスのプロは、アート活動をそう捉えるのかもしれないけれど、我々はそもそもビジネスに関しては一切のプロじゃない。カテゴリーで言えば表現者の部類に入る。表現は自由だ。それにお金が発生しようとしまいと、その表現の価値が変わることはない。(結果発生することはもちろんあるけれど、それが全てを決めるわけではない)自分の表現をビジネスに変えることに大きな幸せを感じる人が、表現とビジネスと交わらせていくことはとてもとても素敵で尊い活動になるけれど、それがそうじゃない人に無理やりに押し付けてしまうのは、痛々しくてとても見ていられない。

そしてそれは、普遍的なものではない。私たちも表現をビジネスとしてやってきた側だ。それが楽しくて幸せでしょうがない時ももちろんあった。でもこれからしばらくはきっと違うだろうというだけ。そしてまたいつか、自然とビジネスと交われる時がきたら、それはそれで喜んで交わっていく。今の自分たちに正直に、自分にも周りにも嘘をつかず真っ直ぐに生きていきたい。

PS. ということで表現活動以外では、普通に働きます。笑
誰か私たちが(表現以外で)お役に立てることがあればお仕事としてお力になれたら嬉しいです🙇‍♀️

いただきましたサポートは、優しい循環になるものに使わせていただきます♡