白い犬

これは私が小学生の頃の話です。当時の私は転校したばかりで、あまり友達もいませんでした。ある日とぼとぼと、家に帰っているとどこからか、白くて大きな犬が付いてきました。お前も一人か。と言って頭を撫でてやると嬉しそうにしっぽを振ってお座りをしました。お手、ふせ、全部完璧にできます。かしこいな、でも首輪がありません。捨て犬かそれとも脱走したのか。その子は私の家までついてきました。アパートなので犬は飼えません。ばいばいと言ったら素直に帰ってくれました。次の日も次の日もその子と一緒に帰りました。今日は待っていなかったな。誰かにかってもらったのかな。と思いながら家に着いて見ると、恐ろしい光景が目に飛び込んできました。犬取り小屋にあの子が入っていました。私は迷わずその子を逃がす事が出来ました。そして、二度と来るな。と言って傍にあった小石を当たらないように投げつけました。しばらく小屋は放置され誰も入る事無く回収されました。その後犬に合うことはありませんでした。多分、誰かに保護されたのだと思います。本当はかいたかった。