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声で作るジュエリーに波形をそのまま使わない理由!

1000人の声で作るネックレスenha~1000人の応援~をMakuake.comにてクラファン開催中の、hitotoiの犬塚です。

声の波形を単純化しないで、そのまま使った方が分かりやすいし、声を吹き込んでくれた人の声の雰囲気も伝わりやすいんじゃない?と言ったことを言われることがあります。

enha~1000人の応援~では、波形を使っていますが、そのまま忠実に使ってはいません。

理由は単純で、不可能だからです。

しかし、不可能だからという理由だけで使っていないのではありません。

今回は声の波形を使うことについて少し詳しくお話ししたいと思います。

声の波形の再現が不可能な理由:サイズの問題

声の波形をなぜそのまま使わないというと、サイズ的、強度的に不可能であるからなんです。

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こちらの画像は私が「ありがとう」と言った音声の波形です。

周りの四角の横幅、が10号の指輪の内周の長さです。

この四角をハサミで切り取ってくるっと丸めると音声リングが出来上がります。

出来てるよ!ってお思いかもしれませんが、この線は太さがほぼないくらいの線なのです。

この波形を強度を考えて0.8㎜の線で作ると・・・

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ほぼつぶれてしまっています。

鋳造できる限界くらいの、なるべく細めの0.5㎜で作ったと仮定しても・・・

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0.8mmよりもいい感じで出ていますが、やっぱりつぶれてしまっていて、波形はいまいち再現できません。

仮にこの状態でリングにしたら、たぶんすぐに、曲がってしまたり、折れてしまいます。

ちなみに皆さんが普段使われているだろう、シャープペンシルの芯の太さが0.5㎜です。

かなり細くて華奢であることが想像つくと思います。

しかも、リングの全面だけ装飾が施されたようなリング、だと仮定するとこの半分のサイズしか使えません。

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そうなるとこんな感じになり、お世辞にも音声を忠実に再現しているとは言えない状態になります。

このように、声の波形をそのまま忠実に使ったジュエリーというのは、ほぼ不可能であることが分かります。

enha以外にも声をジュエリーにするアイデアをされている方はいらっしゃいますが、声の波形をそのまま使用しているように見えるジュエリーは、使用と見た目に耐えられるようにある程度間引いていると思われます。

ではレーザーで描くのはどうでしょうか?

声の波形の再現が不可能な理由:レーザーにも線幅はある

レーザーで文字入れをした指輪などあります。

かなりの高精度で作られているように見えるので、レーザー等の技術で何とかなるのではと思う方も多いと思います。

しかし、通常ジュエリーなどで使うレーザーで掘ることのできる最少幅は0.2mm。

もちろんそれ以上細く掘れる機械もあるかもしれませんが、見てもわからないくらい細くなってしまうと思います。

では先ほどと同じように、リング全面にレーザーで声の波形を入れたリングを想定してみます。

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今回は結婚指輪で定番の「愛している」を吹き込んでみました。

さて、画像を見てみると02㎜で掘ったと仮定しているので、かなり忠実に再現できていると思います。

しかし、この画像をクローズアップしてみると・・・

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このように隣どうしくっついてしまっている部分も多くありますし、線自体は0.2mmあるとしても、線と線の隙間に関しては狭いところでは0.0?mmくらいになり、再現できたとしてもたぶん磨きなどで削れてなくなってしまいます。

これくらいいいでしょ?と思われるかもしれませんが、これはたまたまこれくらいで済んだのです。

波形は、「○○愛してる!」のようにもっと長く話したり、ゆっくり話したりすれば長くなり、その分詰まります。そして同じ短い単語を話したとしても、声の質によっても変わり、上のような重なりが増えたりします。

さらに、指輪前全面に彫り込むことはデザイン上ほぼないので、刻印できる幅ももっと小さくなります。

※指が太い人用であればもっと広くなりますが、これよりも細い人にはもっともっと狭くなります・・・。

そんな理由から、たとえレーザーで刻印するという方法を取ったとしても、すべての人にお届けしたい!ということを考えるとやはり不可能なんです。

声の波形を使わない理由:好き嫌いが分かれる

今まで書いたことは技術的、物理的にできないって話でしたが、実はこれが一番重要かもしれません。

私が、声で作るジュエリーのアイデアを思いついたときに、「自分だったら結婚指輪に波形がついた指輪を付けたいか?」と考えてみました。

答えは「No」です。

声でジュエリーを作るというのは面白いかと思いますが、いざつけようと思ったら、やはりデザインはもっとシンプルで・・・、普段つけやすい形状で・・・などの考えも出てきます。

特に男性は、こういったことはひっそりと(ほんのりわかる程度に)やりたいと思う方は多いとおもいます。

そういうことを考えると、声をそのまま使うのではなく、声のデータから色々なデザインができほうがいいなと考えました。

デザインの幅が広がり、より多くの方に受け入れられるよう選択肢が広がるからです。

enha~1000人の応援~では声を表と裏で別々の方法で利用しています。

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表面は波形の要素は多少入ってるものの、言われなければ気づかないかと思います。

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裏面に関しては、完全に波形ではなくなっていますが、声の性質をうまく利用して触るためのデザインに仕上げています。この辺りのデザインについては別記事も参照ください。

さらに私が2014年に発表した結婚指輪に関しては

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このように全く波と関係のないハンマリング風にデザインしています(もちろん音声の特性を利用して作ったその人の声だけの凹凸です)。

これでは全く声を使っているってわからないですよね?

私はこれでいいと思っています。

なぜなら、私が皆さんにお届けしたいものは波形ではないからです。

声で作るジュエリーで本当にお届けしたいもの。

波形をそのまま使わないので、「波形って省略したものなの?忠実に再現してればいいのに」や「わかりにくい」などと言われることがあります。

しかし、波形をそのまま使う意味とは何でしょうか?

物理的、技術的に波形を忠実にジュエリーにすることが不可能である以上、「波形を忠実に再現して想いを届ける」ということは不可能です。

では、ある程度省略して波形を使うとして、それは想いをのせた本来の波形とは違う物になりますが、それでも波形しか想いを乗せられないのでしょうか?

さらに言えば、あなたが送りたいのは波形ですか?

私がこのコンセプトでお届けしたいのは、「音声の波形をジュエリーにしたもの」ではなく「想いをのせて相手に届けるジュエリー」なのです。

想いの形はそれぞれですし、波形が一番想いが乗っていると感じる方もいるし、ほかの方法が好きな方もいると思います。

ですので、私はそれぞれの方にあった方法で、「想いを乗せたジュエリー」のデザインをしたいと思っています。

この辺りは、長くなるのでまたの機会に詳しくお話ししたいと思います。

ちなみにenha~1000人の応援~は、より多くの方に分かりやすくするために、あえて声の波形を使っています。

ただし、デザイン的に美しくなるように特徴を残しつつ省略して使っています。

たった一つの曲線を作るのにもこのような考えをもってenhaではデザインをしています。

皆さんにとって、一番想いがのせられるenhaを求めて、これからも色々と精進していきます。

今までの記事を読んで、とりあえずenha~1000人の応援~ってどんなものなのか気になるという方はリンクから詳細をご覧ください。

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