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知的異境好奇心 解説


軽いご挨拶

 初めまして、春夏秋冬万花(ひととせ ばんか)と申します。ゆるく文字書きをしています。
 基本的にここではpixivにて投稿した作品の解説記事を載せていきたいと思っていますので、良ければpixivと合わせてご覧ください。

今回の解説作品とあらすじ

今回の解説作品は「知的異境好奇心」(ちてきいきょうこうきしん)

 リンクを記載したので、まだ読んでいない方はどうぞ。基本的にネタバレはしない範囲で書ける内容を書いていきます。

あらすじ(概要)

 人類が宇宙への進出を試み、百年と少し。月以外に降り立てる惑星をようやく見つけ、前進基地として宇宙の調査を行う施設を建設した。
 主人公はそこで宇宙葬(うちゅうそう)という、宇宙空間に遺体を葬(はぶ)ることを請け負う会社の一員として働いている。 
 しかし、宇宙葬を望む遺体には脳が頭皮の部分ごと無くなっていたり、棺は上蓋なしで送られてきたり、わざわざ防腐処理が施されていたりと、不思議に思う点が多かった。そんな中で地球からやって来た天体物理学の学者ステラ・イータンを通して、自分の置かれている状況や人類の推進する宇宙開発事業の真実を知ることになる。

いろいろ解説

 実はこの作品は割と色々な人に見せており、その中で頂いた質問や疑問がそこそこあるので、それにも答える形で書いていきます。

この作品ができた経緯

 私は作品ができた経緯を知るのが好きだし、気になるタイプなので載せておきます。興味ない人は次の項目へ。
 出来た経緯はずばり「宇宙の仕組み」という本を読んだから。
 そもそもSF作品が好きで昭和から現代のものまで色々触ってきてはいたけれど、身近にいる有識者にその時々で宇宙空間での物理法則など解説をしてもらうばかりで、ちゃんと宇宙について学んだことがなかったんです。なので、面白そうだし、何より触ってきた作品によって宇宙にはすごくロマンを感じていたタチだったので知りたい欲求に駆られて上記の本を購入。
 結果的にめちゃくちゃ面白く、この得た知識を忘れる前にアウトプットしなければ……!と、その時思い付いていた作品のアイデアと混ぜて書き上げた次第です。
 何も分からない事柄について難しく解説されてても分からないので、もう本当に小学生が読んで面白がれる本を探してて、上記の本はまさにそれだったので大変助かりました。とてもオススメ。

タイトルについて

 私は基本的にタイトルを考える時「語感」を大切にしています。つまり口に出した時にちょっと個人的に楽しい感覚のものかつ、ちゃんと作品を表せるものにしてます。
 テノチティトランやパノプティコン、ムチムチの無知(これは造語かどこかで聞いたやつ)といった言葉が好きです。
 ちなみにタイトルの解釈は、誰がどこに対して思ったものなのか、という点において複数あったりします。解釈は人の数だけあるよね、と私は考えるタイプなので個々人ご自由に考えてみてください。

登場キャラクターたちについて

 pixivで公開している分では主に4人のメインキャラクターたちが動いてくれています。
・モーヤ(主人公)
・アーラ(モーヤの後輩)
・ステラ・イータン(天体物理学者の先生)
・???
 という訳で1番された質問である「何でこの名前なの? ネーミングの由来は?」についてお答えします。
 別に今回はキャラクターの名前なんかどうでも良かった、というのが答えです。というのも、これを書いていた当初はpixivに公開している分で完結と考えていたのと、物語終盤で明かされる「真相」を味わって欲しかったので、それを邪魔しない「誰でも瞬時に理解できる意味のない名前」を採用した次第です。あとたぶん、真相の部分的にそうなるのが自然なんじゃなかろうかと思ったのもあり、おそらく彼らの同僚たちも同じ感じの名前になるはずです。
 (実際に書いたけど蛇足と思って削ぎ落した部分には、彼らの同僚が数人登場しますが同じ感じでした)
 でもステラ・イータン先生だけは「イータン」の部分を書いている途中で付け足しました。何故なのか、どういう意味なのかは読むと分かるのでご覧ください。

作中で登場した技術について

 ラストで明かされる、モーヤやアーラ、前進基地で働く人間に使われていた技術ですが、しっかり、どのような経緯で技術が生まれ、それが導入されているのか、使われるに至ったのか設定を細かく組み上げ、物語の重要な真相に通ずるものとなっています。物語の終盤の方でしっかり明かす予定ですので乞うご期待。
 ちなみに「魔法だからできる」とか「主人公だからできる」とか「つよつよ特別能力持ちの人間だからできる」などの「原理のない技」・「できるからできる」という設定を、基本的に私は忌避するタイプなので、ちゃんと、どうこの技術は生まれて使えるようになって、どんな経緯と意図の下で導入されて、どのように活かされているのか、その結果こうなっている、までいつも考えています。

ちょっとしたフェチ解説

 今回のような短編を実はいくつも書いているのですが、毎回書く時には自分の癖に刺さるものになるように心がけています。
 基本的に物語を作る根幹の面白いアイデアが思いついちゃったから書く、という形で先に色々生まれる訳ですが、それでは筆が進まないことをよく理解しているのでフェチを混ぜ込んで楽しく書いています。
 今回で言うとステラ・イータン先生のあの見せ場が1番の刺さりポイント。強者に虐げられる弱者(人to人・自然to人)や、圧倒的力の下で弱き者が征服されるシチュエーションが好きなので、善良でただ宇宙に憧れを抱いただけの可愛い癒し枠の先生の見せ場は、にこにこしながら書きました。今思うともう少し描写はフェチを足しても良いのかもと思いましたが、さぞ凄まじい声と赤い球体が方々へ散ったことでしょうから、とりあえずこれで。
 ???の「ふふん、僕すごろかろう?」という自信満々の態度で滔々と語るシーンも可愛くて気に入ってます。小物感があって。

何で登場キャラクターは賢くないの?あまり賢いようには見えない(一部を省く)

 これはモーヤとアーラに関しては、本編を参照してもらえると分かるのですが、ああいう経緯なら知識も何もかも必要なものしか要らないと判断されるのも当然でしょう。
 また???については天上天下唯我独尊で自分は何でもできる万能と思っているので、ああいう態度や言葉遣いをしているようです。だから、あんまり賢くは見えないことに定評がある。そして、その高いプライドが後でへし折られるのが私は見たいですね。

何で???はスラスラと本当のことを話してるの?信頼していいの?書き手がミスリードを意図してる?

 どうせ後で○○するからいいやという魂胆と、言葉を手に入れたのが嬉しかったし練習したかったらしいです。そのついでに本当のことを言っちゃったみたいで、ラストみたいになるのは少し計算外だったようです。可愛いですね。

何で「埋葬」や「死」をモチーフとして使ってるの?

 私は考えついたアイデアが最も生きる・表現できる形で物語を作るので、単にあれが1番表現するに適した形だったのです。
 特に「埋葬」も「死」も何も思い入れはない要素ですが「命」というものに興味があり、それだとアイデアが生まれやすい人間なので、おそらくそれも少し関係があるかも。
 でもこれを書き始める前に「宇宙に花びらが舞ったら、さぞ綺麗なんだろうなぁ」と先に触れた本を読んで、あの棺桶を投げるシーンは思いついていました。読んだ人からもあそこが好きという声を多くもらっていて、にこにこしております。

ステラ・イータン先生が基地へ来た経緯

 主人公たちが滞在している宇宙探索の前身基地へ、ステラ・イータン先生が来た経緯ですが、研究調査の一環です。月以外にようやく降り立てる惑星を見つけたので、その惑星の調査と周辺宙域の調査をしに来たようです。天体物理学にしたのは、ちょっとその場の思い付きだったので、もう少しちゃんと私が勉強して適当なものがあればそちらに変えたい気持ちがあります。
 ちなみに先生は宇宙に憧れ・ロマンを抱いている人なので、即答で行く!とこの仕事を引き受けました。

ステラ・イータン先生は「人類の総意」を知ってた?

 もちろんです。先生のように地球で活躍し、宇宙探索に抜擢されるような人材には知らされている事実となります。たぶん関門を突破した後に知らされるでしょう。

ステラ・イータン先生の行動について

 一見、良識・常識人で大人しくて目の前の課題を淡々と解決するようなタイプに見えますが、やっぱり先生にも「宇宙への憧れ・宇宙はロマン」という名の炎が心で燃え盛っているようです。
 そういう訳で、本来は調査範囲ではない宙域へと、それが抑えきれずに行ってしまったみたいですね。そもそも先生はモーヤたちが何をしているのか知らなかったので、好奇心でちょっと気になって無理を言って彼らの持ち場へ来たようです。なのでモーヤやアーラなどの人間に対して、優位な立場であるから、ああした行動を取った訳ではないです。差別的な意識や気持ちは言動や挙動が現す通り、一切ありません。基本的に良い人で癒し枠ですね。
 

書き手的に好きなキャラはいる?

 やはり???かなと思います。この後、自分がどうなるのかも知らない天下を取った気でいるような小物ムーブが可愛いからです。あとラストの部分で滔々と語る部分が割と楽しんで書けたので愛着はあります。

最後に

 という感じで解説をしましたが、ネタバレを避けたので少し伝わりにくいかもしれませんがご了承ください。
 続きの着想と最終的なオチの部分は思いついているので、自分を奮い立たたせて書いていきたい所存です。
 ちなみに、今回の作品に限らず何かご質問等ありましたら質問箱を開いていますのでお気軽に~。感想でもOKです。もらえるだけですごく嬉しいです!
 


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