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読書感想文ー感覚過敏の僕が感じる世界

久しぶりの読書です。

感覚過敏について
当事者の方が書かれています。

こういった声ってすごく大切だと思います。
理解するとかではなくまずは、こんなことがあるんだと知るということ。

子どもは無邪気に質問できますが
大人になるにつれて、知ったフリをしたり、気付かないフリをしたり、
まるでそこに何もないかのように無視したり、
といろいろなことができるようになってしまうので、
何か自分とは違う個性だったり特性だったりを受け入れられない。

わたしも感覚過敏を持っていると思います。
そして息子さんも過敏さん。

わたしは皮膚への刺激が特にダメです。
縫い目のある下着は着れません。ゴムの部分は赤くなってしまいます。
タグもダメです。
お化粧したりするのもだめです。
痒いというか、苦しいというか、何かまとわりついているのが苦手です。
若い頃は我慢できるくらいでしたが出産後は
過敏の度合いが酷くなり、感覚過敏を自認するに至りました。

思えば人混みの中でのザワザワ感が苦手だったり、
光が眩しくてサングラスをつけていたり、
匂いや音に敏感だったり、
色々と思い当たる節はあったんです。
自分は幸い、それが自分、特異体質だしって感じでやり過ごしていたのだと思います。

そして、息子さん。
とにもかくにも味覚過敏というか味に敏感です。
離乳食の時から、全く、食を受け付けないわけです。
あれよこれよと試してみても駄目。
お粥の舌触りなのか、匂いなのか、悩む日々。
お米の銘柄を変えると気づく。冷凍したお粥は食べない。
何かと何かを混ぜると気づく。
そうして、順調に偏食に。
味覚に関してはおそらくスーパーテイスターでもあるので、
彼にとっては1番、厄介な特性なのかもしれません。
食べられないという状況をうまく言葉で表現してくれるようになれば
こちらも何か手は打てるのかもしれませんが
食べられないというとわがままや甘えと捉えられてしまうので
食べられないという状況を理解してもらえる環境が広がってくれることを願います。
どうしても食べられないということが理解されず、
日々、食べろというプレッシャーの中で生きています。
食べられない。
だけならいいのですが、箸など使いたがらないので
それもあいまって、何もできない子としてみられてしまいます。
わたしの躾のせいだ。
甘やかしだと言われるのをきいているのも本人には辛いことでしょう。

せめてわたしだけでも理解を示してあげて安心させてあげたい。

そんな気持ちから手に取ってみた本です。

感覚過敏って感覚の処理の問題なのでその感じ方は繊細万別。
一言に感覚過敏と言っても
耐え難い苦しいものから、なんとか我慢できるものまで色々で
対策もそれぞれ。
よく、自閉スペクトラム症の人に多いと言われているけれど、
困り事は感覚過敏だけの人もいたりする。

とにもかくにも生きづらい。
けれど、生きていくことはできますっていうのってなんとも辛い。

全ての人がなんの困り感もなく満足のいく生活というのは無理がある。
でも、それぞれが何かしらの自分の特性を受け入れて
工夫しながらもがきながら、生きていてもいい世界。
それぞれがそれぞれの生きやすさを求めてもいい世界。
それがいいのだと最近は思うようになってきた。

嫌いなことを克服するより、
嫌いなもの、苦手なものを堂々と拒否してもいい世界。
そして自分の頑張れることはとことん頑張れる世界。

もっとみんなが自分のことではなく未来の誰かのために、
地球のために思いを馳せて行動できる
そんな余裕のある世界になっていけたら
感覚過敏がどうした、繊細さんがどうしたなんて気にならなくなるんじゃないかな。

あなたはあなたのままで
わたしはわたしのままで

いろいろと考えを巡らせる本でした。




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