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自分の思考を操る方法①:思考のコンパスと世界地図を使いこなす

自分の思考を操る方法について紹介します。

思考を操る方法を身につければ、こんな悩みが解決するかと思います。
・考えようと思っても何を考えたら良いのかわからない…
・何を考えればうまくいくのか…
・わからないことがわからない…
・伝えたいことがわからない…
・自分はどうしたいのかわからない…

「悩む」と「考える」の違い

まず、最初にお伝えしたいことは、「悩む」と「考える」は全く異なるということです。
悩む:めかねたり解決の方法が見いだせなかったりして、心を痛める。思いわずらう。
考える:知識経験などに基づいて、筋道を立てて頭を働かせる。
判断する。結論を導き出す。予測する。想像する。意図する。決意する。
「悩む」は心を痛めている状態のこと、「考える」は脳を使って情報を組み合わせる行動のことを指します。
そのため、何か問題を抱えているときに「悩んで」も解決はしません。
「考える」必要があります。

学校では教えてもらえない"思考の特徴"

そもそも自分はどのように考えているのか、他の人たちはどのように考えているのか、脳内でどのように考えているのか思考を目で見ることはできません。
思考は目に見えないため、思考の良し悪しなんて比較できないように感じます。
しかし、思考ができている人と思考ができない人の間には明確に差があります。
AIが台頭してきたVUCAと呼ばれる今の時代で、AIに仕事を奪われる側の人間になるのか、AIを操る側の人間になれるか、その違いに直結するような明確な差です。

思考には下記のような特徴があります。
・目に見えない
・意識しないと鍛えられない
・鍛えるのに時間がかかる
・学校で教えてもらえない

目に見えないので、他人の思考をたどることは日常の中で行うのはなかなか難しいです。
本を読んだり、他人と話したりすることで、「この人はこんなことを考えているんだ」と思うことはできるかもしれません。
まとまった考えを聞いてもその考えが生まれた過程は、一緒に考えることをしない限り知る機会は無いと思います。
思考ができる人と思考ができない人との差は、考えた末に得られた結果の手前にある”考えている過程”にあります。
ある程度のレベルの考えた結果が得られる”再現性のある考える過程”が最も重要であると言えます。

思考における重要なポイント

“考える過程”で意識するべき重要なポイントがあります。

それは、「質問」と「型」です。

この思考する際に重要な「質問」と「型」は学校では教えてもらえません。
また、意識しないと上達することもできません。これまでの思考の癖から脱却するために意識して練習して身につけるまでにもある程度の時間を要します。
そのため、この「質問」と「型」をまず知り、意識して練習し、無意識にでも使えるように身につけることができれば、再現性のある考えた結果を得られるようになります。

「型」は”思考の世界地図”「質問」は”世界地図を歩くためのコンパス”といったところです。

「質問」の力(=問いを立てる力)

普段みなさんは考えているとき、無意識のうちに自分に質問をして、質問に対する答えを出すことを繰り返しているのではないでしょうか。
「今日はお昼ご飯何にしようかな?」
「がっつり食べたいからカレーかな」
「でも太ってきたからヘルシーなご飯の方が良いのでは?」
「じゃあサラダも食べれる定食屋さんにしようかな」
「どこの定食屋さんがいいかな?」…
のように自分への質問と質問への回答を次々と繰り返していると思います。
自分が得たい結果に対して、質の高い質問ができれば、質の高い答えを得ることができます。

「質問」には特徴があります。
・焦点を動かす
・空白を作る

質問により「焦点」を動かす

―焦点を動かす
例えば、5W1H(Why, What, When, Where, Who, How)は、考える際の焦点となることが多いです。
「なぜしましたか?」という質問は、理由や原因、根拠に焦点を当てる質問です。
「いつしましたか?」という質問は、時間に焦点を当てる質問です。
「どこでしましたか?」という質問は、場所に焦点を当てる質問です。
このように質問をすることで、焦点を移動することができます。
(下図がイメージです。)

質問で思考の「焦点」を動かすイメージ

人は意識の中で焦点を1つしか持つことができないため、質問をすることで1つの焦点を移動させることは重要な意味を持ちます。
考えなければならない観点に対して、1つしかない焦点を抜け漏れなく移動させる必要があります。
焦点を上手に動かすための「型」があります。
「型」については別の記事で紹介しようと思います。

質問で脳内に「空白」を作る

これまで考えていなかった質問や抽象的な質問をすると頭の中に空白ができます。
例えば、「自分の人生は何のためにあるのか」「人生を後悔なく生きるためにはどうしたらいいか」「譲れない価値観は何か」「昨日感謝した出来事は何か」「なぜ感謝したのか」など普段あまり考えないようなことを質問すると頭の中に空白ができることが多いです。
この空白を作ることで、メリットがあります。
1つ目は、脳は空白を埋めようとすることです。
脳はわからないことを嫌がるので、空白を埋めようとします。そうすると思考が加速します。また、これまで気づけなかったことに気づける可能性があります。
2つ目のメリットは、無意識に考え続けることができます。
始めに空白ができてすぐに答えが得られなかった質問に対しては、脳は無意識のうちに空白を埋めようと考え続けます。
無意識のうちに空白を埋めるための情報が目に飛び込んでくるようになります。

例えば、「就職先はどこにするか?」という問いを自分にしたとします。
すぐには回答が出てくることは少ないかと思います。
そうすると脳は「就職先はどのようなところがあるのか」「どんな基準で就職先を選ぶのか」など次々と新たな質問で焦点を創り出します。
新たに出てきた質問に答えるために脳が自然と情報を集めるようになります。
新聞の求人欄を無意識に見るようになったり、電車の広告の企業名に目が行ったりすることで、就職先の情報が無意識に集まり始めます。
新たにできた焦点に回答することで、もともとの空白(「就職先はどこにするか?」)が徐々に埋まってくるのです。

良い「焦点」において、考えていなかった良質な質問で「空白」を作ることが思考を広げ深めるためには役立ちます。


今回の記事では自分の思考を操る方法について、質問の有効性を紹介させていただきました。
疑問や意見、もっと詳しくしりたいなどコメントいただけますとうれしいです。

ありがとうございました。


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