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君死にたもうことなかれ〜リヴァイくんが好きなわけ〜

『君死にたもうことなかれ』
という一節を耳にした事がある人も多いかも

『君死にたもうことなかれ』
これは1904年(明治37年)9月に
月刊文芸誌『明星』で発表された
与謝野晶子の詩だ

『ああ 弟よ君を泣く
 君死にたもうことなかれ
 末に生まれし君なれば』

私が記憶しているのはここまで
それでもかなりのインパクトで
私の記憶に残っている

1904年2月8日
日本は、朝鮮半島に於いて
ロシア艦隊に奇襲をかけ
日露戦争へと突入して行った

1904年7月26日
日本は旅順要塞の諸前進陣地への攻撃を開始
主目標はそのうちの東方の大孤山とした
3日間の激戦の末、ロシア軍を撤退させたが
日本軍2800名ロシア軍1500名の死傷者を出した

そのニュースは数日後の8月7日
日本で報じられた

与謝野晶子は、その報を受けて
出兵していた弟を思い、
『君死にたもうことなかれ』と
反戦の詩を書き上げた

国のため天皇のために戦死する事は名誉であり
命をなげうつ事が当然の時代にだ

私が『進撃の巨人』のリヴァイ兵長が好きなのは
見た目とその強さのギャップや性格もあるが
何よりも戦場において命を大事にするところ

敵対するジークが
『逃がすな 殲滅しろ』と言うのに対し
リヴァイくんは
『死ぬな 生き延びろ』と言う

死守しろ 死んでも命令を遵守せよ
『死んでも〜』が横行する戦場で
とかく、下位の兵士の命が軽んじられがちな
戦いの場に『死ぬな』と言ってくれる上司がいたら
という願望なんですけど

戦争は良くないが
人類史上、地球のどこでも戦争がなかった事など
ないだろうと思う
ならばせめて無駄に失う命は少ない方がいい
闘う意志のないものが一人でも多く
巻き込まれない方がいいと私は思っている

私が日本に生まれて良かったと思う
一番は、戦争を放棄し恒久平和主義を
採用しているいる国である事

しかし、残念な事に中立国ではない
表向きに戦力を放棄しているが故に
アメリカに西側諸国に寄り過ぎている

私は、中立、中庸でありたいのに
私の意思に反して
和平のために奔走尽力するのでなく
経済制裁や偏った人道支援が行なわれ
日本はウクライナと共にあるとか
日本はイスラエルと共にあるとか
勝手に言われるのは非常に遺憾だ

確かにテロは悪いが
軍事行動も暴力である事に変わらない

先に手を出されたからと言って
必要以上に報復をするのは正しい行為か

何がテロ行為で何が軍事行為なのか
その境目は非常に曖昧になっているように思う

『君死にたもうことなかれ』

どうか罪なき子どもが苦しみ
命を落とすことがありませんように

どうか罪なき子どもを
武器を取り命を散らすのも辞さない
兵士へと駆り立てる世界になりませんように

どうか子供たちが
自らの生に未来に希望を見出せる
世の中になりますように

今回、改めて
『君死にたもうことなかれ』全文を読み
その過激さに驚かされた

なんせ〝すめらみこと〟天皇を名指しで
批難しているのだから…

君死にたもうことなかれ。
すめらみことは、戦いに
おほみづからは出でまさね
互に人の血を流し、
獣の道に死ねよとは、
死ぬるを人の誉れとは、
おほみこころの深ければ、
もとより如何で思されん

天皇は自らは戦いにいかない
互いに血を流し獣の道に死ねとは
死ぬことが名誉なこととは
元から心の深い人なら
そのように思ったりするでしょうか

かなり痛烈な批判です
このような過激な事は、思っていても
到底口になどできなかったでしょう

ただ過激だからこそ
『国賊、非国民』と罵られる事がある一方
世間の注目を集め問題提起を広くできる
一面もあるんじゃないかと思います

言葉もまた武器になる