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北海道中膝痛め#1

忘れもしない2022年8月31日。
私の右膝を痛めた記念日だ。
なぜ痛めたのか。スポーツをしたわけでも転んだわけでもない。
理由はストレッチだ。

その日の夜、体の硬い私はあと数年で来たる40代を思い描いていた。
実はこの2ヶ月ほど前から右膝に違和感があった。キシキシと軋む音がしていたのだ。階段を上るにも足をあげることがしんどい時もあった。
ちょうど実家の親との電話で、ちょうど四十肩や関節トラブルの話をしていたことも相まって、どこかのタイミングで整形外科に行こうと考えていた。
だが、そもそもが硬くて筋肉がない体だ。
整形外科や整体に行く前に、セルフケアで少しでも緩和できるのならばまずはやってみようという気持ちが働いた。

始めるならば早い方がいいだろう、と突如思い立ちネット検索を開始する。自分にできそうなものはないか探していると、SNSのタイムラインに「初心者でもできる!これだけはやっておけ簡単ストレッチ」的な、魅力的な文言とともにアップされていた4種の動画が目に入った。
これなら簡単そうだしできそうだと思い、早速ロクに準備もしないまま動画をお手本に体を伸ばす。とても気持ちが良い。
3つめの動きまで順調に進んだ。

4つめの動きは、片方の足を大きく一歩前に出す。前足のかかとは床につけたまま後ろの足に徐々に重心をかけつつ床まで下がりモモ裏を伸ばす。そして10秒ほど伸ばした後再びゆっくり立ち上がる、というものだった。
動画を観た後、直感は「やめておけ」と注意を促した。
恐らくアカウント主であろうこの動画の男性は、体を日々鍛えているからここまでできるのだろうが、私は違う。
やめようと思いつつもリプ欄を覗くと「これめっちゃ効きますね!」「私でも簡単にできました」などなど多くのポジティブなコメントが並んでいた。
さらに元の投稿に書かれている「初心者でもできる」「簡単」の文字。
心の奥底で「自分ならやれる」という謎の自信と負けず嫌いの性格が相まって、ここに書いている人たち全員ができてるならやれるはずだ、と制する直感を押し除ける。
右足を前に出し大きく開き、徐々に徐々に腰を落としていく。前足が伸び、10秒キープ。
できた!と素直に嬉しかった。ただ、無理がないわけではなかったので、明日からは少しずつやろう等と思いながら立ちあがろうとした矢先だった。

右膝のあたりから「パキャッ」と高めの音がなり激痛が走った。

あまりの痛さに立ち上がることができない。
我が家に来て生後5ヶ月の子犬が心配そうにサークルから「アン!アン!」と吠える。
吠えられても立ち上がれないのだ。困った。
2階にいた夫が犬の吠え声が気になって降りてくる。
「どしたの?」
「動画のストレッチで痛めたぁぁ、痛いー…」
「え…」
呆れ顔の夫に支えられながら体制を変えるも、痛みがとれることはなかったので、その夜はひとまず湿布を貼って様子を見ることにした。幸い翌日も仕事が休みだったので、痛みが引かなければ整形外科に行こうと心に決めた。

その後、痛みに耐えながら就寝準備を進めた。
風呂上がりに、夫から「どんなストレッチをやったの?」と改めて聞かれたので、その投稿を見せようとアプリを立ち上げた。
「いいね」などのリアクションを付け忘れていたため、そのストレッチを見つけたときと同じワードで検索をかける。
が、出てこない。
当該投稿を見る前にチェックしたモノは出てくるのに、だ。
夫にも協力してもらい、他にも考えられるキーワードで検索したがいくら探しても出てこなかった。
30分〜1時間ほどかけて探したが、結局見つからなかったことから、私たちの中でその投稿は消されたのではないかという結論に達した。

このことから得た教訓。

  • 「簡単」という言葉を鵜呑みにしてはいけない。

  • 特にトレーニングものなどに関してはアカウント主の経歴などをしっかりチェックした上で、その動きができない人に対しても丁寧に説明をしているものを選ぶ。

まさか整形外科・リハビリ通いが始まるなんて、この時は夢にも思わなかった…。

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