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デジタル広告従事者が押さえるべき人口統計【男女/地域/世帯収入/婚姻率】

「判断のものさし」を持つことの重要性

例えば性別セグメントレポートを見て【男性】と【女性】のクリック比率が【1:1】であることに違和感を覚える人はあまりいないと思います。

では、都道府県別、世帯収入別、年齢別セグメントではどうでしょうか?

「東京都のクリック数がアカウント全体の11%を占めているから人口統計上の全国に占める割合と一致している。」

「世帯収入上位10%の区分からクリック数が増加しているから、1都3県、大阪、愛知、兵庫、あたりの広告流入が増えたのだろう。」

「年齢が下に行くほどモバイル経由の広告流入比率が高く、年齢が上に行くほどそもそも広告リーチできない層が大勢いる。」

といったように人口統計を学ぶことで「判断のものさし」が増えて、データの外で起こっている事象を捉えやすく成る、意思決定に役立つことがあります。

今回は、私自身が役に立ったと考える人口統計をご紹介します。

※今回紹介する1~7項目を箇条書きにしています。これくらい分かるよ!という方はクイズ感覚で答え合わせをしていって頂ければ幸いです。

【今回紹介する人口統計と人口推計】
1.日本の男女別総人口(統計)
2.日本の人口ピラミッド(推計)
3.都道府県別人口(統計)
4.日本の未婚率(推計)
5.日本の世帯収入(統計)
6.日本の世帯数の将来(推計)
7.年代別インターネット平均利用時間(統計)

【用語解説】
■人口統計
一定の地域(国、都道府県など)における人口集団について、その一定時点における状態および一定期間における変動状況を把握する統計についての総称。代表的なものとして国勢調査(国勢統計)が挙げられる。

■人口推計
国勢調査を基礎として、毎月の出生・死亡・転入・転出などを加減して算出された推計値をもととした人口数である。

1.日本の男女別総人口(統計)

【ポイント】
・男性は約6100万人、女性は約6400万人
・男女比は48.7:51.3、女性の方が若干多い
・15~64歳人口の割合は59.5%
・13年連続の自然減少,減少幅は拡大

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引用:総務省統計局 人口推計 2019年(令和元年)10月1日現在 結果の要約

2.日本の人口ピラミッド(推計)

【ポイント】
・第一次ベビーブームの影響で70~74歳は多い
・第二次ベビーブームの影響で45~49歳も多い
・60~64歳まで男女は左右対称、65歳以上になると男性は急減
・高齢化率が高い都道府県は、秋田県(37%)と高知県(35.2%)
・高齢化率が低い都道府県は、東京都(23%)と沖縄県(22%)
・平均寿命は男性81歳、女性87歳

■(全国)都道府県別 人口ピラミッド

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■(秋田県)都道府県別 人口ピラミッド

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■(東京都)都道府県別 人口ピラミッド

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引用:統計Dashboard 人口ピラミッド

3.都道府県別人口(統計)

【ポイント】
・全国に占める割合は1%台の都道府県が最多
・東京都の人口が11%を占める
・1都3県の人口が29.1%を占める
※1都3県 = 東京都 神奈川県 千葉県 埼玉県

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引用:総務省統計局 人口推計 2019年(令和元年)10月1日現在 結果の概要 表5

4.日本の未婚率(推計)

【ポイント】
・配偶関係は「未婚」「有配偶」「死離別」の3 類型ある。
・未婚率50%を下回るのは男女ともに30代前半、女性の方がやや早い。
・65 歳以上の未婚率は2040 年にかけて大幅に上昇する。

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引用:国立社会保障・人口問題研究所 日本の世帯数の将来推計(全国推計)』(2018(平成30)年推計)

5.日本の世帯収入(統計)

【ポイント】
・世帯収入の上位10%ボーダーは大凡1200万円以上
・世帯収入の上位50%ボーダーは大凡500万円以上
・世帯所得1250万円以上は上位7位※で約60%を占める。
・世帯所得1250万円以上は東京都の占める割合が頭一つ抜けている。
 ※上位7位 = 東京 神奈川 愛知 大阪 千葉 埼玉 兵庫 の順

■(全国)日本の世帯収入

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引用:総務省 平成29年就業構造基本調査

■都道府県別 世帯所得1250万円以上の世帯が占める割合

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引用:統計名「就業構造基本調査 平成29年就業構造基本調査 都道府県編(全国,全国市部,都道府県,都道府県市部,政令指定都市) 世帯単位で見た統計表」表番号09000エクセルーデータを加工して作成

6.日本の世帯数の将来(推計)

【ポイント】(2020年推計でみると)
・一般世帯数は5,410万世帯
・「単身世帯」は1,934万世帯(全体の34%)
・「ひとり親と子の世帯」は502万世帯(全体の約9%)

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引用:国立社会保障・人口問題研究所 日本の世帯数の将来推計(全国推計)』(2018(平成30)年推計)

7.年代別インターネット平均利用時間(統計)

【ポイント】
・モバイル端末を最も長時間利用するのは10代
・PC端末を最も長時間利用するのは30代
・全年代ではPC35分、モバイル85分(モバイルはPCの約2.4倍)

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引用:総務省 「令和元年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」調査結果概要

8.参考サイト

■参考 総務省統計局 ホームページ
総務省統計局、統計研究研修所の共同運営によるサイトです。国勢の基本に関する統計の企画・作成・提供、国及び地方公共団体の統計職員に専門的な研修を行っています。
http://www.stat.go.jp/index.html

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■参考 総務省統計局 統計Dashboard
膨大な統計データを、「人口・世帯」や「労働・賃金」など17の分野に整理して収録して簡易なデータ利用促進を目的としたダッシュボードです。総務省が開発しており、統計調査名等が分からなくても、必要な統計データを探すことができます。
https://dashboard.e-stat.go.jp/

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■参考 総務省統計局 e-Stat 統計で見る日本
独立行政法人統計センターが管理する政府統計のポータルサイトです。各府省等が実施している統計調査の各種情報や統計データを検索して利用できるサービスです。
https://www.e-stat.go.jp/

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おわりに

「2.日本の人口ピラミッド(推計)」と、広告アカウントの年齢別レポートを見比べると、ボリュームゾーンの70~74歳からの広告接触が少ないな、と気付きませんでしたか?

「7.年代別インターネット平均利用時間(統計)」から60代のモバイル利用時間は30分程度、10代の150分と比べると1/5しか利用されていません。人口比率が高い年齢層であっても、広告リーチさせるのに適切な媒体選定を行わないと流入が頭打ちになっていると言えるでしょう。その点、新聞広告は55歳以上のシニア層への新聞到達率が高いのが強みです。誰に情報を届けるかを考える上で、人口統計とメディアガイドの情報を組み合わせてみると新しい気付きが生まれるかもしれません。

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引用:読売新聞広告局ポータルサイト 読売新聞メディアデータ2020

樋爪(@yasuyuki_ad)のTwitterでも日々業務を行う中で得た気付きをツイートしています。

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