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4/28 いずれこの日は来る

台湾茶の茶葉が家にある。ずっとある。
昨年の秋、友人にさそわれ台湾茶の専門店へ行った。
なんやかんや言ってどうせお茶でしょ~とナメた考えを胸に秘め行ったのだが、とんでもない。
台湾茶、深い。
香り、味、計り知れない。
茶で香りを楽しむなんて文化あたいは持ち合わせていなかった。
すぐに台湾茶に魅了され、その場で数種類の茶葉と茶器を購入した。

それらは数回家で飲んだのち棚の奥に押しやられていた。
そのまま本来の賞味期限を切ってしまっていた。

この話を、友人に話すと
「わたしも。」と笑っていた。

まだ3ヵ月賞味期限切れただけじゃんと、本日、その封を切り、水出しで作ってみた。
水出しなら放っておけば出来上がるのでらくちんだ。
今まであんなに放置していたのに、水を注いだとたん待ち遠しくてたまらない。

そわそわした気持ちをおさえ、家事をする。
息子が給食当番のガウンを持ち帰ってきた。
保護者会で先生からアイロンをかけるようにとアナウンスがあったので、数年ぶりにアイロンを触る。
給食ガウンのためにアイロン台も買ったのだ。
久しぶりに顔を合わせたアイロンはほこりをかぶっており、その手入れから始まった。
ほこりを落とし、乾いた布で拭く。
綺麗になったじゃないのとよく見ると『National』と記載されているのに気づき、懐かしいひびき~~~と大人一人で興奮した。

息子が今日も自転車の練習をしたいと言うので、それなら近くのスーパーまで自転車で行ってみようと提案し、息子はウキウキし始める。
正直、不安もあったが、言いすぎなくらいに、信号があるところだけじゃなくて、歩道が途切れるところでもとまって車が来ないか確認することと言い聞かせている。
いずれこの日は来る。日々、練習している息子を信じよう。
比較的、道幅が広く、単調な道を選んでスーパーへ向かった。
息子のうしろに並ぶ。
この時のわたしは、慈しむとはまさにこのことかという眼差しであったと思う。
どうか息子が痛い目や怖い目に遭いませんようにいう祈りと、数週間前まで一人で自転車に乗れもしなかったのに、もうこんなに立派に一人で漕いで、ハンドル操作して、止まることも出来ているなんてすごいという感激とで気持ちが高ぶっていた。
「見てください!この子は今、この瞬間、自転車で公道デビューしているところなんですよ!!!」
と言いまわりたい気持ちであった。
息子の運転は、慎重な性格もあってか、とても丁寧な運転でほっとした。

無事、家に帰り、スーパーで買ったおにぎりを昼ごはんに食べた。

昼食後、となりのトトロを観た。
子どもと楽しむために、我が家のハードディスクには金曜ロードショーで放送されたアニメ映画をもう何年分と撮り貯めてあるのだが、子どもたちは大抵、となりのトトロかSINGを観る。
両者とも、大人のわたしであっても何度観たって楽しいのだから仕方はない。
けっこうな序盤で、強風にあおられてさつきちゃんが持っていた薪が全て飛んで行ってしまうシーンがあるのだが、そこで娘が
「ここが一番おもしろいんだよね~。」と笑っていた。
面白ピーク早すぎでは?と思ったが、感じ方は人それぞれなのでそうかそうかと受け止めた。

夕方になり、早くしようよ~と子どもたちがわくわくし始める。
今日の夕飯は焼肉パーティーであった。
昨日テレビで、焼き肉のたれランキングを見て、これは焼肉するしかない!と思い立ったのだ。
結婚祝いでいただきそのまま使用していなかった新品のホットプレートをひっぱり出し、肉を焼いた。
楽しすぎる。
息子は、昨日テレビの中の人がしていたように、まずは焼肉のたれの香りをかいで「ん~いいにおい~。」と肉を口にする前から楽しんでいた。
ここは熱くなるから触っちゃだめと一度伝えれば触ることはない。
子どもたちは確実に成長している。
3年ほど前から、大人はわたし一人で子どもたちと日々暮らしてきたので、ご飯は与えることに必死だった。余裕がなかった。
こうやって鉄板を囲んで楽しむ日がきた。
子どもだけじゃない、わたしも成長しているなと感じた。
次はたこ焼きパーティーをしよう。
わたしがしたいから。

夕食後、楽しみにしていた水出し台湾茶を飲んでみたが、味が薄かった。


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