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金融業界じゃないのに、FPの資格を取ったワケと勉強してみてどうなのか

たいがい私が何かしようとするきっかけというのは
ハハ85歳の一言から始まる。


その一言から始まった

帰省したとき、食後、母がつぶやいた。
「老後が心配や」
再三言いますが、今年の誕生日で85歳。

あんた、老後進行形やん。と発するかわりに、
何が?と問うてみた。

「お金。せやって2000万円必要やろ?」

田舎の年寄りを不安の闇に突き落とすキャッチフレーズ。
「老後2000万円問題」

政府から働く世代へのメッセージだが、
現役老後世代に響いてしまっている。

母に、その根拠って知っているか聞いてみたところ、
「知らん」

2000万円がひとり歩きした結果が、これだ。
かいつまんで説明したところ、
”もらっている年金で生活したら、
そんなにいらんこっちゃな”と、納得したようだ。

85歳に2000万円は必要なのか?

だがしかし、私は気づいてしまった。
このばーさんの老後は、本人の自覚通り、
まだ先なのではないか。

だって、このひと、世の中の平均値に収まってない。
平均寿命で死ぬよりも、
寿命の最高齢記録を樹立する可能性が高そうなのだ。

女性の平均寿命は87.45歳。
あと3年くらいだけど・・・いやいやいや・・
これは軽く突破するだろう。
100歳も余裕っぽい。

最高齢まで生きる、とすると、116歳か。
あと30年・・・ある。

・・・あと、30年生きる。
もちろん、生活費は年金でまかなうにしろ、
住まいやら娯楽やらは貯金を切り崩すことになる。

2000万円で足りるのだろうか・・・。

心配になってきた。

これが、私がファイナンシャルプランナー2級の資格をとろうとした
きっかけである。

FPに興味をもったワケ

老後の資産管理、なんていうセミナーに行くのでもいいけど、
それだときっと当てはまらない。
規格外の婆さんなのだから。

それに、お金についての総体的なことを知れたら、
母だけではなく、自分も将来が不安な友人たちにも有効だろうと、
思ったのでした。

友人たちは自分も含めて似たもの同士。
フリーランスだったり、
家つき一人娘だったり、
海外居住30年の家なし娘だったり、
ダンナも息子らも無職の大黒柱嫁だったり、
と、一筋縄ではいかない友人が多いのでした。

状況は違えど、老後の不安を抱えているのは
みな一緒。

お金の知識を蓄えたい、というプロセスのゴールとして、
FPを取得することに。

老後って何

しかし、「老後」という言葉は、妙な言葉である。
老齢が原因でリタイアした人たちを指すのだろう。
定年退職しても、パートタイムで働く人たちは
まだ老後ではないだろうし、自活している高齢者も己を老後だとは
カテゴライズしづらいだろう。

そもそもFPで扱う分野とは?

そんなきっかけで、FPの資格をとるぞ!と思ったものの、
どんな分野を学ぶのか、さえ知らなかった私。
ユーキャンのFP講座を受けることにして、
やっとこさ、詳細について知ることになった。

FPが勉強する分野は6つ。
①ライフプランニングと資金計画
②リスク管理
③金融資産運用
④タックスプランニング
⑤不動産
⑥相続・事業承継

こう並べると、なんじゃそら。関係ないわ!と思われそう。
ですが、それぞれどんなことを含んでいるのか、詳細を書いてみると・・

①ライフプランニングと資金計画


公的医療保険、労災保険、雇用保険、公的年金、確定拠出年金、
奨学金。
つまり、私たちが受けられる社会保険や公的なローンについて。
突然の病気、妊娠・出産・子育て。失業したときにどんな保障があるのかの詳細が分かる。
あ~~これを知っておけば、会社を辞めても不安を抱かずにすんだのに!
と悔やまれる。

②リスク管理


生命保険、個人年金、火災保険・地震保険、自動車保険、損害保険
それらの商品性と税金について。
わたしたちが将来に備えて、どんな保険を選ぶべきか、を知ることができる。
え~~、保険に入る前に知っておけば、あんなに払う必要なかった!
と悔やまれる。

③金融資産運用


金融機関や証券会社で取り扱っている商品、証券取引、投資指標、外貨建て、運用パフォーマンス、金融商品取引にかかるセーフティネット。
つまり、投資をするにあたって、最小限知っておくべきことが、
ここでわかる。
新NISAで投資を始めた人、投資に興味を覚えた人も多いはず!
投資の基本知識を身に着けるには、この分野を読んでおきたい。

④タックスプランニング


所得税、医療費控除、住宅借入金等特別控除、法人税、消費税、
会社と役員の控除。
つまり、年末調整や確定申告で書き入れる項目について詳細が知れるし、
起業して社長になったら知っておくべきことが分かる。
会社を離れて個人事業主になる人とっては、青色申告などの基礎知識がわかる。

⑤不動産


土地の価格、登記、借地借家法、建築基準法、建物の区分所有に関する法律、居住用財産を譲渡した場合の特例。
つまり、家を借りたり、買ったりしたときにどんな税金がかかるのか、
控除があるのかを知ることができる。
社会人になったら一人暮らしを始めるだろうから、
知っておいて損はない。

⑥相続・事業承継


贈与、相続、遺産分割。
祖父母や親が亡くなったときの相続や、相続税を軽くするためにどんな手段があるのか、がわかる。
相続で家族が不仲になるなんてことはよく聞く。資産を残す方も受け取る方も、法律を知っておけば揉め事のいくつかは解消されるかも。

てなわけで、勉強し始めてわかったこと。
せめて、10年前に始めればよかった~~~

っていうことばかりなのである。

資格はとらなくてもいいけれど・・


わざわざ資格を取る必要はない、と思う。
今、必要な分野にだけ目を通すだけで、
無駄なお金を使わずに済むかもしれないし、
不安が解消される。

例えば、保険。
就職すると、家族やら上司やらから、保険への加入を進められる。
同級生が保険会社に就職したりすると、入ってよ~~と営業をかけられる。

進められるままに入ってしまうと、子どももいないのに死亡保険とか入ってしまい、受取人が親・・・ってそれ、必要なのか?
っていう保険に入っちゃったりする。

知っておけば、そういうミステイクを犯さずにすむ。

どんな試験?

試験は1月・4月・9月の年3回。会場は全国で98か所。受けやすい環境が整っています。試験は学科試験が120分。実技試験90分。どちらも6割以上の正解で合格です。学科は4択マークシート。実技は記入式ですが、計算問題と4拓です。

どんな人たちが受検している?

受検しているのは、銀行、生命保険会社、証券会社、不動産会社、弁護士や社会保険労務士、税理士、会計士など。会社によっては、FP資格をとると手当がでたり、昇進の条件になっているところもあるようです。

合格率

合格率は、2023年9月だと、学科試験が53.5%、実技試験が52%。
受検している人たちは、すでに金融についての知識があったり、
生業としている人たち。
ゼロベースから学び始める人の方が少ないと考えると、
合格するのはなかなかのハードルといえそう。

ちなみに、学科か実技のどちらか片方が合格すれば、一部合格となり、翌々年の年度末まで合格した方が免除されます。学科が受かっていれば翌々年の年度末までに実技が合格すればいいのです。

まあ、そんなわけで、全く金融業界ではない私ですが、
FPの勉強をスタートしたのでした。

勉強してみてどうなのか?

私ごとですが、ワケあって小さな会社をやってるのですが、
社内にそろそろ還暦を迎えようとしているスタッフがいて、
この先、どうしたもんかのう、と悩んでいました。
本人ではなく、私が、です。

仕事の効率が加齢とともに落ちているおぢさんを
今のままの給与で雇い続けるのは会社存続のリスク。

60歳になったらどんな給付があるのか、を知ることができたので、
これは大きい。

そういう社会保険や労災保険、健康保険の基礎知識や
決算書に書かれているワード、
税金のことなどを知れたのは、今更ながらですが、
良かったな、と。
税理士さんや社会保険労務士さんが心配してくれていることや
説明してくれていることが、理解できるようになりました。
また、自宅マンションについてのローンの考え方や、保険についても
答え合わせができて安心できました。

資格というのは、それを取ったからといって、すぐ開業できて
仕事がとれる、というものではありません。
学ぶことで、理解できる範囲が広がったし、明確になってきたのは
有効だな、と思います。











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