24.軍人皇帝時代の爪あと。
①でかすぎる領土を分けよう。
カラカラ帝の次に登場するのはディオクレティアヌス。彼は広すぎる領土を4つに分割して支配しようとした。これをテトラルキアという。そして皇帝は選挙ではなく、神の代理人として皇帝崇拝を強制した。
今まで市民と気軽に話していた皇帝の姿はなく、宮殿の奥深くに閉じこもってその姿は神秘のベールに包まれた。また神格化するために神殿を作り、ディオクレティアヌスの顔を彫って、信仰するよう促した。
皇帝が神という考え方はおかしくはない。カエサルも神となっているし、アレクサンドロス大王も神となっている。日本の天皇だって神だ。
②経済の変化-属州の逆襲-
ローマのラティフンディアは今まで商品作物を売っていたんだ。ワインとかオリーブオイルとか。
逆に属州は穀物なんかをイタリア本土に売っていた。
しかし、長い平和でラティフンディアに奴隷が入ってこなくなった。仮にか行ってきても値段が高く、今までのように使い捨てるような雑な扱いは許されなくなった。
奴隷の値段が上がった。
だから奴隷を大切に扱うし、家族を持たせて子供を産ませた。もはや奴隷は解放され、奴隷ではなくなり、小作人となった。小作人とは土地を借りて農業する人のこと。
小作人をコロヌスというので新しい農業方法をコロナートゥスという。
加えて、属州がローマの真似をするようになった。属州でもワインを作り、オイルを作った。今ではワインの産地はフランスが有名だ。
だからイタリアで商品作物を作ってもうれないので、作るものを自給用の穀物へ切り替えざるを得なかった。
商品を真似されると、独占していた国や企業が衰退するのは世の常。
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