お金を払わない人の話

仕事の一環で客からの問い合わせを受ける。
その中で一番多いのがサービス利用料に関してのこと。
毎日支払いを待って欲しいという内容の連絡が来る。
それも世間一般ではいい大人と呼ばれる年齢の方々から。
中には親と同世代の方もいて、そういった方から連絡が来ると胸が痛む。

もちろん最初に読んでもらう利用規約には料金のことは明記している。
しかし読まない人は多い、というかほとんどの人が読んでない。

その上でサービスを利用し、払えないから待ってくれと連絡してくる。
中には詐欺だなんだとイチャモンをつけ、払わないと断言する人もいる。
そういった人の対応はすべて弁護士に丸投げしているのだが、正直なんだかなぁと思うことが多い。

私が働いている会社が提供しているのは飲食や服飾、公共インフラとは違い、なくても生きていくのに困らないサービスだ。
最初に無料サービスはあるがそれ以降は有料になるしそのことも最初にしっかりと説明しているしHP上で説明している。
だけど毎日毎日違う人から待って欲しい、金がない、払えない、払う気がないなどの連絡がくる。

無料の範囲内だけで使うつもりが有料になっていたのだろう。
だからといってとてつもなく高い利用料金を請求しているわけではない。
数百~数千円程度の金額だ。
それさえ払えない、払いたくないという人が世の中にはたくさんいる。

なぜなのか。
金がないならなぜ徹底的に無料分だけに収めないのか。
そもそもなぜうちのサービスを使おうと思ったのか。
なくてもまったく生きていくのに困らないこのサービスを、なぜ使おうと思うのか。

世の中にはゴネ得という言葉があるように、なんとしても金を払おうとしない人が存在する。
心持ちがさもしい方だなぁと思うが相手の立場に立って考えることが難しい人種なんだろうなぁとも思う。
目に見えないサービスだが利用するには料金がかかるしそのことも明記している、使ったことは認めるのに払わないというのは食い逃げと同じだ。
会社はサービス提供者に利用された分の料金を支払わなければならないし、その代金は利用者からの料金でまかなわれている。
しかし電話の向こうやメールで払わない、詐欺だから訴えると騒いでいる人種はそういったことを理解していないし考える能力も乏しいのだろう。
悲しいことだ。何が彼らの思考能力を奪うのか。

残念ながら今の日本ではすべて完全無料のサービスは少ない。
むしろそのようなサービスは小さい字で免責事項が書いてあり、逆に高額の料金を支払うことの方が多いのではないだろうか。
消費者としては無料という言葉につい手が出てしまいそうになるが、無料の範囲をきちんと確認してから利用していきたい。
何事もご利用は計画的に。

思ったこと、考えたことの吐き出し。