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Spot Vision Screenerがマジすげぇのはなし

※2019年当時に下書きに入れたままになってた記事を一部修正して公開します。

以前、「Spot Vision Screener」という目の検査機械の話をききました。

いわゆる視力を測ることはできませんが、この機械を覗く(見る)だけで、斜視、不同視、近視、遠視、乱視などが発見できるものだそうです。

0歳から使えて、見え方の問題が早期発見できるので、弱視も治療可能な時期のうちに発見しやすくなる、というものです。


実はうちの子どもは「左右不同視弱視・乱視・遠視」と視能力に課題を抱えています。

発見されたのは、就学時検診のとき。
片目の視力が非常に低い、もう片目も少し視力が低い、ということで要検査となり、そこで初めて弱視であることが発覚しました。

一般的に、弱視の治療は6歳くらいまで。実際には8~9歳くらいまで治療できる場合もあるそうですが、就学時検診での発見はかなりギリギリのタイミングです。

3才児検診のときにも視力検査はありましたが、自宅で行う簡易検査で、ちょうちょとかひよことかの絵を離れたところで見せて、「これは何?」と訊くもの。

3才の子どもなんて、ふざけてしまってきちんと検査できるような状態ではありませんでした。

自宅検査のあと、検診会場でも行いましたがそこでもやはりふざけてしまって……
「まあ、見えているとは思いますが」という医師の言葉を信じて、眼科で検査しよう、とはなりませんでした。


就学時検査で発見されたときの見づらいほうの目の裸眼視力は「0.1」矯正視力で「0.2」。
見える方の目にアイパッチを貼って、見づらいほうの目で見て見る力を鍛える、という治療を数年行いましたが、発見が遅かったのもあってか、裸眼で「0.2」、矯正視力で「0.7」までしか回復できませんでした。


「Spot Vision Screener」の話を聞いたときには、「そんな機械があるんだ!早期発見に繋がるなんて、なんて良いんだろう!」と思う半面「本当にちゃんと測れるの?」「0歳とか3歳とかの子がちゃんと検査できるの?」という疑問もありました。


その話を聞いたときから半年ちょっと経った先日。

偶然、この機械を実際に使ってみる機会がありました。

両手で持てるくらいのVRゴーグルのような見た目。もしくは一眼レフカメラのような形。

機械と子どもの距離は1~2mくらいで、本当にただ機械を見るだけで、測定終了でした。

えぇ!?これで測れたの!?とびっくりしたんですが、すぐに印刷された検査結果を見ると、見事に「遠視・乱視・左右不同視」の結果が出ました。

でもそれ以上にスゴいなぁ、と思ったのが、その機械の「子どもに見てもらうための工夫」。
ただ「この機械を見ててねー」とか言っても、子どもがそこに注目して見続けるのは難しいです。

ところが、この「Spot Vision Screener」は、子どもに向ける側がキラキラ光ったり、キュルキュルと音が鳴っていたりして、自然と子どもの目が向きやすいようになっています。

確かにこれなら、0歳から検査ができる…!と感動しました。

実際の生活では、近視&乱視の私よりも子どものほうがよっぽどよく見えていて、遠くのものの認識とか私より早いくらい。
でもメガネorコンタクトでの生活を余儀なくされるのは変わらないので、やっぱり、この機械があの頃にあったら、うちの子の弱視も3才のうちに発見できて、もしかしたら回復していたのかもしれないな…というタラレバな想いは消えません。


この機械で検査したことで、診療報酬が上がる、みたいなクリニックとしてのメリットはあまり無いそうです。
(クリニックによっては検診代に上乗せとかもあるのかもしれませんが)

それでも早期発見できることで、その子の将来の生きづらさを少しでも減らせる、適切な治療につなげたいと意志のある医師が導入してくれているものです。

自治体の検診でもこの機械での検査が当たり前になって、早期発見ができるようになったら良いな…と思います。

「Spot Vision Screener」



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