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【ゲームレビュー】STAR WARS ジェダイ:サバイバー【アクションアドベンチャー/ソウルライク】

PS5 コントローラーを使用。前作&今作クリア済み。

※本作は『Star Wars』シリーズを題材とした作品となっており、そちらからの設定や用語が多数登場しますが、長くなってしまうため本レビューではそれらの解説を割愛させていただきます。

また、本稿はPC(Steam)版『STAR WARS ジェダイ:サバイバー』のプレイを基に執筆しています。


あらすじ&ゲーム概要

◆ 高評価を得たアクションアドベンチャー『スター・ウォーズ ジェダイ:フォールン・オーダー』の続編。前作から5年、主人公達の新たな冒険が描かれる。

前述したように、作中では前作から5年の月日が流れている。原作好きに分かり易く書くと映画『シスの復讐』から10年の月日が経過している。

ゲーム開始時のスタート画面から前作のストーリーの概要を説明するムービーを視聴する事が可能なので、前作を未ブレイの方は観ておくと良いだろう。ただし、あくまで概要になっている点に注意だ。

かいつまんで、断片的に前作の物語を観る事ができる。

主人公は前作から引き続き『オーダー66』を生き延びた『カル・ケスティス』と相棒である『BD-1』となっており、彼ら以外の登場人物としては、前作で仲間となった『グリーズ』や『メリン』等も登場する。
もちろん、『Star Wars』シリーズからの有名なキャラクター達も何人か登場するので、ファンは必見だ。

少し大人になった『カル』。帝国兵に連行されるシーンから本作の物語が始まる。

余談だが、メインで登場するキャラクターたち以外にも遊びの要素があり、要所要所で登場する敵ドロイド等がたまに少し“ヌけた”会話をしている事もあるので、隠れて聴いてみると良いだろう。

結構な割合で変な事を言っているドロイドが登場する。最後まで聴いてあげよう。

肝心のゲーム進行は、ストーリーを追いながら、訪れた惑星で戦闘をしたり、探索をしながら進めて行く事となる。

詳しくは別の項目で解説するが、戦闘はソウルライクな要素をメインにしつつもライトセーバー戦やフォース等の『Star Wars』らしい要素を取り入れた戦闘を前作と同様に採用している。

序盤では因縁の相手とのセーバー戦を行う事に。

探索面では主人公の能力を活かしたアスレチックから、フォースを利用したアクションパズルまで幅広く取り扱っている。

成長要素に関しては、技やフォース能力は瞑想場と呼ばれる本作のチェックポイントで習得/強化が可能だ

三項目に分かれたスキルツリー。何時でもスキルポイントをリセット可能なので色々と試してみよう。

能力に影響は無いが、主人公の服装や相棒『BD-1』のカスタマイズだけでなく、戦闘に使用するライトセーバーの外見やビームの色をカスタマイズする機能もあるので、オリジナルのライトセーバーを作ってみると良い。

ブレードの色だけでなく、部品もカスタム可能。

戦闘&アクション

◆ 本題に入る前に、本シリーズは全体的に難易度が高めに設定されているが、ゲーム開始時やメニューから難易度を変更する事が可能だ。ストーリーを楽しみたいが、アクションが苦手という方でも心配する必要は無い。

アクションが苦手であれば難易度『ストーリーモード』を選択しよう。

それでは、本題に入ろう。主人公である『カル』は前作で様々な試練を経て成長し、『パダワン』から真の意味での『ジェダイ』となった。

そんな彼は前作で習得した殆どのフォース能力や技を引き継いでおり、それらを今作の序盤から発揮する事が可能となっている。もちろん、強力すぎる技は最初は使えないし、能力のいくつかは今作向けに調整されている。

戦闘では引き続き、ガードやパリィ、回避が重要となるソウルライクな作品から影響を受けた調整が入っている。
それらのアクションに、本シリーズの特徴である『フォース』を絡めた戦闘は相変わらず自由度が高く、スリリングだ。

相手を押し飛ばす『フォース・プッシュ』で敵のガードを崩すこともできる。

敵の攻撃力は高めだし、敵によってはこちらの攻撃をガードまでしてくる。複数の敵に囲まれてしまうと圧倒的に不利になってしまったりと、相変わらずのハードな戦闘だ。

だが、挑戦的な戦闘であるからこそ、攻略時の達成感も大きい。敵の攻撃を回避し、フォースでスキを作り、止めを刺すといったジェダイらしい戦闘を楽しめる。

特に今作では人型のボス戦が多く、主人公の能力をフルに発揮できる場面が多い。

人型のボス戦が多く、プレイヤーが望んでいるような“わかった”敵が多く登場する。

ここまで解説した戦闘の仕組みが前作と全く同じかと言うとそうでもなく、前作からのアクションにプラスして、今作では新たなアクションも追加された。

厳密には『二刀流(デュアルセーバー)』や『ダブルブレード・セーバー』等、前作にもその“はしり”となるものはあったのだが、今作では“正式に”新たに『スタンス』という概念が登場する。

スタンスは『瞑想場』で変更可能だ。

これは戦闘スタンス、武器や構えを替えて一撃特化にしたり、手数特化型の構えに変えるというシステムだ。
敵によって効果的なスタンスが異なっているので、前作の様におまけに近い要素では無くなっている。ガッツリ戦況を左右するので、状況毎に切り替えながら使うと良いだろう。

『ダース・モール』が使用する事で有名な『ダブルブレード・セーバー』使用中は複数戦に特化したスタンスとなる。

スタンス自体は瞑想場で二つまでショートカットに登録でき、何時でも切り替えが可能になる。普段使わないスタンスがあったり、使用しているスタンスでは対処し辛い敵が登場したとしても、基本的にはフォース能力で苦手なシチュエーションへの対処/弱点を補う事ができ、戦闘面のバランスは良く出来ている。

対複数戦や強力な個体等の状況に対応できるフォース能力もあるので、自分のプレイスタイルに合わせて習得していこう。

このスタンスの登場によって、前作の後半ではマンネリ気味だった戦闘やあまり意味の無い『デュアルセーバー』を使う理由が出来た点は素直にありがたい。
他の部分でもそうだが、しっかりと前作の問題点を克服し、より洗練されたアクション性になっている。

攻撃の出が早い『デュアルセーバー』は使いやすかった。

アクションについて解説したが、ゲーム的な部分だけでは無く、何よりもジェダイらしい動きができ、ファンにはたまらない。かくいう筆者も『Star Wars』シリーズのファンなので、主人公のカッコいい動きに見惚れてしまう事も。

これらのアクション、本シリーズではハードで達成感の高い戦闘面でのアクションが主に評価されがちだが、前作と同様に探索やパズルを解くためのアクションも面白い作りになっている。

探索とパズル要素

◆ 探索面でも二段ジャンプや壁走り等の様々なアクションを活用して広大なマップを探索する事となる。各所にはステータスを強化するアイテムが隠されており、探索は重要だ。

探索ではマップにマーカーを付ける事で、行きたい場所や気になる場所を分かり易くしてくれる機能もあるので、積極的に使っていこう。

探索においても、前作で成長したカルの能力をいかんなく発揮できる。

パズル要素に関しては前作と同様に様々なモノが用意されている。地形を利用したり、フォース能力の行使が必要となる、本作独特のパズルが多く登場する。

いわゆる”ゼルダライク”なパズルも健在だ。

ちなみに、パズルのいくつかは初回到達時点では攻略できないような仕掛けもあるので、そういったパズルに出会ったのなら、また後で戻ってみると良いだろう。
チェックポイント間をいつでもファストトラベル可能なので、心配する必要は無い。

到達済みの『瞑想場』にファストトラベルする事が可能だ。見つけたら、忘れずにチェックしておこう。

全てがそうと言うわけでは無いが、パズルの多くはアクションパズル寄りの作りになっている。仕組みとしては3Dゼルダライクな作品で見るようなモノも。

前作と比べると流動的でゲームのテンポを阻害しない作りのパズルやアスレチックが多く登場し、物語を進める事で入手できる新しい能力もそれらのパズルを拡張するような仕組みになっている。

新しく入手できる探索用の能力の殆どは高速移動に利用できるため、快適な移動を楽しめる。

前作の問題点であった、物語を進める上で登場するいくつかのゲームのテンポを阻害するパズル要素は極力削られている。
誤解の無いように書くが、ボリュームや要素自体が削られているわけではなく、テンポが阻害されない様にそういった思考が必要となるパズルはサイドや探索で登場するようになったという事だ。

単純なパズルやアスレチック以外にも、チャレンジ的な要素をクリアする必要のあるアクティビティも。

本題に戻るが、サブクエストやアクティビティの種類が前作よりも増えたため、今作のマップはよりイキイキとしている。マップ自体も広くなり、高低差がハッキリと分かる作りになっているし、かなり立体的な場所も多い。

様々な場所にアイテムが隠されているので、探してみよう。

このタイプの作品では探索をして発見する喜びや達成感が重要となるのだが、アクションが重要なアスレチック系の仕掛けだけでなく、パズル要素もあるので、探索まわりは贅沢な作りになっている。

戦闘と難易度調整

◆ 別の項目で説明したように主人公である『カル』は成長をしており、前作の能力を殆ど引き継いでいる。そのためか、前作の序盤の様に極端に難しい戦闘は減り、よりプレイがしやすくなった。

一部の敵以外には苦戦する事は殆ど無くなった。

ただ、いくつかの戦闘では主人公が“強すぎる”と感じてしまう事もあり、やや調整が間違っているように感じられた。あくまで『ノーマル』にあたる難易度の話なので、簡単に感じられる方は少し難易度を上げてみると良いだろう。

主人公が『ジェダイ』である事から、強く見せたいのかもしれないが、ゲームとしてはもう少し調整をして欲しかったところだ。というのも、集団戦等は相変わらず難しめで面白い作りになっている。

サイドに登場するボス等の調整はイイ感じだ。

また、これらの調整以外では前作でも問題であった不要な技が多い点も挙げあれる。主人公はスキルポイントを消費する事で新しい技やフォース能力習得できるわけだが、フォース能力はともかく、セーバーを使用した技の殆どは初期に習得しているもので十分だったりする。

習得できる殆どの技は意図的に使用しない限りは出番がない。

この問題点は参考にしているであろう某“ソウルライク”作品でも同じ問題があるわけだが、こちらは改善されなかったようだ。

様々な技がある事自体はジェダイらしい動きをする事ができ、スターウォーズ好き、ジェダイ好きにはたまらない。
スターウォーズファンとしては最高なのだが、ゲーム面での評価としては本作には正直必要のない技が多い事も事実なので、今回は指摘させてもらった。

全体的に見ると、演出や爽快感を出す場面、挑戦的にする場面の調整が難しいのだろう。

最適化不足

◆ 本レビュー執筆時点では特定の環境によってはfpsの低下やクラッシュが発生する。

こちらに関しては開発元がDay1パッチを適用した事で大分改善されているし、今後もパフォーマンス関連の改善パッチを公開すると発表されている

まず、筆者は配信をしながらという特殊な環境である事は書いておくとして、参考までに筆者の環境『CPU:i7 - 10700K RAM:32GB GPU:RTX3070』でプレイ時には、基本は60fps前後、場面や部分的に30~60fpsの間を上下するような形になっている。

ちなみに設定を中~高等にしても特にfpsの上下には影響が出なかったので、恐らく最適化不足による影響だろう。

また、SteamからのプレイでもEAのランチャーを立ち上げないとプレイできない点に関しては正直勘弁して欲しい。

-------------------【良い点】-------------------


+ 前作のフィードバックをしっかりと反映し、より洗練された各種システム。

+ 『Star Wars』好きにはたまらない要素が盛り沢山。

+ 達成感の高い戦闘と探索要素。

-------------------【悪い点】-------------------


- 調整不足が感じられる序盤の戦闘。

- ファンとしては嬉しいものの、ゲーム的に不要な技が多い。

- 本レビュー執筆時点では一部の環境での不具合や最適化不足。

--------------------【総評】-------------------

前作である『スター・ウォーズ ジェダイ:フォールン・オーダー』の弱点であったやや単調なアクションやマンネリ気味な探索要素をしっかりと克服し、元から良かったところはそのまま引き継いでいる。細かいマップやUI等も改善された。

『Star War』ゲーム作品の『ジェダイ・シミュレーター』と言うジャンルが存在しているのならば、本作はそのジャンルで最高の作品と言えるだろう。

前作が好き、あるいは『Star Wars』ファンならば、このレビューを読んでいないで今すぐにでも購入してプレイするべきだ。

アクションや探索まわりの完成度も高いので、ソウルライクやちょっとした3Dゼルダライクパズルが好きな方にもオススメだ。

くどい様だが、何よりもファンにオススメだ。
是非、今作をプレイして遠い昔、遥か彼方の銀河系で始まる主人公達の冒険を体験しよう。

フォースと共にあらんことを!


プレイ動画をアップしているので、本作が気になった方はこちらを参考までにどうぞ。


他にもSteamで発売されている『プラットフォーマー』作品をこちらで:

『ローグライク』作品をこちらで紹介しています:

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