ちょっと待った!「ちゃんと、きちんと、しっかり」子育て

子供には「ちゃんとさせる」「きちんとさせる」「しっかりさせる」、そして自分には「ちゃんとさせなきゃ」「きちんとさせなきゃ」「しっかりさせなきゃ」とこういうスタンスで子育てに臨んでいる人は多いだろう。


先日電車内でこんな光景を目にした。
4歳くらいの男の子、3歳くらいの男の子を連れたお母さん。

さして混んでいるわけでもない時間帯。
男の子は別にふざけているとか騒いでいるとかではない。座席に勢いよく座ったというような子供なら悪意なく普通にする行為程度。
そのお母さんとしては周囲の人の目を気にしてなのだろう。
何度か「ちゃんとしなさい」といった注意を繰り返していた。
その後しばらくして、いきなり無言で男の子に蹴りを入れる。暴力的なものではなく、そのお母さんからすれば気づかせる程度のつもりであったのだろうが、それでもその行為が子育ての安定化のプラスになるとは思えない。

この事例を挙げたのは、この母親を責めようというわけではない。
多くの人が無意識に子育てのなかで積み上げていく「ちゃんと、きちんと、しっかり」子育てに気づいて欲しいため。

というのも、僕は子育てする人が「ちゃんと、きちんと、しっかり」子育てをまじめに頑張った結果、あるとき子育てが非常に難しい状況にはまり込んでしまうというケースを多く知っているから。



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保育士おとーちゃんこと須賀義一です。 保育や子育てについて考えたことを書いています。