ちょっと待った!「ちゃんと、きちんと、しっかり」子育て

子供には「ちゃんとさせる」「きちんとさせる」「しっかりさせる」、そして自分には「ちゃんとさせなきゃ」「きちんとさせなきゃ」「しっかりさせなきゃ」とこういうスタンスで子育てに臨んでいる人は多いだろう。


先日電車内でこんな光景を目にした。
4歳くらいの男の子、3歳くらいの女の子を連れたお母さん。

さして混んでいるわけでもない時間帯。
男の子は別にふざけているとか騒いでいるとかではない。座席に勢いよく座ったというような子供なら悪意なく普通にする行為程度。
そのお母さんとしては周囲の人の目を気にしてなのだろう。
何度か「ちゃんとしなさい」といった注意を繰り返していた。
その後しばらくして、いきなり無言で男の子に蹴りを入れる。暴力的なものではなく、そのお母さんからすれば気づかせる程度のつもりであったのだろうが、それでもその行為が子育ての安定化のプラスになるとは思えない。

この事例を挙げたのは、この母親を責めようというわけではない。
多くの人が無意識に子育てのなかで積み上げていく「ちゃんと、きちんと、しっかり」子育てに気づいて欲しいため。

というのも、僕は子育てする人が「ちゃんと、きちんと、しっかり」子育てをまじめに頑張った結果、あるとき子育てが非常に難しい状況にはまり込んでしまうというケースを多く知っているから。


◆ケース1

兄と弟。
両親とも大変まじめ、きっちりとした性格だが、あまり情感的な関わりは得意ではない。笑いかけたり、冗談を言ったり、子供をあやしたり、抱きしめたりといった関わりはできないタイプ。
「ちゃんと、きちんと、しっかり」の行動を幼少期からずっと、子供に生真面目に求めていく。

兄は親の前では、親の希望に沿った「よい子」になっているが、保育園(その後の小学校)では乱暴な行為、衝動的な行動、モノを壊す、小さな生き物を殺すといった行動が顕著に現れる。
弟は、無表情で言葉もあまり出さない。集団での行動はよく空気をよみ大人の要求するように動く。年長クラスになった頃から、自分よりも幼い子、自己主張しないタイプの子に対して意地悪な行動を繰り返すようになる。

◆ケース2

男の子。きょうだい関係無し。
両親とも、「ちゃんと、きちんと、しっかり」のスタンスで大変まじめに子育てしてきた。
とても「よい子」で育ってきていたが、中学生になり万引きをするようになる。
しかし、それをわざとばれるようにやっていた。
両親ともその行為に対して大変怒り、何度も繰り返し叱る。それは悪いことだと繰り返し説明し、もうしないと誓わせた。その子も泣きながら親に謝る。
親としては、これでもうしないだろうと思っていたところ、またしばらくして「これ取ってきちゃった」(万引きした)と、本人から告白される。


これらと同様のケース。またここまで現実の問題となっておらずとも、子供の不適応な姿として小出しに出ているケースなどがそれこそ山のようにある。

子育てはバランスなので、「ちゃんと、きちんと、しっかり」のスタンスで子育てしたらみなこうなるというわけではない。
両親ともまじめだが、祖父母がやたらと甘えを受け止めてくれる人で結果としてバランスがとれてしまったり。
子供自体の個性がおおらかで、ネガティブな大人からの関わりを自然に受け流せるタイプでバランスがとれてしまったり。
ちゃんとしっかりの抑圧がたくさんあっても、友達と乱暴な遊びをすることでなんとかバランスが取れてしまう、等々。(子供の遊びに戦いごっこが多くなる理由のひとつ。大人からの関わりが抑圧的であること)

どこかでバランスがとれることで結果オーライになったり、影響は出ているのだが人生に大きな影響を与えるほどではないところで収まるものもたくさんあるだろう。


しかし、

一生懸命子育てすること = 「ちゃんと、きちんと、しっかり」の子育てをすること

になってしまう人は、注意しておいたほうがいい。


では、なぜ「ちゃんと、きちんと、しっかり」の子育てを頑張りすぎてしまうと子育てが難しくなってしまうのだろうか。


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保育士おとーちゃん

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保育士おとーちゃんこと須賀義一です。 子育てについての情報を発信しています。

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