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「人んちの本棚」に惹かれる気持ち

あるとき映画を観ていたら、主人公のすぐ背後に本棚が映るシーンがあった。そこに詰められた本のラインナップを確認したくて、思わず一時停止した。

特段本に関する映画というわけではなく、ただ背景として映っただけだったのだが、じっくり見ずにはいられなかった。

その後のストーリー展開はだいぶ忘れたが、本棚に惹かれた瞬間の感覚は今でも鮮明に思い出せる。



またあるとき、好きなお笑い芸人が投稿していた写真に、本棚が写っているのを見つけた。天井まで届く背の高い本棚だ。
やはり私は目をこらして、その棚にある本をまじまじと確認してしまった。


上の方には歴史漫画が揃えてある(背表紙の文字が大きいのですぐわかった)。ピンクっぽいラインが入っているのは確か幻冬舎文庫か。隣のは新書…というところまで思いを馳せて、これじゃストーカーみたいだと自分にげんなりし、スマートフォンを伏せた。


なぜ本棚が好きなのだろう。
好きな人(キャラクター)の頭の中を覗いているような気分になるからか?

それも少しはあるけど、SNSで見ず知らずの人がアップする本棚の写真でも、魅了されることがある。
持ち主がどんな人であれ、気になる本棚というものが自分のなかであるようだ。


一口に本棚といっても、図書館や大学のような施設にあるものにはそこまで特別感を覚えない。どちらかというと、いち生活者というか、「人んち」の本棚が見たい。


それも、インテリアっぽくおしゃれに配置されているより、ただ飾らずに詰めてある感じがより好きだ。本棚に入りきらず、1〜2冊横倒しになっている状態も、なぜかいい。


参考書やビジネス新書が10冊くらい並んでいる隣に、いきなり漫画があったりするのも面白い。背表紙の高さやジャンルを揃えるのもきれいだけど、ごちゃ混ぜになっていると興味をそそられる…



本棚への気持ちはとどまることを知らず、私は今日もツイッターで #俺の本棚を見てくれ と検索する。


もちろん、自分のワンルームにもささやかながら新しい本棚をこしらえ、とっておきの本たちを並べ……






本を並べる前に、まずは組み立てるところから。


手先が不器用だというのに、何を思ったか組み立て式の本棚を購入した。
ネジをまっすぐ締められず、1時間近く経過しようとしている。



素敵な本棚への道のりは険しい。


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