見出し画像

ほっかいどう暮らし117 苫小牧市 牛タン定食

先日自室の本棚を整理していたら、ずいぶん前に買った

「とまこまい 食べ歩き100店」なる本が出てきました。

裏書を見ると、発行は2004年2月20日。さすがに18年以上も前に出されたものなので、中には今でも続く名店から、もうずいぶん前にやめてしまった懐かしいお店まで様々な飲食店が掲載されています。

その日の夜、ご近所の飲み友達のコーイチさん(50代初め)とゆういちさん(40代後半)と僕、それとゆういちさんの奥さん(40代後半と思われる)の4人でお酒を飲んでいた時のこと。

「とまこまい 食べ歩き100店」をめくりながら、食べに行きたいお店や行ったことのあるお店の話などをしていたら、ゆういちさんが奥さんに

「あぁこの店、ずいぶん前に2人で行ったよね」

と言ったら奥さんが

「私、連れて行ってもらった覚えないけど」

そこから「行った」「行ってない」と口論となり

ゆういちさん 「ちぇっ!覚えてないんだ、連れて行き甲斐がないねぇ」

と余計なことを言うと

奥さん 「なにさっ!どうせ他の女と行ったんじゃないのっ!!」

と切り返される。

雰囲気が悪くなりそうなので、僕が気をつかって

「おいしいお店なら、もう一回食べに行ったら思い出すんじゃない?」

と提案したところ

...とんだとばっちりである。

その後も「おかしいなぁ、あいつと行ったはずなんだが」と言っているゆういちさん。

まぁ、僕にとってはどうでもいい話ですが、正直ちょっと気にかかる。展開によっては面白い事が起こるのでは?...なんて、むふふ。

翌日、口では「ちゃんと思い出して、スッキリさせた方がいい」とか言いながら、内心別の展開を期待しつつゆういちさんを食事に誘いました。

おそらく僕と同様に「何か起きないか」と期待しているコーイチさんも、「俺も行く!俺も行くっ!!」とすぐに話に乗ってきました。

3人でやって来ましたのは、ゆういちさん思い出の店

「初代牛タン 赤兵衛」さん

苫小牧市新中野町にある牛タン専門店で、おいしい牛タンを求めて市外からも多くのお客さんが訪れる名店です。

お昼時でお店はかなり混んでいました。

案内されたカウンター席に並んで座り、ゆういちさんとコーイチさんは「牛タン定食(大)」を、僕は「牛タン定食(中)」を注文。ゆういちさんは「前も同じカウンター席に座った気がする」なんて言っていました。

焼き上がりに時間がかかるとのことなので、コーイチさんが

「ただ待っているのも退屈だから、しりとりでもやらないか?食べ物しばりね」

と言うので

僕 「やらないよ。なぜここでしりとりを...」

ゆういちさん 「やるなら1人でやりなさいよ」

すると、コーイチさん

「まずはリンゴ..ごま..マグロ...ろ??...う~ん...ろ...あっ、そうだ!!

ゆういちさん 「本当にやっているのか?!」

僕 「できたら無言でやってもらえないかい?」

なんて言っているところへ、やってまいりました

牛タン定食

焼きたての牛タンに麦飯、テールスープのセット。運ばれてきた段階で、炭火で焼いた肉のいい香りが漂います。

厚めに切られた牛タンは、ザクッとした歯ごたえ。ジューシーで熟成した肉の旨みが広がります。そして鼻から抜ける香ばしい香りが堪りません。

塩加減も絶妙で、麦飯にとてもよく合います。テールスープも深い味わいで美味しいです。

「うまい、うまい」と食べていると、突然ゆういちさんが

「ああっ、そうだ。思い出したっ!」

するとコーイチさんも

「俺も思い出したわ」

んんっ?!

え〜っ!一緒に来た人ってコーイチさんなの〜っ?!

つまんねぇ〜〜〜っ!!

おしまい


この記事が参加している募集

おいしいお店

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?