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【お金の話】Barで"1人50杯まで無料!キャンペーン"をやってみた結果。


1人50杯まで無料!さらに帰り際に100円あげちゃうよキャンペーン!

私は、下北沢でBarハイムというお店の経営をしています。

2020年2月にオープンしたお店なのですが、
当時は開店するのはいいけども下北沢に知り合いもいないし、
どうやって集客すればいいのか?にとても頭を悩ませていました。

その時に思ったこととしては、
とにかく来てもらうこと、知ってもらうことが大事だなと。

まずは、「とりあえず最初は無料にしよう!」と浮かびました。

ただ「完全無料!」と表現するのは何となく面白みに欠ける
むしろ、完全無料でお酒が飲めるってちょっと怖いだろうなと。

そこで、響きとしてよりキャッチーになるよう、よりバカバカしくなるように「1人50杯まで無料!」というコピーにしました。

でも、まだ弱いなと。

無料だからといって、わざわざ人が貴重な時間を割いてまで
見ず知らずの下北沢のお店に来たいと思うか?と。

「あ、帰り際に100円もあげちゃおう!笑」

そんなノリでこのキャンペーンを実行することを決めました。

こういう少し突拍子もない企画をやるとき、自分の中で気を付けていることがあります。

「やるなら、やり切る!」

これは意外と大事だと思っていて、
痛手を減らすために1日だけの限定イベントにしたりしてしまいがちです。

ただせっかくお金を掛けてやるのだとすれば、
効果を最大化させなければ、むしろもったいないです。


なので僕はこれを5日間連続でやりました。

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結果どうなったか

今では考えられない、3密ガン無視の大量ごった返し状態になりました。

ほぼ全員知らない人。ぎゅうぎゅう詰めで全員立ち飲み。
外の入り口の階段にも並んでいる。愛知県から来た人もいる。


パニックでした。しかも、日ごとにお客さんが増えていく。
(あまりにも荒れていたので写真は遠慮しておきます笑)

これにはまぎれもなく要因があり、
1日目のお客さんが2日目のお客さんを呼び、
2日目のお客さんが3日目のお客さんを呼び…という連鎖が続き
とにかく連日フィーバー状態でした。

…はいはい。読者の方からこんな声が聞こえてきます。
「無料だから、当たり前じゃん。」「赤字になったら意味ないだろ」

お待たせしました。今からお金の話をしますよ。

結果から言うと、
5日間やって、費用としては6万円程でした。
定員15名のお店に5日間で300人くらい来ました。

広告宣伝費として換算すると、この効果でこの費用は合格点だと思います。
何故成立出来たのか?

ここからは飲食関係者ブチ切れ必至の内容となっております。
あらかじめご了承ください。

お金の話。なぜ6万円で出来たのか?


ビールは原価が高いので、基本的には角ハイボールと鏡月のサワーだけを出しました。

ほぼ、これにつきます。
しかし大体2日くらいでこの量を消費していました。普通に引きます。


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実は、4リットルの角ウイスキーが7000円近く、
鏡月の4リットルが3000円近くで普通にドンキでも売っています。

ただ、ウイスキーとサワー系だけだと「まあそうだろうね」と
きっと満足度も下がってしまうので、一つ工夫しました。

散々無料で飲んでいるところに、
「今日はこのシャンパンも空けちゃいます!勝手に飲んじゃってください!!!」とシャンパンも提供しました。

各グループ毎に1本ずつ配りました。
すると「そこまでやるか!?」と皆さんの満足度も一層高まりました。

しかし、実を言うと
普通にカクヤスで販売されている500円のシャンパンを提供しました。笑

シャンパンはぐびぐび飲めないお酒なのでお店側からすると、
500円で団体(7~8人)の消費を抑えることが出来たのです。

僕はコストを抑えられ、お客さんは満足度が高まる。
Win-Winだったのかなと思います。

角、酎ハイ 10000円×3セット ⇒30,000円
氷代    200円×50袋     ⇒10,000円
炭酸水   100円×80本     ⇒8,000円
シャンパン 500円×20本     ⇒10,000円

ザックリ計算して、これだけの消費があっても5日間で大体6万円。
(そしてこれは申し訳ないことに、普通に僕が酔っ払いすぎて帰り際に100円をあげるのをほぼ忘れてました笑)

(満足度が高まったおかげか、無料だと言っているのにお金を払ってシャンパンを開けてくれる猛者もいました笑)

一番の広告とは、それを体験すること


反響は、正直予想以上でした。
正直こんなに人は来ないと思っていました。

普段広告を制作している立場からすると何とも複雑ではありますが、
SNS広告や、LP作ってリスティング広告、映像を制作して…などしなくても、
アイデア1つでこれだけの費用対効果を生むことが出来る。
ということを身をもって学びました。

これは持論ですが、
一番の広告とは”体験”してもらうことだと思っています。

どれだけ綺麗な映像を作ったとしても、
どれだけ綺麗なコピーを掲げたとしても
その瞬間に感じる体験には勝てないのです。

その体験を肌で感じるからこそ
人はリピーターになるし、人にお勧めしたくなるのだと思います。

そのために、体験する機会を増やすこと。
それが僕が実現していきたい広告の形です。

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おまけ やった時点で成功だった


実は、どれだけ人が来ても来なくても、
やる前からこの施策をやった時点で成功だとも思っていました。

オープンしてから「どんなバーをやっているんですか?」と聞かれることが
沢山あると思った時に、
Barハイムを説明出来る”特徴”を作りたかったからです。

また、人伝いに「一人50杯まで無料やってた面白い店があるよ」という
周辺住民の方の口コミが広がることを目的としていました


ここまで新規獲得が出来たのはある意味想定外でした。

拡散してくれた皆さんのおかげです。
めちゃくちゃ今更ですが改めてありがとうございました。

今も週一くらいでたまにお店に立っているので
ぜひ遊びに来てくださいね!!!

松葉佐
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