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サウナと一人焼肉で僕は幸せになってはいけないのか~幸福学のはなし~

サウナと一人焼肉さえあればじゅうぶん幸せ?
でも、もう1種類の幸福があることをあなたは知っているだろうか?
幸福学の先生に、聞きづらいことぜんぶ聞く(著)前野隆司より

なかなか挑戦的な文言が
本の帯に書いてあった。

思わずその答えを心のなかで
私は叫んでしまった。

「あぁ十二分に幸せだよ、何が悪いんじゃ。
わしはしょせん凡人やけん」

思春期の中学生ばりに反抗したくなった。
その答えを知るべくこの本を手に取ってみた。

幸福を点ではなくて線で考える

サウナと一人焼肉で幸せになって何が悪い。
そんな対立的な感情を抱えて
読書するのは久しぶりである。

かつてはこんな記事も書いていた。

ひとりの楽しみ方を知っている人こそ、
真の大人である。

そんなことを自負する私は、
サウナとひとり焼肉で
幸せになりたいと思っていた。

ただそこで私はある一文
で頭をぼぉーんと後ろから
突然殴られたような衝撃を
覚えたのである。

日本人の多くは「幸せ=ハピネス」だ
と思っているので、
「うれしい」とか「楽しい」「気持ちいい」
といった短期的な感情を、
幸せな状態と混同しがちなんです。
幸福学の先生に、聞きづらいことぜんぶ聞く(著)前野隆司より

サウナでととのう。
美味しいハラミをいただく。
たまらなく幸福である。
少なくとも私は。

ただこの時間は人生で考えるならば、
一瞬であり「点」に
すぎないのである。
消費したら一瞬で終わってしまう。

それをこの本では「ハピネス」
として紹介していた。

そうか、自分がずっと求めていた幸せは
長続きしない、「点」だったんだ。
これを繰り返しているだけだったのかと
気付かされたのである。

そこでこの本では
ウェルビーイングを長続きする
幸せ
として紹介している。

日本語にすると「ウェル」「ビーイング」に
分けて考えると「良好な」「状態」
ということらしい。

なるほど幸せは消費する「点」ではなくて、
状態としての線で考えてみる

追いかけてみるということなのか。
納得したのである。

幸福になる「やりかた」
ではなく「ありかた」

あなたはいま幸せですか?

そしてその理由はなんですか。

この質問に堂々と答えられる
人はいるだろうか。

サウナに行く。
好きな人と映画を見に行く。
酒を飲む。

幸せになる方法。
たとえ短い時間であったとしても、
それはある。

しかし人生は長い。

過ぎ去ったあとで
「あの頃はよかったなぁ、幸せだったなぁ」
なんて縁側でお茶飲みながら
過ごすのはちょっとごめんである。

幸せでありつづける。

幸せになるやり方を探すのではなく、
幸せのありかたを我々は
探さなければならない。

幸せとお金の関係

先程取り上げた「消費する」幸せ。
サウナに行くにも、焼肉屋で食事を
するにもお金がかかる。

幸せになるやりかたを突き詰めていくと、
お金は切っても切れないものなのである。

興味深い研究がある。
引用元はこの本からである。

プリンストン大学名誉教授でノーベル経済学者のダニエル・カールマン博士によると、収入の増加による幸福度の上昇には限界があり、「年収が7万5000ドル(約800万円)を超えると幸福度と収入は連動しなくなる」
精神科医が教えるストレスフリー大全 (著)樺沢紫苑より

800万が基準になるかは、相場も物価も変わっているので
すこし違うと思うが納得できる。

幸福になるためにとにかくお金を稼ぐ選択は、
懐疑的にならざるをえない。

経済学で「限界効用逓減の法則」がある。
美味しい焼肉を食べると
幸せを感じていても、

それはいずれ慣れてしまう。
欲が欲を呼んで、
青天井で上のものを求め続けて
しまうのである。

ネズミのラットのように
ひたすら上へ上へ幸せを
求めていってしまうのである。
それは悲劇であり喜劇なのであろう。

幸せの「ありかた」はお金や物質といった
目に見えるものにはないのかもしれない。

自由、健康、社会とのつながり。
そういった抽象的な目に見えない概念が
幸せのありかたのキーな気がしてならない。

そんなことを考えながら過ごす
年末年始も悪くない。

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