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アニメ明日ちゃんのセーラー服の最高な点を伝えたいだけ

前回原作マンガの記事を書きましたが普通に時間かかった&無駄に小難しかったのでアニメ版は雑に殴り書きします。

といっても作品自体の魅力は前回の記事でだいたい語ってるのでその辺は今回ほぼ書いてないと思います。

前回の記事読んでいる前提で書いているところも一部あるので
長ったらしいですが気が向いたら読んでいただけると素直に喜びます。




今回明日ちゃんのアニメを見ていて流石だなと思ったのはちゃんとアニメ版として改変、拡張していること。

これが結構大事なことで基本的にマンガとアニメでは表現できる幅が全く違うわけで上手く魅せられる部分も当然変わってくる。

マンガにはマンガならではの良さが出る場面。
アニメはアニメでの良さが出る場面。
これらは絶対変わります。

そもそもマンガにはマンガの制約(ページ数とか)
アニメはアニメの制約(1話に使える時間とか)があるので
マンガでやっていることをそのままアニメにしても原作の良いところが全部出せるわけじゃない。

例えばこの前の記事でも書いてるように色で動きを表現しているところもアニメだとそもそもずっと色が付いているからその良さは消える。

マンガのテンポの関係上載せられない場面だってある。

こう考えれば原作マンガをそのままアニメにするのは良くないって理解できると思うんだけれど色々な事情もあるのかマンガ原作をそのままアニメにして動かしましたって作品が割りと多い。

原作が小説であれば見ている媒体が文章だけなのでわりと融通が効くというか映像にするときの自由度みたいなのがあるので上手くできることが多いのかもしれない。

けれどもマンガだと動きの部分まで作られちゃってるからそこの自由度が低い。

そんなこんなでマンガ原作のアニメが原作そのままにアニメ化されることの方が多いんですよね。

まぁ改変するにしても労力かかるし変に弄って失敗したらそれこそ取り返しつかないので無難に行くなら原作そのままをアニメ化するのが自然で一般的になります。

でも逆に原作をそのままアニメにしないといけないなんて聖書にもコーランにもアヴェスターにも書いてないんですよね。

というわけでちゃんとアニメ映えするように内容を上手く改変したりアニメオリジナル展開しているところがめちゃくちゃ良かった。

このりりと逢の場面とかまさにそうで、
序盤に景に勝てなかったことを意識してる逢も、賭けを持ち掛けて少し
嫌味っぽさを醸し出したりりにしても全てを綺麗に纏める完璧なオリジナル展開。

この1シーンだけで逢がりりのためにノートを纏めるくらい友達想いなんだなってわかるし、りりもクールで一匹狼な雰囲気を出しつつもしっかりと同級生を観察して、気を回せる子だってわかる。

もう一歩深読みすれば、水泳アンカー対決で江利花が小路を応援した結果、視聴者からはりりが少しアウェイっぽく写っていた中で、”賭け”としてりりが勝つことを信じた逢という構図もまたエモくていとをかし。

りりのこの表情とちょっと含みがありそうな「ありがとう」
でこの深読み説ワンチャン当たってるんじゃないかなぁと思ってる。

こういう何気なさそうなオリジナル展開の数分に魂が宿ってると思う。



もう一つは上で書いたやつとほぼ一緒になるけど、原作の話数を入れ替えたり繋げたりしつつ原作の流れを崩さないようにアニメオリジナルの進行にしているのもすごく効いてた。


特に明日ちゃんではキャラクターの魅力を伝えるために序盤から
同級生と小路の掛け合いを中心に脚本が組まれていた。

これのおかげで1話1話の纏まりが綺麗なのでしっかりとキャラクターの魅力が伝わるし、小路と同級生たちがどんな掛け合いをするのか次回が楽しみになる。
30分が半分に感じるくらい毎話引き込まれるし見ていて飽きない。

1話完結にしやすい日常系の特徴が上手く反映されていて最高。
2、3話にまたがって色んなキャラ紹介されても正直覚えられないし物語もこんがらがるからね。



あとはなんといっても原作の良さを最大限活かせているところは最高以外の言葉がない。最高。

個人的にはマンガを描きたいと思う人たちは参考のためにとりあえず絶対読むべき教科書レベルの作品だと思っている原作があの画力と表現力なので、まぁ並大抵の制作力では原作の良さが引き出せなくなるところを、原作の補足だったり圧倒的作画力で物の見事に良作品に仕上がっていた。

誰が見るんだよってくらい細かいところまでこだわって作られてたり、動きの丁寧さだったり、キャラクターの見せ方だったり
上げたらキリがないくらい良かった。

特にここ最近のクローバーワークスの特徴でもあるフェチズムを端々に感じる。たぶんこの制作会社には変態がいっぱいいると思う。
ありがとうクローバーワークス。

ちゃんとブレザーの裏地が設定されてたりとか

あまりにも理解度と表現力が高い肩〜腕周りの筋肉構造とか。

あとは下の記事の2.とかおまけで書いてるので暇だったら読んでください。



それと作画の部分は個人的に総作監に河野さんがいるのが大きいと思う。

というのも河野さんはアイマスだったりShelterのPVみたいな女の子の表現が上手い上に、絶対魔獣戦線バビロニアみたいなガッチガチの戦闘をするような作品のアクションディレクターもやるくらいアクションに長けているので
まさに明日ちゃんのセーラー服にこれ以上ない人材であったと思う。

どんなお仕事をされてるかはこの辺でご確認を

髪なり服なり靡く作画が多いですね。




もちろん作画は凄いんだけれどもこのアニメ作品は特に「作画が凄い」だけで終わらせないでほしくて、中でも脚本、絵コンテ、演出は注目してほしい。

ここ数年、原作作品の魅力を伝えるよりも知名度上げ優先で人気声優を使うだけだったり、他媒体に繋げるためのツールとして動く絵くらいの温度感しか感じないレベルだったり。
もちろん制作する上でお金はかかるし、そもそも見られないと意味がないから知名度を上げるために策を講じるのは当然のことでそれらが悪であるというわけではない。

けれども実質1回しかされないアニメ化をそんな風に使われると「なんかなぁ」と思っちゃうのが正直なところ。

今回のアニメ明日ちゃんは今回ド直球に「作品の魅力を伝える」って気持ちをすごく感じた。

上でも書いた通りアニメで映えるようなシナリオに組み直されていたり、構図の使い方だったりアニメとして再構築して魅力を引き出しているのが最高に嬉しかった。


あとはこの部分の超絶個人的な楽しみ方として、
アニメを見ながらどんな原画マンが参加してるか予想する遊びが楽しい。

というのもアニメっていくらプロの方達で、設定があるといっても人間である以上絶対に書く絵とか演出とかに個性が出るんで、ぱっと見の印象で「あの人っぽいなぁ」とか「あの作品っぽさがあるなぁ」とか「あの制作会社っぽい雰囲気あるなぁ」とか感じるんですよね。
当たった時の気持ち良さは最高なので皆さんもやってみてください。

このあたりの作画はちなさんっぽい。
光の当たり方も独特で特徴がある。

7話は特にweb系の方達の影響を感じる。


このあたりは構図といい演出といいすごく自主制作アニメっぽさを感じる


こういうモーションの多さもすごく特徴を感じる。



放送途中なのでこの後も追加で書いたり書き直したりするかもしれないです


ー終ー


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